アルガルベ・サーキット全景、2020年F1ポルトガルGP
Courtesy Of Alfa Romeo Racing

ホンダ、初アルガルベで好発進…滑る路面に思わず「まるでTOKYO DRIFTだ!」F1ポルトガルGP《FP1》結果とダイジェスト

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シーズン12戦目となる2020年F1世界選手権ポルトガルGPが、10月23日にアルガルベ・サーキットで開幕を迎え、日本時間19時から金曜1回目のフリー走行が行われた。グランプリ一発目のセッションを制したのはメルセデスAMGのバルテリ・ボッタス。ミディアムタイヤを履いて1分18秒410のトップタイムを記録し、チームメイトのルイス・ハミルトンを0.339秒差で2番手に退けた。

3番手にはトップから遅れる事0.781秒でレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが、4番手には同0.899秒差でスクーデリア・フェラーリのシャルル・ルクレールが続いた。両者はメルセデス勢とは異なりハードコンパウンドでの計測であり、FP2以降に向けて期待が持てるスピードを刻んだ。

その他のホンダエンジン勢は、レッドブルのアレックス・アルボンが5番手、アルファタウリのピエール・ガスリーが10番手タイムをマーク。ダニール・クビアトは13番手でヘルメットを脱いだが、全3台がトップ10という好発進を決めた。

アルガルベ・サーキットを走行するレッドブル・ホンダRB16を駆るマックス・フェルスタッペン、2020年F1ポルトガルGP FP1にて

F1初開催を迎えたリカルド・ペーニャ設計の全長4,684mのコースは、ポルトガル南部のアルガルヴェ地方の北部丘陵地帯に位置しており、全体が畝るような起伏を持つ。レイアウトは全長3,465m~4,684mまでの32種類があるが、今回はその中で最長のレイアウトが用意された。

全体としては高速サーキットの部類で、969mのホームストレート並びにターン5にかけての下り坂でのブレーキング、高低差が生み出すブラインドコーナーなどが特徴の一つと言える。

アルガルベ・サーキット全景、2020年F1ポルトガルGP

金曜午前の現地ポルティマンは、上空に怪しげな雲が広がったものの時折日差しに恵まれ、セッションは前戦アイフェルGPよりも暖かい気温18.5℃、路面温度26℃のドライコンディションでスタートした。一時、ランド・ノリスが降雨を報告したが、ウェットになることはなく路面は最後まで乾いていた。

公式タイヤサプライヤーのピレリは他のカテゴリーでのデータを持ち合わせてはいるものの、起伏激しいアルガルベを警戒して、最も硬いレンジのC1からC3までの3種類のコンパウンドを持ち込み、通常とは異なりハードを多めに配分するソフト7セット、ミディアム3セット、ハード3セットを各マシンに供給した。

路面が再舗装された事もあり、シルバーストンやポール・リカールと同等レベルのグリップ力が期待されたが、週末出だしの路面状況は芳しくはなかったようで、ハードタイヤを履いてコースに出たフェルスタッペンはターン4でスピン。ウイングレベルが低すぎるとして「まるでドリフトマシンだ」と訴え、カルロス・サインツは「まるでTOKYO DRIFTだ!」と評し、ハミルトンはミディアムを履いていたセッション終盤に、左フロントタイヤのグレイニングを訴えていた。

レッドブル・ホンダはRB16にアップデートを持ち込んだようで、気流確認のために左フロントサスペンション周りにフロービズを塗り走行する様子が確認された。スクーデリア・フェラーリも新型ディフューザーを含む新たな開発物を投入して今季SF1000の完成形を披露した。

胃の調子が悪くニュルブルクリンクでの週末を欠席したランス・ストロールは、その後新型コロナウイルス感染症(COVID-19)への感染が確認されたが、週末に先立って行われた検査で陰性となり、1戦ぶりに週末に復帰した。

体調こそ戻ったもののフィジカル的にはまだイマイチか、セルジオ・ペレスが7番手につけた一方、ストロールは15番手と大きく沈んだ。万が一に備えてニコ・ヒュルケンベルグがチームに帯同しているが、出番はなさそうだ。

開幕を翌日に控えた木曜に、今季末限りでの両ドライバーとの契約解除を発表したハース勢は、インディカーへの興味を認めるケビン・マグヌッセンが14番手、フォーミュラEに参戦するマヒンドラのシミュレーターをドライブしたと見られているロマン・グロージャンが17番手につけた。

ニュルブルクリンクでの3位表彰台が象徴的であるように、車体パフォーマンスを右肩上がりで引き上げているルノーは、ダニエル・リカルドが9番手につけた一方、エステバン・オコンは19番手に終わった。オコンはセッション最終盤にリアから白煙を履き上げており、チームはFP2に向けてオイル漏れへの対処を迫られる事になる。

2020年F1第12戦ポルトガルグランプリ2回目のフリー走行は、日本時間10月23日(金)23時から1時間半の日程で開催される。FP2の最初の30分間では、2021年型のプロトタイプタイヤが供給される。

2020年F1第12戦ポルトガルGPフリー走行1(FP1)リザルト

Pos No Driver Team Time Gap Laps
1 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 1:18.410 35
2 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 1:18.749 +0.339 35
3 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 1:19.191 +0.781 32
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:19.309 +0.899 33
5 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 1:19.365 +0.955 34
6 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 1:19.441 +1.031 42
7 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 1:19.907 +1.497 31
8 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 1:19.954 +1.544 34
9 3 ダニエル・リカルド ルノー 1:20.058 +1.648 27
10 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 1:20.124 +1.714 29
11 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 1:20.200 +1.790 37
12 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 1:20.207 +1.797 29
13 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 1:20.278 +1.868 32
14 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 1:20.846 +2.436 28
15 18 ランス・ストロール レーシングポイント 1:20.954 +2.544 32
16 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 1:21.009 +2.599 35
17 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 1:21.169 +2.759 31
18 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 1:21.374 +2.964 31
19 31 エステバン・オコン ルノー 1:21.673 +3.263 31
20 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 1:22.054 +3.644 34

コンディション

天気晴れ
気温18.5℃
路面温度26℃

セッション概要

グランプリ名 F1ポルトガルGP
セッション種別 フリー走行1
セッション開始日時

サーキット

名称 アルガルベ・サーキット
設立 2008年
全長 4684 m
コーナー数 15
周回方向 時計回り

F1ポルトガルGP特集