レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2020年F1ポルトガルGPにて
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F1ポルトガルGP:FIA国際自連、フェルスタッペンとストロールの接触事故裁定を発表

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F1ポルトガルGPのFIAスチュワードは、10月23日にアルガルベ・サーキットで開催された2020年F1第12戦ポルトガルGPの2回目のフリー走行で発生したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とランス・ストロール(レーシングポイント)の接触事故を不問とする裁定を下した。

RB16を駆るフェルスタッペンはタイム計測ラップに向けて、高速の右コーナー、ターン1のインサイドを突いてストロールをオーバーテイクしようとしたが、アウト側からストロールが通常通りのラインでコーナーに進入。両者は接触し、ストロールがグラベルにハマって身動きが取れなくなったことで、セッションは赤旗中断を強いられた。

ストロールは直前のラップでフェルスタッペンを追い抜いているが、その後は姿が目視できなかったため、フェルスタッペンが自ら後退してギャップを築いたと考えていたのだという。チーム側も無線を通してプッシュラップを続けるよう指示を飛ばしていたため、事故が発生したターン1でストロールが引くことはなかった。

スチュワードによると、他方フェルスタッペンはチームからの情報に基づいて、ストロールが後退すると思い込んでいたとの事で、DRSを作動させてホームストレートでこれを交わそうとしたが抜き去る事は出来ず、事故へと至った。

このクラッシュは、FIA国際スポーツ規約第4章付録Lの第2条dへの違反が疑われ、セッション終了後に審議が行われた。スチュワードは両ドライバー及び両チーム代表者への聴取を行い、映像と音声証拠を検証。両者に罰則を科さずに不問とする裁定を下した。

声明の中でスチュワードは「諮問会においてドライバー達は、事故は双方の誤解の結果であり、後から考えれば事故を回避できる可能性があったと同意したため、我々はいずれのドライバーにも完全にまたは主たる過失がなかったと判断し、これ以上の措置を取らない事を決定した」と述べた。

この事故の影響で両者のマシンは軽度ではあるもののダメージを負った。チーム無線で怒りを爆発させたフェルスタッペンは「何だよ!あの野郎は盲目なのか!?一体なんだってんだ!クソッ!!」などと、放送禁止用語まみれの暴言を吐き続けていた

事故の責任の所在を巡って、両チーム代表は異なる見解を持っていた。レーシングポイントのオトマー・サフナウアー代表はフェルスタッペンに対して「馬鹿げている」と非難したが、レッドブル・ホンダのクリスチャン・ホーナー代表は過失は「50/50」であり、2人共に問題があったとの認識を示していた。

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