スクーデリア・フェラーリSF1000に乗りガレージを出るセバスチャン・ベッテル
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フェラーリ、F1ポルトガルGPでSF1000の完成形を披露…新型ディフューザーを含むアップデートを投入

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スクーデリア・フェラーリは10月23日~25日にアルガルベ・サーキットで開催されるF1第12戦ポルトガルGPに新型ディフューザーを含むアップデートを投入する。これによってロシアGPより導入されてきた一連のアップグレードが完結し、SF1000は一つの完成形を見る事になる。

パフォーマンス開発責任者を務めるエンリコ・カルディーレは、オートドロモ・ド・アルガルベに持ち込まれるSF1000は、新型ノーズ、リアウィング、バージボードを含むロシアGP以降に導入を開始したパッケージの完成形だと語った。

「我々はソチでマシンのエアロパッケージに幾つかの小さな変更を導入し、ニュルブルクリンクでも他の変更を加えた」とカルディーレ。

「ポルティマオではディフューザーを中心とした更なるアップデートを行い、過去数カ月間に設定したプログラムを完了させる予定だ」

シャルル・ルクレールが過去2レースで6位と7位を獲得するなど、SF1000のパフォーマンスは改善傾向を示している。マラネロはこうした結果を背景に、開発の方向性が正当化されたと考えているが、これは翌2021年シーズンに導入されるアップグレードの制限を考えると、殊更ポジティブだ。

来季はアップグレード制限が導入されるため、チームは開発を進める領域を絞らなくてはならない。カルディーレは最もパフォーマンス向上の余地が大きいのはリアエンドだと考えており、2021年シーズンの開発トークンの全てをこのエリアに費やす事を明らかにした。

「チーム毎に各々設計思想が異なるため一概には言えないが、我々としてはリアエンドが最も改善の余地があると考えている。それは、技術レギュレーションで大きな変更が加えられた箇所というだけでなく、我々のクルマのレイアウト的に大きな進歩が見込めると考えているからだ」

「だからこそ我々は、ルールで認められている2つのトークンをこの領域に使うことにした。来年はクルマの基本的なコンポーネントの全てを変更することは認められず、一部のコンポーネントだけを変更することになる」

2021年シーズンには、前年のチャンピオンシップの順位に応じて空力テストを制限する画期的なルールが導入される。コンストラクター順位が上のチームほど、風洞実験の制限が厳しくなるため、フェラーリとしては今シーズン中に現在進めている開発コンセプトが正しい事を確認しておく事が重要となる。

カルディーレは、ポルトガルGPの週末に最も重要な事はアップデートされたSF1000のパフォーマンスを確認して「開発が正しい軌道に乗っていることを確認する事だ」と強調した。

「過去数グランプリのリザルトは勇気づけられるものであったし、今週末も同様の結果が得られることを願っている。今年はこれまで以上に、次のシーズンに向けての開発が重要だと考えなければならない」

パワー不足のエンジンと空気抵抗が大きなエアロに足を引っ張られ、レーシング・ポイント、ルノー、マクラーレンに後れを取っているフェラーリは、残りのシーズンを通してミッドフィールドのトップに返り咲くことを目指していく。

カルディーレは「我々はまだSF1000のパフォーマンスを引き出せると考えている。コンマ数秒以内の差で4位以下を争っているチーム及びドライバー達のグループの先頭に立つことができれば大きな利益になる」と続ける。

「今年、ドライコンディションの中で2・3列目を争えたのは数回しかない。これから12月までは、コンスタントにポジションを争うことを目標にしている」

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