角田裕毅に専念、2026年セカンドシートの現在地…メキーズが語るレッドブルの「優先事項」

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2026年のセカンドシートを巡る憶測について、レッドブルのチーム代表ローラン・メキーズは、誰を乗せるかという議論よりも、角田裕毅に必要な環境を整えることが優先事項であると明言。チームとして当面、角田のパフォーマンス向上に専念していく考えを明確にした。

2025年F1第14戦ハンガリーGPの予選を前にメキーズは、「セカンドシートについては、パフォーマンスを発揮するために必要なものをユーキに与えることが優先事項だ。チーム全体がそれに集中して取り組んでいて、さらなる一歩を踏み出すための手段を模索している」と述べた。

角田の後任候補としてアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)の名前が取り沙汰される中、この発言は、将来に関する憶測から距離を置くための手段と受け取れる一方、現行のドライバーラインナップを維持する意志の表れとも受け取れる点で興味深い。

ピットに戻る角田裕毅とマックス・フェルスタッペン(ともにレッドブル)、2025年8月2日(土) F1ハンガリーGP 最終フリー走行(ハンガロリンク)Courtesy Of Red Bull Content Pool

ピットに戻る角田裕毅とマックス・フェルスタッペン(ともにレッドブル)、2025年8月2日(土) F1ハンガリーGP 最終フリー走行(ハンガロリンク)

角田は前戦ベルギーGPの予選に先立ち、念願の新型フロアを手にすると、7戦ぶりのQ3進出を果たし、マックス・フェルスタッペンに0.357秒差まで迫るパフォーマンスを発揮。決勝レースでは、ピットイン指示の遅れにより入賞を逃す形となったものの、復調の兆しを見せた。

また、今週末のハンガリーGPでは、トラフィックとセットアップミスによりFP3ではタイム計測が叶わなかったものの、初日2回目のフリー走行では、ミディアムおよびソフトの両コンパウンドでフェルスタッペンを上回るタイムを記録。上向き傾向にあることを印象付けた。

メキーズは「スパでの彼は本当に有望だった。ここハンガリーは少しトリッキーで判断が難しいが、だからといって彼のパフォーマンスが、過去に見せてきた水準に届かない理由はない」と述べ、角田に対する期待を強調した。

最終フリー走行を前にしたファンステージでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)見つめる角田裕毅、2025年8月2日(土) F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)Courtesy Of Red Bull Content Pool

最終フリー走行を前にしたファンステージでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)見つめる角田裕毅、2025年8月2日(土) F1ハンガリーGP(ハンガロリンク)

ハンガリーGPの週末に先立っては、フェルスタッペンの2026年残留が正式に確認された。

これに関してメキーズは「残留することに疑いの余地はなかったと思う」と述べた上で、「クルマが機能している時、していない時の違いを理解している彼の存在は、バランスではなくグリップが見つからない状況においては特に非常に大きな助けになる」と語り、技術的な側面におけるフェルスタッペンの貢献に言及した。

ハンガリーGPの2日目に向け、レッドブルは2台に異なるセットアップを施し、FP3ではグリップの確保を目指して試行錯誤を繰り返したが、フェルスタッペンが12番手、角田が19番手に沈むなど、状況は改善されていない。

これについてメキーズは、「昨日の段階から、マックスとユーキが良い感触を持てるよう、クルマを適正なウインドウに入れるのに苦労し続けている。いろいろと試してはいるが、今日も同じような状況で、全体的にグリップを引き出せていない」と明かす。

「好ましい状況ではないものの、こうした状況では学べることも多いため、クルマの制約がどこにあるのかを理解するために、幾つかのテストに取り組んでいる。しかしながら、まだ解決策は見つかっていない」

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