ガレージに向かう角田裕毅(レッドブル)、2025年7月4日(金) F1イギリスGP(シルバーストン・サーキット)
Courtesy Of Red Bull Content Pool

角田裕毅、パワー喪失が響きQ3逃す「順調だっただけに、余計に悔しい」重要な局面で技術トラブル

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2025年F1第12戦イギリスGP公式予選で、レッドブル・レーシングの角田裕毅は12番手にとどまり、惜しくもQ3進出を逃した。その背景には、エネルギー回生システムのデプロイメントに関する技術的な問題があったと見られる。

角田は予選後、「クルマの感触自体は悪くなかった」とした上で、「最後にトラブルが発生してしまい、普段なら得られるはずのパワーがありませんでした」と振り返った。

問題は、アタックラップの立ち上がり、すなわち最終コーナーからターン3にかけての区間で特に顕著だったという。

「最終コーナーからアタックラップに入る際に問題が出てしまい、ターン3までにすでに0.1秒ほど失っていました。幾つかのコーナー出口でも加速が足りない感じがあって、通常通りのブーストが得られていないように感じました」

このパワー不足は主観的な感覚だけでなく、データ上でも「明確」に確認されたという。

角田は「予選という肝心な場面でトラブルが起きるのは本当にイライラします。今週末はここまでかなり順調だっただけに、なおさら悔しいです」とフラストレーションを隠さなかった。

このトラブルがなければQ3に進出できていたかと問われると、「そうですね」と即答。その自信の裏には、ここまでの週末で得られた感触と手応えがあった。

「確実にペースは上がってきていましたし、与えられたマシンからしっかりとパフォーマンスを引き出せている実感がありました。なので、今回のトラブルは本当にフラストレーションが溜まります」

角田はレッドブル昇格後、問題児とされる「RB21」への適応に苦しみ、ポイント獲得も限られた状況が続いている。それがゆえに「順調だった週末」での技術的なトラブルは、結果以上に大きな心理的ダメージをもたらすものとなった。

「普通に予選を走れることを願うばかりです」と角田は締めくくった。

不本意な結果に終わったとはいえ、予選8番手のオリバー・ベアマン(ハース)がグリッド降格ペナルティを受けるため、角田は日曜の決勝を11番グリッドからスタートする。5月末のモナコGP以来、4戦連続で入賞から遠ざかっている中、久々のポイントフィニッシュに向けて絶好のチャンスを迎える。


2025年F1イギリスGP予選では、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がポールポジションを獲得。これに続いたのはマクラーレン勢で、2番手にオスカー・ピアストリ、3番手にランド・ノリスが入った。

決勝レースは日本時間7月6日(日)23時にフォーメーションラップが開始され、1周5891mのシルバーストン・サーキットを52周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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