「Arrest the cops who killed Breonna Taylor(ブレオナ・テイラーを殺した警官を逮捕せよ)」と書かれたTシャツを着用するメルセデスAMGペトロナスF1チームのルイス・ハミルトン、2020年F1トスカーナGPにてcopyright Daimler AG

ハミルトン、F1ポルトガルGPのスチュワードに”物議醸す”ペトロフを選んだFIAを批判

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メルセデスAMGペトロナスF1チームのルイス・ハミルトンは、元F1ドライバーのヴィタリー・ペトロフをF1第12戦ポルトガルGPのドライバー・スチュワードに任命した国際自動車連盟(FIA)の判断に疑問を呈した。

2010年から2012年に渡ってロータスとケータハムからF1で57戦を戦い、2011年のオーストラリアGPでロシア人として初めて表彰台に上がったペトロフは、アルガルベ・サーキットで開催される今週末のポルトガルGPで、4名からなるスチュワードの一員を初めて務める。

ペトロフは先月、母国ロシアの「Championat」とのインタビューの中で、決勝レース前に反人種差別運動を支持する意味でF1ドライバー達が行っている”膝をつく行為”に疑問を呈した。曰く、ロシアで膝を付くのは神の前と将来の妻にプロポーズする時だけだという。

また、ハミルトンがF1トスカーナGPで「ブレオナ・テイラーを殺した警官を逮捕せよ」とのメッセージ入りTシャツを着用したのは「度が過ぎている」と発言し、更には「もしドライバーの一人がゲイであることをカミングアウトしたとしたら、彼らは虹色の旗を持ち、他のみんなにゲイになるように促すのだろうか?」とも述べ、一部で物議を醸していた。

2011年F1オーストラリアGPで表彰台に上がったルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテル、ヴィタリー・ペトロフ
2011年F1オーストラリアGPで表彰台に上がったルイス・ハミルトン、セバスチャン・ベッテル、ヴィタリー・ペトロフ / © Red Bull Content Pool

ハミルトンはポルトガルGPの開幕前に行われたFIAプレスカンファレンスにおいて、FIAがペトロフをスチュワードとして起用したのは「驚き」だと語った。

「全て引用を見たわけじゃないけど、当然のことながら、そういった信条を持ち、僕らが闘おうとしている事についてアレヤコレヤと言う人間を彼らが雇ったのは驚きだよ」とハミルトン。

「僕にできる事はないから、これに関しては彼ら(FIA)に言うべきだよ。本当にね」

F1は今季開幕を前に「#WeraceAsOne」を標榜し、スポーツ内における多様性の確保と機会均等に向けた取り組みを開始した。ハミルトンは、ペトロフの考え方はそうしたスタンスとは相反するものだと主張する。

「この時代とともにあり、僕らが生きている時代の意味を理解し、僕らを取り巻く問題に敏感な人々を選ぶべきだ」とハミルトンは主張する。

「他に良い候補がいないわけじゃないから、彼らが何を考えているのか、なぜ彼が選ばれたのか僕には全く理解できない」

ハミルトンのチームメイトであるバルテリ・ボッタスは「その件に関しては詳しくは知らないから何とも言えない」とした上で「ルイスが言うように、僕らが推し進めているこの件に関しては、僕ら全員が同じマインドセットを持つべきだと思う」と語った。

FIAはドライバー・スチュワードの選定に関して「スチュワードとしての立場以外での個人的見解に基づいて選定プロセスを変える事はない。ただし、そうした見解がFIAの規則および倫理規範に反しないことを条件とする」と説明している。

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