予選4番手を獲得して笑顔を見せるアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)、2025年8月30日(土) F1オランダGP(ザントフォールト・サーキット)

新人ハジャー、オランダで放った「メガラップ」マルコ評価が”更に上昇”―自己最高予選4位…40年の歴史でわずか13回

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レーシング・ブルズの新人アイザック・ハジャーは、2025年F1第15戦オランダGP予選でキャリア最高位となる4番手を獲得した。母国レースを迎えるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)と並ぶ、2列目スタートという快挙となった。

ただ、その道のりは平坦ではなかった。金曜のFP1でパワーユニット(PU)絡みのセンサーに異常が確認され、予防措置としてFP2に向け別のPUに載せ替えた。だが、コースイン直後にERS系統にトラブルが発生。わずか1周でセッションを終えることになった。

詳細な調査を経て、チームはFP3に向けて今季4基目となるICE(内燃エンジン)、ターボチャージャー、MGU-H、MGU-Kを開封し、さらに6基目のエキゾーストに交換した。これで年間割り当て基数の上限に到達。以降は降格ペナルティのリスクを背負うこととなった。

「メガラップ」で乗り越えた逆境、チーム史に刻む

それでもハジャーは、この厳しい状況を克服して予選で躍進を果たした。チーム代表アラン・パーメインは、「正直に言えば、これは大変な努力の賜物だ。昨日は非常に大変な一日だったからね」と強調し、次のように振り返った。

「アイザックがFP2を走れなかったのは誰もが知っていると思う。だから彼は後手に回っていた。だが、現場での膨大な取り組みに加えて、夜通しシミュレーターも走らせ続けた。思い切ったセットアップ変更もしたし、そしてもちろん、アイザック自身の“メガラップ”があった」

レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコも称賛を惜しまなかった。

「アイザックは我々をいつも驚かせてくれる。初日には2度もPUのトラブルに見舞われたが、それに動じることなく、肝心な場面で結果を出してみせる。これは本当に見事だった」

これまでのハジャーの最高位はモナコGPの5番手。今回の4番手はそれを上回るキャリアベストとなった。チームとしても昨年のサンパウロGPで角田裕毅が3番手を記録して以来の最高成績であり、ファエンツァを拠点とする同チームの40年の歴史においても、わずか13回目のトップ4スタートとなった。

ザントフォールト・サーキットを周回するアイザック・ハジャーのレーシング・ブルズ6号車VCARB 02、2025年8月30日(土) F1オランダGP予選Courtesy Of Red Bull Content Pool

ザントフォールト・サーキットを周回するアイザック・ハジャーのレーシング・ブルズ6号車VCARB 02、2025年8月30日(土) F1オランダGP予選

「クルマが素晴らしかったから」

Q3最終ラップでは風の影響が幸いし、第2セクターのロングコーナーで僚友リアム・ローソンに0.2秒の差をつけた。ハジャーは「ようやく自分のパフォーマンスに満足できた」と振り返る。

「実際のところ、クルマが自分の思い通りだったんだ。特に最後のラップでは、すごくよく反応してくれた。たしかに風に助けられた部分はあったと思うけど、自分でも驚くようなラップをまとめることができた。それはクルマが素晴らしかったからさ」

「今年一番のラップだったと思う。ここは要求が厳しい本当に難しいサーキットだけど、その中で全力を出し切り、特に最終コーナーで0.1秒を稼げたのは、自分でもよくやったと思う」

角田の苦戦、際立つ対比

ヨーロッパ序盤戦を彷彿とさせるハジャーの華々しい走りは、角田裕毅の苦戦を際立たせた。両者は来季レッドブルのセカンドシートを争うライバルと見られており、今回の予選ではハジャーが12番手に沈んだ角田を大きく上回った。

ガレージによってパフォーマンスに大きな差があるレッドブルとは異なり、レーシング・ブルズは3戦連続のダブルQ3進出を達成。ハジャーのみならずリアム・ローソンも最終ラウンドに進出し、8番手を記録した。

パーメインは「これ以上望めない結果だ」と満足感を示した。一方で「アイザックの結果を受け、リアムはきっと悔しさを感じているだろうが、それでも昨日の状況を考えれば8番手という結果は十分に喜べるものだろう」と述べ、両ドライバーの奮闘を称えた。

トラブルを克服し、チームとして最高の予選結果を持ち帰ったレーシング・ブルズ。決勝での戦いに注目が集まる。

耳栓を装着するアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)、2025年8月28日(木) F1オランダGPプレビュー(ザントフォールト・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

耳栓を装着するアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)、2025年8月28日(木) F1オランダGPプレビュー(ザントフォールト・サーキット)


2025年F1オランダGP予選では、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手にランド・ノリス(マクラーレン)、3番手にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続く結果となった。

決勝レースは日本時間8月31日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4307mのザントフォールト・サーキットを72周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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