走行に向けて準備するルイス・ハミルトン(フェラーリ)、2025年F1オランダGP

泣きっ面に蜂…ハミルトン、イタリアGPで「5グリッド降格処分」オランダ決勝直前に痛恨の違反

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2025年F1第15戦オランダGPの決勝レース前に発生したF1競技規則違反により、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)が、次戦イタリアGPで5グリッド降格ペナルティを科されることになった。

ザントフォールト・サーキットでのレース前に行われたレコノサンス・ラップ中に、最終コーナーで掲示されていたダブル・イエローフラッグを遵守せず、十分に減速しなかったとスチュワードが認定した。

事前にレースディレクターは全チームに対し、グリッドおよびピットレーン上にいる人々の安全確保を目的として、ピットレーン手前に位置する最終コーナーでダブル・イエローフラッグが振られることを通知していた。

通常は10グリッド降格も軽減

レース後にスチュワードは、テレメトリデータとフェラーリの車両データを精査。ハミルトンは通常より約20km/h低い速度でダブルイエロー区間に進入し、スロットルを10〜20%抑え、ブレーキも70m早めに踏んでいたことが確認された。

しかしながらスチュワードは、「20km/hの減速は『大幅に減速せよ』との規則要件を満たさない」と結論付けた。

本来であれば10グリッド降格が科される行為だが、「減速の試みはあった」としてスチュワードは情状酌量し、5グリッド降格に軽減した。さらにハミルトンには2点のペナルティポイントが加算された。これは過去51戦にわたり”ノー・ペナルティポイント”を維持してきた7度のF1王者にとって、今季初のポイント加算となった。

オランダGPでハミルトンは、ターン3での単独クラッシュによりリタイアを喫した。まさに泣きっ面に蜂の展開。次戦イタリアGPはフェラーリの母国であり、熱狂的なティフォシが見守る中、ハミルトンはグリッド降格のハンデを背負いながら追い上げのレースを強いられることになりそうだ。

他ドライバーは不問に

同じくレコノサンス・ラップで指定タイムより遅く走行したとして、マックス・フェルスタッペン、ランド・ノリス、カルロス・サインツ、ニコ・ヒュルケンベルグも調査対象となったが、いずれも「不要に遅い走行ではなく、他車に道を譲るためだった」として不問となった。


2025年F1第15戦オランダGP決勝レースでは、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポール・トゥ・ウインを飾り、2位にマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位にアイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)が続く結果となった。

モンツァ・サーキットを舞台とする次戦イタリアGPは、9月5日のフリー走行1で幕を開ける。

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