
ハミルトン「僕は役立たず」辛辣自己批判…フェラーリに自身の解任を提言―僚友ポールの一方でハンガリーQ2敗退
ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は、2025年F1第14戦ハンガリーGP予選でQ2敗退を喫し、12番手に沈んだ。ハンガロリンクで最多9回のポールポジション記録を持つ7度のF1王者にとって、この結果は到底受け入れ難いものだった。
敗退が決まると無線では「毎回だよ、毎回」と繰り返し、予選後には英衛星チャンネル『Sky Sports』に対し、「毎回僕なんだ。役立たず、完全に僕は役立たずだ」「チームには何も問題ない。見ればわかる、このクルマでポールにいるんだから。たぶん、チームはドライバーを変えるべきなんだよ」と、激しい自責の念をぶつけた。
その言葉に冗談めいた様子は一切なく、表情は沈痛そのものだった。
メルセデス時代のチームメイト、ジョージ・ラッセルに遅れを取る状況が続いた昨年以降、ハミルトンは度々、自己批判を繰り返してきたが、今回の発言はそれらを上回る衝撃的ものであり、自身の不振に対する強い苛立ちと落胆、そしてチームメイトとの明確な差に対する焦燥感がありありと滲み出ていた。
苦戦続くフェラーリ初年度
今季フェラーリに移籍したハミルトンは、これまで13戦を終えて一度もグランプリ表彰台に上がっていない。第2戦中国GPではスプリントでポールポジションと優勝を果たしたものの、それ以降は浮上のきっかけを掴めずにいる。
一方、チームメイトのシャルル・ルクレールは今回のハンガリーGPでポールポジションを獲得。今季予選での直接対決はルクレールが12勝5敗と大きくリードしており、表彰台獲得数も5回を数える。
ここまでの両者の成績は、F1界で最も成功したドライバーと称されるハミルトンの評価に影を落とすものとなっている。
Courtesy Of Ferrari S.p.A.
セッションに向けてガレージ内で待機するルイス・ハミルトン(フェラーリ)、2025年8月2日(土) F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)
バスール代表は擁護姿勢も
フェラーリのフレデリック・バスール代表は、今回のQ2敗退についてハミルトン個人の責任とはせず、コンディションの変化に原因があったと語った。
「Q1とQ2ではタイヤを適切な作動ウインドウに入れるのに苦しんでいた。ルイスはシャルルに非常に近かったが、わずか0.015秒届かずQ2敗退となった。Q2では雨も降るなど、コンディションが劇的に変化してた」と述べ、難しい状況下にあったことを強調した。
一方でルクレールについては、「シャルルはアウトラップでタイヤを適切なウインドウに入れ、正しい位置につけた。それがあの見事なラップにつながった」と称賛し、「このポールは決して簡単なものではなかった」と付け加えた。
ハンガロリンクはオーバーテイクが極めて難しい。12番グリッドからの巻き返しは困難な道のりとなり得る。バスールは「ルイスにとって厳しいレースになるのは間違いないだろう」と締め括った。
2025年F1ハンガリーGP予選では、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が衝撃的な今季初ポールポジションを獲得。週末を通して他を圧倒していたマクラーレン勢は、オスカー・ピアストリが2番手、ランド・ノリスが3番手に甘んじた。
決勝レースは日本時間8月3日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。