グランドスタンドの観客に手をふるメルセデスのルイス・ハミルトン、2020年F1ポルトガルGPにてcopyright Daimler AG

ハミルトン、皇帝シューマッハ超えの史上最多92勝…ホンダは11戦連続表彰台 / F1ポルトガルGP《決勝》結果とダイジェスト

  • Published:

2020シーズンのFIA-F1世界選手権 第12戦ポルトガルGP決勝レースが10月25日に行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンが見事なタイヤマネジメントを見せて完全試合でポール・トゥ・ウインを飾り、7度の世界王者ミハエル・シューマッハが所持してきたF1史上最多優勝記録を92に更新した。

同じ最前列からスタートした僚友バルテリ・ボッタスは、オープニングラップでラップリーダーの座を奪ったものの、これを維持し続けられるほどのパフォーマンスはなく、DRSを使ってホームストレートで仕掛けてきたハミルトンに対して20周目にトップの座を奪還されてしまい、その後は為す術なく2位でフィニッシュした。

2020年F1ポルトガルGPを3位で終えてパルクフェルメにマシンを停めたレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン
© Red Bull Content Pool

レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは、スタートタイヤがソフトであった事がライバルにアドバンテージを与える結果となり、特に第1スティントは接触もあった事で厳しい戦いを強いられたが、その後は危なげなく自身のペースをコントロールして3位表彰台に上がり、ホンダに11戦連続となるポディウム登壇をもたらした。

他のホンダエンジン勢は、9番グリッドのピエール・ガスリー(アルファタウリ)がフィールドを掻き分け駆け上がり、シャルル・ルクレール(フェラーリ)に次ぐ5位フィニッシュの健闘を見せたが、6番グリッドのアレックス・アルボン(レッドブル)は奮わず入賞圏外12位に沈み、ダニール・クビアトも完走19台中最下位でクルマを降りた。

アルガルベ・サーキットのターン5
© Red Bull Content Pool

第12戦の舞台は、ポルトガル南部の丘陵地帯に位置するアルガルベ・サーキット。F1初開催を迎えた全長4,684mのコースは全体が畝るような起伏を持つ高速トラックで、高低差が生み出すブラインドコーナーなどが好評を博している。ポルトガルGPとしてはエストリルで開催された1996年以来、24年ぶりの開催となった。

公式タイヤサプライヤーのピレリは最も硬いレンジのC1からC3までのコンパウンドを投入。本大会ではハードが多めに配分され、各車はハード3組、ミディアム3組、ソフト7組を持って週末をスタートさせた。

Q3進出組としてはフロントロウのメルセデス勢と4番手シャルル・ルクレールがミディアム、他はソフトを履いてグリッドに着いた。タイヤ選択の自由がある11番手以降は、19番手ケビン・マグヌッセンがハード、16番手キミ・ライコネンがソフトを履き、他の8台は新品ミディアムを選択した。

2020年F1ポルトガルGP決勝スタート前のグリッドの様子

決勝は、日本時間25日(日)22時10分にブラックアウトを迎え、1周4,684mのコースを66周する事で争われた。現地ポルティマンは薄暗い雲に覆われ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップはピエール・ガスリーが降雨を報告する中、気温20.6℃、路面25.7℃、湿度65.2%のドライコンディションで開始された。

3番グリッドのフェルスタッペンは、ソフトタイヤの蹴り出しおよび奇数列のグリップの良さを生かしてターン1で2番手に浮上するも、その後セルジオ・ペレス(レーシングポイント)と接触。フェルスタッペンはマクラーレンの2台に先行を許し、ペレスは最後尾に転落した。

一件は審議の対象となったがレーススチュワードはお咎め無しの裁定を下した。幸か不幸か、早々にミディアムタイヤへの履き替えを強いられたペレスはその後、タイヤに苦しむソフト勢を尻目に見る見るポジションを上げていき、結果としては7位入賞で週末を飾り、Driver of the Dayに輝いた。

路面が冷えてタイヤが上手く機能せず、各車激しくタイヤをロックアップさせる中、キミ・ライコネン(アルファロメオ)は1周目に9ポジションアップの6番手に浮上。隊列はボッタス、サインツ、ハミルトン、ノリスの順で1周目のフィニッシュラインを駆け抜けた。

2周目に入ると、サインツがソフトタイヤの優位性を生かしてボッタスを交わし、ラップリーダーに躍り出たものの、MCL35はその後グレイニングを患いラップタイムが低下。8周目にはボッタス、ハミルトン、フェルスタッペンという馴染みの並びに戻った。

ライコネンに象徴されるように、ソフト勢は最初の数周こそ高い競争力を発揮していたが、グレイニングと摩耗によってタイヤの性能は大きく低下し、第1スティントを長く引っ張るほど大きくタイムをロスする状況となった。ミディアムを履いて最も長く第1スティントを引っ張ったエステバン・オコンは残り12周でソフトタイヤにチェンジ。8位でチェッカーを受け、3ポジションアップで週末を締め括った。

ただしソフト勢の中でも、9番グリッドのガスリーは例外だった。1周目にこそ1ポジションを落したが、その後は右肩上に順位を上げていき、20周目にサインツをオーバーテイク。ルクレールに続く5番手に浮上すると、第1スティントを29周目まで引っ張りミディアムタイヤに交換。8番手でコースに戻ると、残り2周でペレスを交わして5番手を掴み取り、そのままチェッカーフラッグを受けた。

オープニングラップのクラッシュに続き、18周目には7番手を争っていたランド・ノリス(マクラーレン)とランス・ストロール(レーシングポイント)がターン1で接触。両者ともに車体にダメージを負って緊急ピットインを強いられ、隊列後方に沈んだ。

スチュワードはストロールに責任があるとして、5秒ペナルティを科す裁定を下した。カナダの若手はその後も精彩を欠き、トラックリミットによって更に5秒ペナルティが加算されると、残り13周というところでリタイアを選択した。ノリスは13位でフィニッシュした。

表彰台争いを繰り広げる3台の内、いち早くピットに向かったのは無論フェルスタッペンで、24周目にミディアムタイヤに履き替え6番手でコースに復帰。ハミルトンは41周目まで第1スティントを引っ張りハードに履き替え、その翌周にボッタスがピットに向かい同じくハードに履き替えた。

予選までと同じようにトラックリミットが多く記録され、黒白旗とペナルティが科されるドライバーが数名あった。先のストロールに加えてクビアトとロマン・グロージャン(ハース)が5秒ペナルティを科された。

順位とタイム

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 66 1:29:56.828 26
2 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 66 +25.592s 18
3 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 66 +34.508s 15
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 66 +65.312s 12
5 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 65 +1 lap 10
6 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 65 +1 lap 8
7 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 65 +1 lap 6
8 31 エステバン・オコン ルノー 65 +1 lap 4
9 3 ダニエル・リカルド ルノー 65 +1 lap 2
10 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 65 +1 lap 1
11 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 65 +1 lap 0
12 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 65 +1 lap 0
13 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 65 +1 lap 0
14 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 65 +1 lap 0
15 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 65 +1 lap 0
16 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 65 +1 lap 0
17 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 65 +1 lap 0
18 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 64 +2 laps 0
19 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 64 +2 laps 0
NC 18 ランス・ストロール レーシングポイント 51 DNF 0

コンディション

天気
曇り
気温
20.6℃
路面温度
25.7℃
周回数
66

レース概要

グランプリ名
F1ポルトガルGP
レース種別
決勝
レース開始日時

サーキット

名称
アルガルベ・サーキット
設立
2008年
全長
4684 m
コーナー数
15
周回方向
時計回り

F1ポルトガルGP特集