”違和感”の正体は…フェルスタッペン「何をやってもダメ」今季最悪の8番手―沈黙したレッドブル

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2025年F1第14戦ハンガリーGPの予選で、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが今季予選ワーストとなる8番手に沈む波乱があった。昨年前半までの圧倒的な支配力からは想像しがたい結果であり、チームにとってもドライバーにとっても極めて厳しい内容となった。

ハンガロリンクを舞台に行われた予選では、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が驚きのポールポジションを獲得した。フェルスタッペンはそのルクレールから0.356秒遅れ、さらにザウバーの新人、ガブリエル・ボルトレートにも先行を許した。

Q2敗退すら危ぶまれる場面もあり、かろうじて最終ラウンド進出を果たしたものの、上位争いには全く絡めず、「週末全体を見れば、Q3に進めたことを喜ぶべきだと思う」と自嘲気味に語った。

ホイールをコース外に落として砂埃を巻き上げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年8月2日(土) F1ハンガリーGP予選(ハンガロリンク)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ホイールをコース外に落として砂埃を巻き上げるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年8月2日(土) F1ハンガリーGP予選(ハンガロリンク)

ペース不足の原因、特定に至らず

ペース不足の原因について、レッドブルは現時点でも特定に至っていない。「今のところ、ちょっとした謎だよ。週末全体を通してペースがなかった」とフェルスタッペンは困惑を隠さない。

「何をやってもダメだった。週末を通してペースがないし、グリップも良くない。だから予選では毎周、しんどかった。クルマのバランスも不安定だし、フロントにもリアにもグリップがなかった」と振り返る。

特に異例だったのは、セットアップ変更に対する応答がまるで見られなかったことだという。

「週末を通していろいろ試したけど、ほとんど手応えがなかった。普段はセットアップを変えると何かしらの反応があるんだけど、今回はそれすらなかったのが奇妙だった」と語り、特異な状況に対する違和感を口にした。

一方で、「できる限りのことはやったつもりだし、明日に向けてもう少し詳しく分析してみるつもりだ」と前を向いた。

レッドブルはチーム全体として苦戦しており、角田裕毅もQ1敗退を喫している。

8番手にとどまった予選を経て、パルクフェルメでメルセデスのマシンを観察するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年8月2日(土) F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)Courtesy Of Red Bull Content Pool

8番手にとどまった予選を経て、パルクフェルメでメルセデスのマシンを観察するマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年8月2日(土) F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)

見えない出口、続く苦戦

今季のレッドブルは、初日に苦戦しても2日目に向けてセットアップを修正し、立て直す傾向が見られてきた。だが今回はそれを再現することはできず、問題の根本原因を掴めないまま予選を終えた。そのため、決勝レースに向けても明確な改善の糸口が見えない状況にある。

フェルスタッペンは「今日のペースを踏まえると、明日は前のクルマを抜くのは厳しいと思う」と語り、フェラーリ、マクラーレン、メルセデス、そしてアストンマーチンを相手に、ポジションを上げるのは容易でないとの見解を示した。

異例の予選結果となったハンガリーGP予選。逆風のなか、フェルスタッペンとレッドブルが決勝でどこまで巻き返せるのか、注目が集まる。


2025年F1ハンガリーGP予選では、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が衝撃的な今季初ポールポジションを獲得。週末を通して他を圧倒していたマクラーレン勢は、オスカー・ピアストリが2番手、ランド・ノリスが3番手に甘んじた。

決勝レースは日本時間8月3日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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