日中のヤス・マリーナ・サーキットを走行するレッドブル・ホンダのアレックス・アルボン、2020年F1アブダビGP フリー走行1にて
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別れとデビューの週末…フェルスタッペンが最速発進、シューマッハが遂にコースへ / F1アブダビGP《FP1》結果とダイジェスト

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オーストリアでの開幕から5ヶ月を経て、シーズンフィナーレを告げる2020年F1世界選手権最終17戦アブダビGPが、12月11日にヤス・マリーナ・サーキットで初日を迎え、日本時間18時から金曜1回目のフリー走行が行われた。

グランプリ一発目のセッションを制したのは今季2勝目を狙うマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)。1分37秒378のトップタイムを記録した。2番手には1000分の34秒遅れでバルテリ・ボッタス(メルセデス)が、3番手には同1.137秒差でエステバン・オコン(ルノー)が続いた。いずれもソフトタイヤでの計測だった。

金曜午前の現地ヤス島は晴天に恵まれ、セッションは気温25.6℃、路面温度38.4℃のドライコンディションでスタート。公式タイヤサプライヤーのピレリは最も柔らかいレンジのC3からC5までのコンパウンドを持ち込んだ。

予選及び決勝とはコンディションが大きく異なるため、アブダビのFP1は例年、来シーズンに向けたプログラムに費やされる傾向がある。今回も幾つかのマシンがエアロレイクフロービスを使い、様々なテストアイテムに取り組んでいた。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に感染したことで前戦を欠場したルイス・ハミルトンは、体調が戻り陰性が確認されたため、開幕前日にバーレーンからアブダビへと飛び無事に復帰を果たした。2戦ぶりにW11に乗り込むと、ブレーキシリンダーに問題を抱えて一時ガレージ内に籠もるシーンもあったが、感触を確かめるように24周を走り、ハードタイヤで5番手タイムを記録した。

来季シート獲得に向けた最後のチャンスへと挑むアレックス・アルボンは、オフキャンバーのターン12でスピンを喫する場面があったが、幸いにもクルマへのダメージはなく、最終的に25周を走り込み、チームメイトから1.169秒遅れの4番手でヘルメットを脱いだ。

アルボンに限らず、ヤス・マリーナは様々なドライバー達にとって別れの場、あるいは別れの場となる可能性がある。

前戦ウィナーのセルジオ・ペレスは今週末を最後にレーシングポイントを去る。レッドブル・ホンダが残された最後の望みだが、現時点では来季シートは決まっていない。なお週末に際してパワーユニット交換が行われたため、日曜のレースでは最後尾から巻き返しを図る事になる。RP20は今週末も好調のようで、ペレスが7番手、僚友ランス・ストロールが6番手タイムを刻んだ。

そんなペレスに代わって来季アストンマーチンのシートに座るセバスチャン・ベッテルにとっては、6年間に渡ったフェラーリとの最後の週末となる。ベッテルは19周を走り込み14番手でクルマを降りた。チームメイトのシャルル・ルクレールは12番手でオープニング・セッションを終えた。

ベッテルに代わって2021年に跳馬入りするカルロス・サインツは、マクラーレンMCL35で11番手タイムをマークしたが、サインツの後任となるダニエル・リカルド(ルノー)は燃圧に問題を抱えてコース上で停止。走行僅か3周のノータイム最下位と、厳しい出だしを強いられた。金曜専用エンジンであった事は幸いだが、全く理想的とは言えない形で週末をスタートさせた。

正式発表はまだないが、ダニール・クビアトにとってもアルファタウリ・ホンダでのラストランとなる可能性が高い。来週火曜のアブダビテストに参加する角田裕毅と佐藤万璃音がピットウォールから見守る中、クビアトは僚友ピエール・ガスリーを0.01秒抑えて8番手に付けた。

アルファタウリ・ホンダのピットウォールに座る佐藤万璃音、2020年F1アブダビGP フリー走行1
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ハースを去りIMSAへと転向するケビン・マグヌッセンは、FP1でミック・シューマッハにクルマを譲った。来季F1フル参戦を果たす伝説的チャンピオンの息子はソフトタイヤを中心に23周を走り、同じVF-20を駆るロマン・グロージャンの代役、ピエトロ・フィッティパルディを19番手に従える18番手タイムを残した。

ハースF1のミック・シューマッハ
ミック・シューマッハ / © Haas

2020年F1第17戦アブダビグランプリ2回目のフリー走行は、日本時間12月11日(金)22時から1時間半の日程で開催される。

2020年F1第17戦アブダビGPフリー走行1(FP1)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:37.378 26
2 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:37.412 +0.034 32
3 31 エステバン・オコン ルノー 1:38.515 +1.137 34
4 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 1:38.547 +1.169 25
5 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:38.744 +1.366 24
6 18 ランス・ストロール レーシングポイント 1:38.831 +1.453 25
7 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 1:38.956 +1.578 25
8 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 1:39.150 +1.772 27
9 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:39.160 +1.782 30
10 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 1:39.199 +1.821 22
11 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 1:39.330 +1.952 27
12 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:39.344 +1.966 25
13 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 1:39.352 +1.974 28
14 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:39.670 +2.292 19
15 88 ロバート・クビサ アルファロメオ 1:39.905 +2.527 19
16 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:40.446 +3.068 24
17 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:41.063 +3.685 27
18 50 ミック・シューマッハ ハース・フェラーリ 1:41.235 +3.857 23
19 51 ピエトロ・フィッティパルディ ハース・フェラーリ 1:44.069 +6.691 24
20 3 ダニエル・リカルド ルノー 3

コンディション

天気晴れ
気温25.6℃
路面温度38.4℃

セッション概要

グランプリ名 F1アブダビGP
セッション種別 フリー走行1
セッション開始日時

サーキット

名称 ヤス・マリーナ・サーキット
設立 2009年
全長 5281m
コーナー数 21
周回方向 反時計回り

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