フェラーリ・ドライバー・アカデミーのロゴ
copyright Ferrari S.p.A.

フェラーリ・ドライバー・アカデミー

  • Updated:

フェラーリ・ドライバー・アカデミー(英:Ferrari Driver Academy / 略:
FDA)とは、F1に参戦するスクーデリア・フェラーリが運営する若手育成プログラムのこと。加入したドライバーには資金的な援助のほか、F1デビューに際して必要となる様々な技能習得のためのサポートが提供される。

FDAが輩出した中にはシャルル・ルクレールやランス・ストロール、セルジオ・ペレスや周冠宇、ミック・シューマッハといった後のF1ドライバー5名がいる。

発足のきっかけと歴史

同プログラム発足のきっかけとなったのは、ブラジル出身のレーシングドライバー、フェリペ・マッサであった。フェラーリは2003年にマッサとテストドライバー契約を締結。跳ね馬で走らせるにはまだ修行が足らないため、当時エンジンを供給していたザウバーへと送り込み、2シーズンを過ごさせた。この教訓から、自らの組織内に若いドライバーの育成システムを備えておく必要性を実感したというわけだ。

FDAは2009年末にその活動をスタート。その最初の加入者となったのがジュール・ビアンキであった。支援を受けたビアンキは2013年にマルシアでF1デビュー。非力なマシンながらも度々見事な走りを披露した。2014年の日本グランプリで発生したあの痛ましい事故がなければ、最終的にスクーデリアのシートを得た事は疑いない。

セルジオ・ペレスもまた、同プログラムの卒業生だ。2010年にFDAに加入したペレスはその翌年、小林可夢偉のチームメイトとしてザウバーでF1デビュー。2シーズン後には当時トップチームの一角であったマクラーレンへの移籍を果たした。

FDAが目指しているのは、成長著しい若い時期に長期的な観点からサポートを行う事であり、経済的支援やドライビング・テクニック、体力トレーニングはもちろん、各種メディアへの対応方法に至るまで、トップドライバーに必要とされるあらゆる能力を磨くためのプログラムが用意されている。

アカデミーのキャンパスは、フェラーリ本社の隣に位置しているフィオラノ・サーキットの中にある。

2023年のFDAドライバー

ドライバー 所属 参戦シリーズ
アルトゥール・ルクレール 2020- FIA-F2選手権
ディーノ・ベガノビッチ 2020- FIA-F3選手権
ジェームス・ウォートン 2021- フォーミュラ4 UAE選手権
マヤ・ウォグ 2021- フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権
オリバー・ベアマン 2022- FIA-F2選手権
ラファエル・カマラ 2022- フォーミュラ・リージョナル・ヨーロッパ選手権
トゥーカ・タポネン 2023- フォーミュラ4 UAE選手権
アウレーリア・ノーベルス 2023- イタリアF4選手権

過去のFDAドライバー

ドライバー 所属年
ジュール・ビアンキ 2009-2014
ミルコ・ボルトロッティ 2010
ダニエル・ザンピエーリ 2010
セルジオ・ペレス 2010-2012
ブランドン・マイサノ 2010-2012
ランス・ストロール 2010-2015
ラファエレ・マルチェッロ 2010-2015
アントニオ・フォッコ 2013-2018
周冠宇 2014-2018
シャルル・ルクレール 2016-2018
ジュリアーノ・アレジ 2016-2020
ジャンルカ・ペテコフ 2017-2020
エンツォ・フィッティパルディ 2017-2020
マーカス・アームストロング 2017-2021
カラム・アイロット 2017~2021
ロバート・シュワルツマン 2017-2022
セバスチャン・モントーヤ 2018
ミック・シューマッハ 2019-2022
ラウラ・キャンプス・トーラス 2022