希有のミディアム決戦でハミルトンが逆転PP!フェルスタッペン及ばず3番手も「満足」F1ポルトガルGP《予選》結果とダイジェスト
2020 FIA-F1世界選手権12戦ポルトガルGPの公式予選が10月24日にアルガルベ・サーキットで行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンが、週末を通して他を圧倒してきた僚友バルテリ・ボッタスを0.102秒差で打ち負かし、キャリア通算97回目のポールポジションを獲得した。メルセデスとしては、昨年から続く13戦連続となるポールとなった。
1ラップ頂上決戦は、珍しくもソフトではなくミディアムタイヤが主役を張った。メルセデス勢は1セット目では最も柔らかいソフトタイヤを履いていたものの、最終アタックで一段硬めのミディアムにチェンジ。各々自己ベストをコンマ3秒近く更新した。
ボッタスは全てのフリー走行で最速をマークしてきたが、最後の最後でまたもハミルトンに破れ去る格好となった。Q3最終アタックに向けてボッタスは、自身の判断で1ラップ計測に向かったが、ハミルトンは1周のチャージラップを挟む2ラップの計測を実施。結果的にハミルトンのラップ戦略が正解であった。
A rapid final run, and a 9️⃣7️⃣th pole for @LewisHamilton 💪
The moment he put it on pole at @AIAPortimao 👏#PortugueseGP 🇵🇹 #F1 pic.twitter.com/kgZtq2431b
— Formula 1 (@F1) October 24, 2020
レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンはポール争いに絡む速さを示したが、ブラックアローの2台とは異なりソフトを使い続け、最終アタックでもタイムを縮めたがハミルトンには0.252秒届かなかった。予選を振り返ったフェルスタッペンは「P3には満足だ。かなり堅実なラップにまとめられたし、メルセデスにさほど離されなかったからね」と語った。
来季シートが危ぶまれるアレックス・アルボンは、シャルル・ルクレール(フェラーリ)とセルジオ・ペレス(レーシングポイント)に先行を許す6番手に甘んじた。僚友フェルスタッペンとのギャップは0.533秒と開いたが、人事権を握るヘルムート・マルコは、6番手という成績について満足感を示した。
ルクレールはフェルスタッペンに0.186秒という僅差に迫った。ロシアGPより導入された一連のアップグレードが完了し、今季最終形態となったSF1000を駆るルクレールのパフォーマンスは見事だった。対照的にセバスチャン・ベッテルは15番手でQ2敗退を喫した。
マクラーレンはメルセデスとレッドブルを除いて唯一、2台揃ってトップ10進出を果たしたチームだった。両ドライバーの実力は高いレベルで拮抗し、今回はカルロス・サインツがランド・ノリスを1000分の5秒差で抑えて7番手につけ、チームメイトよりも1つ前のグリッドを手にした。
上位争いが期待されたアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーは、順当にQ3に進出したもののコンディションの変化に対応できなかったのか、自己ベストよりもコンマ4秒遅いタイムに留まり、9番手でヘルメットを脱いだ。10番手はルノーのダニエル・リカルドで、Q2最終盤のクラッシュによりマシン修復を強いられた関係で、Q3はコースインする事ができなかった。
Well, hello there! 👋
Your racing weekend starts here 🙌🇵🇹#PortugueseGP #F1 pic.twitter.com/FTm7b4nC53
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予選に先立つこと3時間前に行われた最終プラクティス最終盤に、ターン14脇の排水溝カバーが破損するアクシデントが発生し修復作業が長引いた事から、レースコントロールは予選開始を10分後に控え、Q1の開始時刻を30分延期すると発表。グリッド争いは気温21.2℃、路面35.7℃、湿度49.7%のドライコンディションで24日(土)現地14時30分、日本時間22時30分に開始された。
公式タイヤサプライヤーのピレリは起伏激しいアルガルベを警戒し、最も硬いレンジのC1からC3までの3種類のコンパウンドを投入。Q3進出組にはC3=ソフトタイヤが追加供給された。
予選Q1:ラッセルが見事突破
エントリーした全20台で争われる予選第1ラウンドのQ1では、ソフトタイヤの”保ち”が良く、各マシンはタイヤ1セットにつき2回の計測ラップを行った。時間の経過とともにラバーインによって路面のグリップが上がり、2セット目では多くのマシンが自己ベストを更新した。
アルファタウリ・ホンダはダニール・クビアトが14番手と、ギリギリで次のラウンドに駒を進めた一方、ガスリーはハミルトン、フェルスタッペン、ボッタスに次ぐ4番手タイムを刻んだ。
契約があるにも関わらずシート喪失の可能性が高まっているウィリアムズのジョージ・ラッセルは、僚友ニコラス・ラティフィに0.8秒もの大差を付けて15番手でQ2進出を果たし、予選対チームメイト成績全勝記録を更新した。
ラティフィに加えてアルファロメオ勢とハース勢がノックアウトを喫した。
ノックアウト
- キミ・ライコネン
- アントニオ・ジョビナッツィ
- ロマン・グロージャン
- ケビン・マグヌッセン
- ニコラス・ラティフィ
ELIMINATED: Q1
Raikkonen
Giovinazzi
Grosjean
Magnussen
Latifi#PortugueseGP 🇵🇹 #F1 pic.twitter.com/e7Jr4nKjJj— Formula 1 (@F1) October 24, 2020
予選Q2:ベッテルが再び脱落
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、メルセデス勢とフェラーリ勢の計4台がミディアムタイヤを履いてコースインした。予選Q3進出組は、Q2突破タイムを記録した際のタイヤでレースをスタートしなければならない。
風を巡るコンディション変化に翻弄されたか。フェルスタッペンはQ1で刻んだ自己ベストを更新できず、殆どのマシンが2セット目にタイムを縮める事が出来なかった。
チェッカーが振られた後には、リカルドが僚友エステバン・オコンにラインを塞がれる格好となり、スピンオフしてグラベルに飛び出るインシデントが発生したが、幸いにもマシンに大きなダメージはなく、10番手タイムで最終ラウンドに駒を進めた。
Whoa! Danny Ric goes for a spin at the end of Q2
He bips the rear wing on the barrier, but he gets out of the gravel, and he's made it into Q3 😅#PortugueseGP 🇵🇹 #F1 pic.twitter.com/XQ5e3tsKKI
— Formula 1 (@F1) October 24, 2020
「タイヤの熱入れに失敗した」と語るセバスチャン・ベッテルは15番手で敗退を喫したが、シャルル・ルクレールは8番手でトップ10へと進んでいった。
ノックアウト
- エステバン・オコン
- ランス・ストロール
- ダニール・クビアト
- ジョージ・ラッセル
- セバスチャン・ベッテル
予選Q3:世にも珍しいミディアム決戦
トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3では、ガスリーとマシン修復を待つリカルドが1セット目のラップを行わず、ガレージ内で待機した。
1セット目を終えてボッタスがただ一人16秒台に入れて暫定トップを確保。1000分の47秒差でハミルトンを退けた。
アルボンは唯一ミディアムタイヤでコースインして7番手。フェルスタッペンはセクター1で全体ベストを刻んで、最速ボッタスからコンマ1秒遅れの3番手につけた。
興味深いことに、最終アタックではアルボンがソフトに履き替えた一方、メルセデスの2台がミディアムを装着。最後の最後にハミルトンがボッタスを交わしてタイムシートのトップに立った。マシン修復が終わらず、リカルドはノータイム10番手に終わった。
2020年 F1ポルトガルグランプリ決勝レースは、日本時間10月25日(日)22時10分にスタート。1周4,684mのアルガルベ・サーキットを66周する事でチャンピオンシップを争う。
How things stand at the end of qualifying!
Just a tenth between the top two 🤏#PortugueseGP 🇵🇹 #F1 pic.twitter.com/iXHoaTxNAw
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2020年F1第12戦ポルトガルGP予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:16.828 | 1:16.824 | 1:16.652 | 21 |
2 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:16.945 | 1:16.466 | 1:16.754 | 17 |
3 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:16.879 | 1:17.038 | 1:16.904 | 23 |
4 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:17.421 | 1:17.367 | 1:17.090 | 23 |
5 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 1:17.370 | 1:17.129 | 1:17.223 | 21 |
6 | 23 | アルボン | レッドブル | 1:17.435 | 1:17.411 | 1:17.437 | 29 |
7 | 55 | サインツ | マクラーレン | 1:17.627 | 1:17.183 | 1:17.520 | 24 |
8 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:17.547 | 1:17.321 | 1:17.525 | 24 |
9 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:17.209 | 1:17.367 | 1:17.803 | 26 |
10 | 3 | リカルド | ルノー | 1:17.621 | 1:17.481 | 17 | |
11 | 31 | オコン | ルノー | 1:17.775 | 1:17.614 | 18 | |
12 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 1:17.667 | 1:17.626 | 22 | |
13 | 26 | クビアト | アルファタウリ | 1:17.841 | 1:17.728 | 22 | |
14 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:17.931 | 1:17.788 | 17 | |
15 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 1:17.446 | 1:17.919 | 20 | |
16 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:18.201 | 12 | ||
17 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:18.323 | 12 | ||
18 | 8 | グロージャン | ハース | 1:18.364 | 12 | ||
19 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:18.508 | 10 | ||
20 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:18.777 | 11 |
コンディション
天気 | 晴れ |
---|---|
気温 | 21.2℃ |
路面温度 | 35.7℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1ポルトガルGP |
---|---|
セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | アルガルベ・サーキット |
---|---|
設立 | 2008年 |
全長 | 4684 m |
コーナー数 | 15 |
周回方向 | 時計回り |