角田裕毅(レッドブル・レーシング)とオスカー・ピアストリ(マクラーレン)の母ニコールさん、2025年F1ベルギーGP(スパ・フランコルシャン)
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ママ・ピアストリ、角田裕毅と感動ハグ―異色の「母子対面」がスパで遂に実現

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F1パドックにまたひとつ、心温まる家族の物語が加わった。ベルギーGPを目前に控えたスパ・フランコルシャンで、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)の母、ニコール・ピアストリさんが、SNS上で“養子”として愛情を注いできた角田裕毅(レッドブル)とついに直接対面を果たしたのだ。

スパで実現した異色の「母子対面」

レッドブルのホスピタリティで実現したこの面会は、SNS上で大きな注目を集めた。実の息子オスカーの応援の合間を縫い、角田を訪ねたニコールさんは、彼と優しくハグを交わし、こう語りかけた。

「あなたは本当に素晴らしい人ね。本当に素敵な人だと思うの」

ニコールさんの心からの称賛に、角田も思わず笑みを浮かべる。さらにニコールさんは、「今日はありがとう、レース頑張って。私の坊やたち、応援してるから」と、”母親”らしい優しさあふれるメッセージを贈った。

一方の角田は、「面倒な事にならなきゃいいのですが」と笑いながらも、レッドブルのキャップに自らサインを入れ、ライバルチーム所属ドライバーの母親にプレゼントした。

始まりは中国GPでの「ルーツ探し」ブーム

この“家族関係”の発端は、2024年モナコGPに遡る。当時オスカーは、自身の多様なルーツを掘り下げることに夢中になっていた。

事の始まりは同年4月の中国GPだった。高祖父が中国人だったことを明かしたオスカーは、5年ぶりの開催となった上海インターナショナル・サーキットでのレースを「16分の1の母国グランプリ」と表現。このユーモアたっぷりの投稿は、F1ファンの間で大きな話題を呼んだ。

ルクレールの冗談から生まれた「養子縁組」

続くモナコGPでは、自身の家系図上でモナコとの繋がりを見つけようとしていたオスカーに対し、地元出身のシャルル・ルクレール(フェラーリ)が「それなら僕が養子にしてあげる」と冗談を飛ばした。

これを受け、オスカーは「じゃあ、今後は『オスカー・ジャック・ピアストリ=ルクレール』って呼んで」と、こちらも冗談交じりに快諾した。

このやり取りを見ていたニコールさんが、絶妙なタイミングでSNSに投稿したひと言がきっかけとなり、角田は「ピアストリ家のもうひとりの息子」としてF1ファンの間で定着することとなった。

「どうやら我が家には、息子枠の空きがあるみたいね、@yukitsunoda07 どう?」

この投稿以降、角田が活躍を見せるたびに、ママ・ピアストリの温かいメッセージがSNSに登場するのが恒例に。2人の”息子”が揃って入賞を果たしたモナコGP後にはこう綴った。

「私の坊やたち、本当に誇らしいわ @yukitsunoda07 @OscarPiastri」

この微笑ましい“母子関係”は、レース結果と並んでファンの楽しみのひとつとなっている。

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