劇的結末…ルクレールが今季初ポール、レッドブル撃沈で角田はQ1敗退 / F1ハンガリーGP 2025《予選》結果と詳報

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2025年FIA-F1世界選手権第14戦ハンガリーGPの予選が8月2日にハンガロリンクで行われ、マクラーレンが絶対的本命と目されていた中、シャルル・ルクレール(フェラーリ)が今季初のポールポジションを逆転で奪取した。一方、角田裕毅(レッドブル)は16番手にとどまり、Q1敗退を喫した。

マクラーレンは週末を通して圧倒的なパフォーマンスを発揮し、Q2終了時点まで全セッションを制していた。だがQ3に入ると状況が一変。比喩ではなく、実際に風向きが大きく変わったこともあり、Q2からコンマ4秒近くも失速した。

暫定7番手から最終ラップに臨み、1分15秒372のトップタイムを叩き出したルクレールは、無線で自身のポジションを知らされると「何だって!? なんてこった!」と驚きの声を上げた。

マクラーレン勢は、その後方から最終アタックに臨むも、オスカー・ピアストリは自己ベストを更新できず、0.026秒差の2番手に終わり、ランド・ノリスも0.041秒差で3番手にとどまった。

2番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、ポールポジションを獲得したシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手のランド・ノリス(マクラーレン)、2025年8月2日F1ハンガリーGP予選(ハンガロリンク)Courtesy Of McLaren

2番手のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)、ポールポジションを獲得したシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手のランド・ノリス(マクラーレン)、2025年8月2日F1ハンガリーGP予選(ハンガロリンク)

4番手はジョージ・ラッセル(メルセデス)。トップ4のタイム差はわずか0.053秒という僅差で、週末の展開を考えれば、まさに予想外の結末を迎えるかたちとなった。

フェルナンド・アロンソは、曰く「2週間は安静」という腰椎付近の炎症を抱えながらも、ポールに0.109秒差の5番手タイムを記録。チームメイトのランス・ストロールが6番手に続き、アストンマーチンが3列目を独占する大健闘を見せた。

チームメイトのニコ・ヒュルケンベルグが19番手でQ1敗退を喫する中、ガブリエル・ボルトレート(ザウバー)は0.495秒差をつけてQ2進出を果たし、さらにQ3では7番手を獲得する堂々のパフォーマンスを披露した。

週末を通して苦戦が続いていたレッドブルは、状況を立て直すことができず、マックス・フェルスタッペンは今季予選ワーストとなる8番手に沈んだ。レーシング・ブルズのリアム・ローソンとアイザック・ハジャーがこれに続いた。

角田はQ1の最初のアタックでフェルスタッペンに0.188秒差と迫り、2回目の最終ラップを終えてはQ2進出圏内にいたものの、最後の最後にローソンに蹴落とされ、16番手で今季4回目のQ1敗退を喫した。Q2までは僅か0.024秒差だった。

この結果は、単にチーム全体としての競争力不足の表れだった。11番手タイムで辛うじてQ2に進出したフェルスタッペンとの差は、0.163秒に過ぎなかった。

予選開始を前に、ハンガロリンク北部には雨雲が接近。上空は一部が厚い雲に覆われた。路面温度は開始直前に52℃を記録していたが、セッションを通して低下していき、最終的には37℃にまで下がった。

Q1ではトラフィックが大きな課題となり、トラック・エボリューションによって終盤にはタイムシートが激しく入れ替わった。ターン12で飛び出したグラベルの撤去作業により、Q2の開始は遅延した。

チームメイトが衝撃的なポールを獲得したのとは対照的に、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)は12番手でQ2敗退を喫した。Q3進出を懸けた争いも非常に激しく、9番手でQ3に進んだローソンとの差は0.072秒だった。

アンドレア・キミ・アントネッリは旧型リアサスペンションへのダウングレードにより、初日を終えてW16に対する自信を取り戻していたが、Q2ではローソンに蹴落とされた挙げ句、ラップタイムが抹消されたことで15番手に終わった。

アルピーヌ勢は、ピエール・ガスリーが17番手でQ1敗退を喫した一方、フランコ・コラピントは初めてチームメイトを上回り、14番手を記録した。


決勝レースは日本時間8月3日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,381mのハンガロリンクを70周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2025年F1第14戦ハンガリーGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
116シャルル・ルクレールフェラーリ1:15.5821:15.4551:15.37218
281オスカー・ピアストリマクラーレン・メルセデス1:15.2111:14.9411:15.39818
34ランド・ノリスマクラーレン・メルセデス1:15.5231:14.8901:15.41318
463ジョージ・ラッセルメルセデス1:15.6271:15.2011:15.42515
514フェルナンド・アロンソアストンマーチン・メルセデス1:15.2811:15.3951:15.48115
618ランス・ストロールアストンマーチン・メルセデス1:15.6731:15.1291:15.49818
75ガブリエル・ボルトレートザウバー・フェラーリ1:15.5861:15.6871:15.72518
81マックス・フェルスタッペンレッドブル・ホンダRBPT1:15.7361:15.5471:15.72818
930リアム・ローソンレーシングブルズ・ホンダRBPT1:15.8491:15.6301:15.82118
106アイザック・ハジャーレーシングブルズ・ホンダRBPT1:15.5161:15.4691:15.91515
1187オリバー・ベアマンハース・フェラーリ1:15.7501:15.69412
1244ルイス・ハミルトンフェラーリ1:15.7331:15.70212
1355カルロス・サインツウィリアムズ・メルセデス1:15.6521:15.78115
1443フランコ・コラピントアルピーヌ・ルノー1:15.8751:16.15912
1512アンドレア・キミ・アントネッリメルセデス1:15.7821:16.3869
1622角田裕毅レッドブル・ホンダRBPT1:15.8996
1710ピエール・ガスリーアルピーヌ・ルノー1:15.9666
1831エステバン・オコンハース・フェラーリ1:16.0236
1927ニコ・ヒュルケンベルグザウバー・フェラーリ1:16.0816
2023アレックス・アルボンウィリアムズ・メルセデス1:16.2239

コンディション

天気晴れ
気温29℃
路面温度46℃

セッション概要

グランプリ名 F1ハンガリーGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 ハンガロリンク
設立 1986年
全長 4381m
コーナー数 16
周回方向 時計回り

F1ハンガリーGP特集