ホンダ車の火災とフェルスタッペンの事故で2度の赤旗…最速はボッタス / F1ポルトガルGP《FP2》結果とダイジェスト
2020年F1第12戦ポルトガルGP金曜2回目のフリー走行が現地10月23日に行われた。バルテリ・ボッタス(メルセデス)がソフトタイヤで1分17秒940のトップタイムを記録し、FP1に続いてタイムシート最上部を手にして、初日を最速で締め括った。2番手はレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンという結果となった。
予選・決勝と同時刻帯のプラクティス2は気温21℃、路面36.6℃、湿度53%のドライコンディションでポルティマオ現地15時に開始されるも、2度の赤旗と”ブラインドテスト”の影響で通常通りの練習走行とはならず、多くのチームが計画していたプログラムを終える事ができなかった。
チームがプログラムに取り組めた実質的な時間は合計25分程で、ロングランに関しては全チームが消化不良のままにセッションを終える事を強いられた。今回のタイムシートの並びは、傾向を把握する上ではまだしも、決定的な意味を持たない。
序盤の30分間は、2021年シーズン用の13インチ・プロトタイプタイヤのテストプログラムに費やされた。ピレリは正確な数の公表を拒否しているが、来季用に開発された概ね8~10種類程度のコンパウンドが持ち込まれたものと見られる。
一切の情報が伏せられたまま3セットずつがチーム側に供給され、ピレリの走行指示に従って1台はロングラン、もう1台はショートランに取り組んだ。ここまでは問題なかった。
規定の30分間を終えて来季用の開発タイヤを脱いだ各車は、チーム毎の通常のプログラムへと切り替えたものの、コースを周回していたアルファタウリ・ホンダのピエール・ガスリーが残り45分で突如失速。コース脇にマシンを停めると車体後方から炎が上がり、セッションは即座に赤旗中断となった。
A dramatic fire ended Pierre Gasly's FP2 in Portimao 🔥#PortugueseGP 🇵🇹 #F1 pic.twitter.com/RLd1jPBFkd
— Formula 1 (@F1) October 23, 2020
燃料といった可燃性が高い物質に引火したのだろうか、炎は白煙を伴って一気に激しさを増したが、オフィシャルによる消火作業が行われ、幸いにも炎はすぐに鎮火し、ガスリーも無事にコックピットを降りた。AT01は消火剤で白く覆われた。
現時点で詳細な原因は不明だが、FP3と予選が行われる土曜日に向けてメカニック達が不眠不休の夜間作業を強いられるのは殆ど確実と言って良いだろう。ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは詳細な分析はまだであるとした上で、電源のシャットダウンが起因となって発生したと説明している。
セッションは残り29分で再開されたが、今度はランス・ストロールとマックス・フェルスタッペンがホームストレート終端のターン1で接触。レーシングポイント18号車がグラベルに放り出されて身動きが取れなくなったため、セッションは再びレッドフラッグが振られた。
No sooner had we started and we've stopped again! 😮
Verstappen and Stroll tangle at Turn 1, Stroll spins into the gravel and we have another 🚩 Red Flag 🚩#PortugueseGP 🇵🇹 #F1 pic.twitter.com/hFI0gKBcfO
— Formula 1 (@F1) October 23, 2020
両者は共に計測ラップに向かっていたようで、フェルスタッペンは最終コーナーで自身を追い抜いていったストロールを交わそうと、ホームストレートでトウを得てこれに近づきターン1のイン側に向かったが、前を走るストロールは通常通りのラインでターン1にエントリー。イン側に突っ込んできた形のフェルスタッペンに追突された。
両者は無線で怒りをあらわにし、お互いがお互いを非難した。一件は審議の対象となり、セッション終了後に聴取と調査を終えたヴィタリー・ペトロフを含むスチュワードは、一件を不問とする裁定を下した。
2020年F1第12戦ポルトガルグランプリ3回目のフリー走行は、日本時間10月24日(土)19時から1時間半の日程で開催される。
2020年F1第12戦ポルトガルGPフリー走行2(FP2)リザルト
Pos | No | Driver | Team | Time | Gap | Laps |
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1 | 77 | ボッタス | メルセデス | 1:17.940 | 32 | |
2 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:18.535 | +0.595 | 34 |
3 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:18.743 | +0.803 | 35 |
4 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:18.838 | +0.898 | 34 |
5 | 55 | サインツ | マクラーレン | 1:19.113 | +1.173 | 32 |
6 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 1:19.175 | +1.235 | 34 |
7 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 1:19.178 | +1.238 | 26 |
8 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 1:19.308 | +1.368 | 27 |
9 | 31 | オコン | ルノー | 1:19.496 | +1.556 | 32 |
10 | 23 | アルボン | レッドブル | 1:19.643 | +1.703 | 37 |
11 | 63 | ラッセル | ウィリアムズ | 1:19.821 | +1.881 | 33 |
12 | 11 | ペレス | レーシングポイント | 1:19.901 | +1.961 | 34 |
13 | 3 | リカルド | ルノー | 1:19.987 | +2.047 | 28 |
14 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 1:20.465 | +2.525 | 33 |
15 | 7 | ライコネン | アルファロメオ | 1:20.490 | +2.550 | 34 |
16 | 20 | マグヌッセン | ハース | 1:20.680 | +2.740 | 29 |
17 | 26 | クビアト | アルファタウリ | 1:20.729 | +2.789 | 33 |
18 | 8 | グロージャン | ハース | 1:20.867 | +2.927 | 32 |
19 | 18 | ストロール | レーシングポイント | 1:20.983 | +3.043 | 26 |
20 | 99 | ジョビナッツィ | アルファロメオ | 1:21.396 | +3.456 | 34 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 21℃ |
路面温度 | 36.6℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1ポルトガルGP |
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セッション種別 | フリー走行2 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | アルガルベ・サーキット |
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設立 | 2008年 |
全長 | 4684 m |
コーナー数 | 15 |
周回方向 | 時計回り |