
角田裕毅、ハンガリーGPで「次のレベル」へ─ベルギー予選の前任超えを弾みに
前戦ベルギーGP予選で歴代の前任ドライバーたちを凌ぐ速さを見せ、レッドブル・レーシングに約7年ぶりの衝撃をもたらした角田裕毅は、今週末に開催される2025年F1第14戦ハンガリーGPにおいて、「次のレベル」への到達を視野に、さらなる飛躍を狙う。
ベルギー予選ではマックス・フェルスタッペンに対してわずか0.357秒差に迫り、7戦ぶりとなるQ3進出を果たして7番手を記録した。その背景には、スプリントを終えて22号車RB21に投入された新型フロアの存在があった。
だが、決勝ではピット指示の遅れによりポジションを大きく落とし、入賞圏外でレースを終えた。一方で、依然としてレースペースに課題があることも浮き彫りとなった。
この指示遅れについてレース後、ローラン・メキーズ代表はチーム側の過失であると認めたが、ヒューマンエラーなのか機材トラブルなのか――原因は依然として明らかになっていない。モータースポーツ・アドバイザーのヘルムート・マルコは、独衛星放送『Sky Sports』に対し「原因を明確に解明しなければならない」と語った。
角田はハンガリーGPを前に、「チームとして上手く機能している」と強調しつつも、「次のレベルへ進むために取り組むべき課題」も明確だと語り、改善の必要性を指摘。さらなる成長への意欲をにじませた。
「今週末、再びマシンに乗れるのを楽しみにしています。ベルギーの予選では、新しいフロアが搭載されたマシンに本当に良い感触を持つことができました。決勝は思い通りにいきませんでしたが、クルマのパフォーマンスは自信に繋がりました」
「今週末はすべてのセッションで一貫性のあるパフォーマンスを発揮することが重要です。良い形で夏休みに入れるよう取り組んでいきます」
フェルスタッペン、節目の200戦
Courtesy Of Red Bull Content Pool
決勝前のガレージ内でピエール・ワシェ(テクニカルディレクター)と話すマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2025年7月27日(日) F1ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)
一方で、2026年のレッドブル残留が発表されたフェルスタッペンは、今大会でレッドブルからの出走200戦目という節目を迎える。F1史上、同一チームでの200戦という記録を持つドライバーはフェルスタッペンを含めて2人しか存在しない。
この記録に触れてフェルスタッペンは、「これまでチームと共に達成してきた数々の成功を振り返ると同時に、これからの未来にも目を向ける良い機会」であるとし、サマーブレイク前最後の一戦となるハンガリーGPで、後半戦に向けての浮上のきっかけを掴みたいと意気込みを示した。
ハンガロリンクについては、レッドブルにとって伝統的に必ずしも相性の良いコースではなかったとした上で、「オーバーテイクが難しいだけに予選が重要だ。マシンバランスをしっかり仕上げることが鍵になる」と展望を語った。
フェルスタッペンはこれまでハンガリーGPに10回以上出場しており、すべての予選でQ3進出を果たしている。今季も例年通りの高いパフォーマンスが期待される。
また、レッドブルは2005年のF1参戦以降、ハンガリーGPで通算14回の表彰台を獲得しているが、この数字はフェラーリと並ぶ最多タイ記録となっている。