
アイザック・ハジャー、初の歓喜も「トロフィー惨事」で狼狽―F1オランダGPでフランス人史上最年少表彰台
レーシング・ブルズの新人アイザック・ハジャーは、2025年F1第15戦オランダGPでキャリア初の表彰台となる3位を獲得したが、その祝賀中にトロフィーを破損するハプニングに見舞われた。
前日の予選で4番手を獲得したハジャーは、72周のレースを通じてシャルル・ルクレール(フェラーリ)やジョージ・ラッセル(メルセデス)の攻撃を退け、堅実に4番手を守り続けた。そして終盤にランド・ノリス(マクラーレン)がトラブルでリタイアしたことで3番手に浮上。最後のリスタートでもラッセルを抑え切ってチェッカーを受けた。
20歳で歴史的快挙、フランス人最年少の表彰台
「現実とは思えない。何より驚いたのは、レースを通して4番手を守れたことだよ。ランドにとっては残念なことだけど、僕らは一切、ミスをしなかった」とハジャーはレース後に振り返った。
今回の結果により、ハジャーはF1史上5番目の若さで表彰台を獲得。フランス人としては史上最年少の快挙となった。また、今季ルーキーとしては2人目の表彰台獲得者となり、ドライバーズ選手権でも10位に浮上。2度の世界王者フェルナンド・アロンソを上回り、チームメイトのリアム・ローソンにも17点差をつけた。
祝賀ムードに水差すトロフィー破損
快挙達成の喜びに包まれたが、表彰台セレモニー後のチームとの記念撮影で思わぬハプニングが起きた。ハジャーがトロフィーを地面に置いた際、首の部分で折れてしまったのだ。
これには思わずハジャーも狼狽。隣にいたリザーブドライバーの岩佐歩夢も目を丸くし、周囲からは笑いも起きた。20歳のルーキーにとって決して忘れられない出来事となった。
破損したトロフィーはオランダ伝統のデルフト陶器で、400年近い老舗『Royal Delft』の職人が手作り・手描きした逸品。1939年のデザインを基に、プロダクトデザインスタジオ『Studio Piet Boon』が現代的な解釈を持ち込んだ特注品であり、極めて貴重なものだ。
記念すべき初表彰台を手にしながらトロフィーを失ったハジャー。それでも、この日の走りがフランス人最年少表彰台という新たな歴史を刻んだことに変わりはない。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
キャリア初の3位トロフィーが破損して驚きの声を上げるアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)とリザーブ・ドライバーの岩佐歩夢、2025年8月31日(日) F1オランダGP決勝(ザントフォールト・サーキット)
2025年F1第15戦オランダGP決勝レースでは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位にアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)が続く結果となった。
モンツァ・サーキットを舞台とする次戦イタリアGPは、9月5日のフリー走行1で幕を開ける。