フェルスタッペン、激戦を制して逆転ポール!角田は「ノーパワー」でQ2敗退 / F1イギリスGP 2025《予選》結果と詳報

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2025年FIA-F1世界選手権第12戦イギリスGP予選が7月5日にシルバーストン・サーキットで行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)がマイアミGP以来、今季4回目となるポールポジションを獲得した。チームメイトの角田裕毅は12番手に終わり、Q2で敗退した。

トップ6が僅か0.126秒の激戦に

フェルスタッペンは週末のプラクティスで一度もトップタイムを記録できず、Q3最初のアタック終了時点でも0.272秒差の4番手と劣勢に立っていた。だが、最終アタックではコースインのタイミングをギリギリまで遅らせ、セクター1・2で全体ベストを刻んだ末、後続に0.103秒差をつける逆転劇でポールを奪取した。

選手権をリードするオスカー・ピアストリ(マクラーレン)は、僅か0.015秒差でチームメイトのランド・ノリスを制し、最前列を確保した。低い路面温度を背景に、ジョージ・ラッセル(メルセデス)が4番手に続いた。

ポール争いが期待されたフェラーリ勢は、ルイス・ハミルトンが5番手、シャルル・ルクレールが6番手にとどまったが、フェルスタッペンとルクレールの差は0.126秒に過ぎず、85秒サーキットとしては非常に熾烈な争いとなった。

面子を保ったベアマン、健闘のガスリー

アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)は7番手。赤旗無視による10グリッド降格処分が確定しているオリバー・ベアマン(ハース)は、チームメイトのエステバン・オコンが15番手に沈む中、8番手をマークして面目を保った。

ピエール・ガスリー(アルピーヌ)は、自ら最後列の可能性すら危惧していたものの、フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)に続く10番手と健闘を見せた。

角田「ノーパワー」でQ2敗退

Q1で角田は、フェルスタッペンとは異なり2周のプレップラップを挟んでからアタックを開始。1回目はフェルスタッペンから0.611秒遅れ、最終アタックに際しては2セット目の新品を投入し、トップ通過のチームメイトから0.389秒遅れの13番手でQ2に駒を進めた。

Q2では、1回目の計測ラップで中古タイヤを使用。新品に履き替えた最終アタックでは暫定10番手に浮上したが、ガスリーを含む2台に蹴落とされ、カルロス・サインツ(ウィリアムズ)に続く12番手に終わった。

Q3進出には0.115秒届かず、4番手通過のフェルスタッペンとの差は0.510秒だった。無線では「パワーがない。何かがおかしい。勘弁してよ」と訴えた。

プラクティスを通して好調を維持していたレーシング・ブルズのアイザック・ハジャーは12番手に終わった。14番手にとどまったアレックス・アルボン(ウィリアムズ)は、「クルマがこれまでと全然違うんだけど」と不満を漏らした。予選に向けたセットアップ変更が裏目に出た可能性がある。

オコンはQ2最下位となる15番手に終わり、リアム・ローソン(レーシング・ブルズ)は16番手でQ1敗退を喫した。

ザウバーとコラピントは厳しい結果に

ザウバーは、FP3でクラッシュしたガブリエル・ボルトレートのマシンを修復しQ1に臨んだが、結果は17番手。ニコ・ヒュルケンベルグも19番手に沈み、ダブルQ1敗退という苦しい予選となった。アロンソが5番手でQ1突破を果たした一方、ランス・ストロールは18番手で姿を消した。

フランコ・コラピント(アルピーヌ)は、最終コーナーの立ち上がりでスピンを喫してバリアに接触。砂利をコース上に撒き散らしながら自走でピットへの帰還を試みたが、ターン2でマシンを止めることとなり、Q1は残り6分49秒の時点で赤旗中断となった。結果は最下位。シートが安泰ではない状況を踏まえると、より一層避けるべき事態だった。

土曜の現地は強風が吹き荒れ、どんよりとした厚い雲が広がる不穏な空模様――ところどころで雨粒が落ちるコンディションの下、予選はスタートしたが、Q3のチェッカーフラッグまでドライコンディションが続いた。Q1は19台がわずか0.688秒以内という、熾烈な争いとなった。


決勝レースは日本時間7月6日(日)23時にフォーメーションラップが開始され、1周5891mのシルバーストン・サーキットを52周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

2025年F1第12戦イギリスGP予選リザルト

Pos No Driver Team Q1 Q2 Q3 Laps
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 1:25.886 1:25.316 1:24.892 18
2 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 1:25.963 1:25.316 1:24.995 21
3 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 1:26.123 1:25.231 1:25.010 20
4 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 1:26.236 1:25.637 1:25.029 19
5 44 ルイス・ハミルトン フェラーリ 1:26.296 1:25.084 1:25.095 19
6 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 1:26.186 1:25.133 1:25.121 21
7 12 アンドレア・キミ・アントネッリ メルセデス 1:26.265 1:25.620 1:25.374 18
8 87 オリバー・ベアマン ハース・フェラーリ 1:26.005 1:25.534 1:25.471 18
9 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 1:26.108 1:25.593 1:25.621 15
10 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 1:26.328 1:25.711 1:25.785 21
11 55 カルロス・サインツ ウィリアムズ・メルセデス 1:26.175 1:25.746 12
12 22 角田裕毅 レッドブル・ホンダRBPT 1:26.275 1:25.826 13
13 6 アイザック・ハジャー レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:26.177 1:25.864 12
14 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 1:26.093 1:25.889 13
15 31 エステバン・オコン ハース・フェラーリ 1:26.136 1:25.950 12
16 30 リアム・ローソン レーシングブルズ・ホンダRBPT 1:26.440 6
17 5 ガブリエル・ボルトレート ザウバー・フェラーリ 1:26.446 9
18 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 1:26.504 9
19 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ザウバー・フェラーリ 1:26.574 9
20 43 フランコ・コラピント アルピーヌ・ルノー 1:27.060 6

コンディション

天気晴れ
気温19℃
路面温度25℃

セッション概要

グランプリ名 F1イギリスGP
セッション種別 予選
セッション開始日時

サーキット

名称 シルバーストン・サーキット
設立 1947年
全長 5891m
コーナー数 18
周回方向 時計回り

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