名勝負がファンを魅了…ベッテル逆転優勝!ホンダはガスリーが10位入賞と健闘 / F1イギリスGP《決勝》結果とダイジェスト
2018年F1第10戦イギリスGP決勝レースが7月8日英国シルバーストンサーキットで行われ、スクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテルが逆転優勝を果たした。過去数年に渡るメルセデスの支配を終わらせ、イギリスGP自身2勝目を獲得。チャンピオンシップでのリードを8ポイントに広げた。
2位はポールからスタートしたメルセデスAMGのルイス・ハミルトン、オープニングラップのアクシデントを乗り越え表彰台に返り咲いた。3位にはキミ・ライコネン。ポディウムの最後に滑り込み、跳馬が大量ポイントを得て宿敵を退けた。
日曜の現地上空には週末でもっとも鮮やかな青空が広がり、3日連続イギリスらしからぬ晴天に恵まれた。レースは気温26℃、路面温度52℃、湿度39%という著しく暑いドライコンディションでスタート。レース終了時でさえ路面51℃という灼熱のトラックコンディションとなった。
レースはブラックアウト直後に波乱の火種が飛び散った。1周目のターン3でキミ・ライコネンとルイス・ハミルトンが接触。イン側にいたライコネンがロックアップ、アウトにいたハミルトンの右リアにぶつかりマシンはスピン。一気に17番手にまで転落した。一件は審議の対象となり、スチュワードはライコネンに10秒のタイムペナルティを科す事とした。
ベッテルが今年の仏GPでバルテリ・ボッタスに激突した際に科されたのが5秒であった事を考えると、今回の罰則はかなり重い制裁と言える。後方に沈んだとは言え、メルセデスW09のパフォーマンスはミッドフィールドチームとは別格。ハミルトンは中団グループのマシンを次々にオーバーテイク、14周目には5番手にまで巻き返した。
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今季最大の接戦となった予選に続き、決勝レース後半は手に汗握る激しいバトルと息を飲むクラッシュがファンを魅了した。
事の発端となったのは33周目、マーカス・エリクソン(Sauber)がDRSを作動させたままコーナーに侵入したことでターン1でクラッシュ。出動したセーフティーカーに合わせて、上位を争っていたフェラーリ2台とマックス・フェルスタッペンがピットイン。その一方でメルセデス勢はステイアウトを決断した。
リスタートした38周目には、ロマン・グロージャン(Haas)とカルロス・サインツ(Renault)がターン9でクラッシュ。イン側にいたグロージャンがアウト側のサインツを押し出す形となり、両者はリタイヤ。再びセーフティーカーが導入された。
残り11周で再度リスタート。ギャップがリセットされた状態でテール・トゥ・ノーズのバトルが勃発した。先頭を走るのはボッタス、これにベッテル、ハミルトン、フェルスタッペン、ライコネンと続く中、ライコネンがフェルスタッペンを追い抜くとシルバーアロー対跳馬の頂上決戦がスタート。2秒位以内に4台がひしめき合いながら、クラッシュすれすれの限界走行を披露した。
47周目にベッテルがついにボッタスを捕らえトップに立つと、メルセデスは選手権でのダメージを最小限に抑えるべくチームオーダーを発動。2番手ボッタスと3番手ハミルトンの順位を入れ替えた。1ストップですり減ったタイヤでは太刀打ちできるはずもなく、残り3周のところでライコネンがボッタスを華麗にオーバーテイク。3位に浮上しそのままチェッカーを受けた。
トロロッソ・ホンダ勢は、14番グリッドのピエール・ガスリーが10位フィニッシュ。ラスト3周のところでセルジオ・ペレス(Force India)をオーバーテイクし入賞を果たしたかに思われたが、レース終了後に5秒ペナルティの裁定が下り最終13位という形となった。憤慨したガスリーは「デタラメな判断」と一蹴。怒りをあらわにした。
モノコックの交換によってピットレーンスタートを強いられたブレンドン・ハートレーは、1周を走ったのみでガレージへと戻りそのままリタイヤする事となった。パワーユニットの組み込み作業に際して不備があったとの事でマシンにトラブルが発生したためであった。為す術なく戦う事も許されなかったハートレーは「何もコメントする事はない」と語り肩を落とした。
2018年F1第10戦イギリスGP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
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1 | 5 | ベッテル | フェラーリ | 52 | 1:27:29.784 | 25 |
2 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 52 | +2.264 | 18 |
3 | 7 | ライコネン | フェラーリ | 52 | +3.652 | 15 |
4 | 77 | ボッタス | メルセデス | 52 | +8.883 | 12 |
5 | 3 | リカルド | レッドブル | 52 | +9.500 | 10 |
6 | 27 | ヒュルケンベルグ | ルノー | 52 | +28.220 | 8 |
7 | 31 | オコン | フォースインディア | 52 | +29.930 | 6 |
8 | 14 | アロンソ | マクラーレン | 52 | +31.115 | 4 |
9 | 20 | マグヌッセン | ハース | 52 | +33.188 | 2 |
10 | 11 | ペレス | フォースインディア | 52 | +34.708 | 1 |
11 | 2 | バンドーン | マクラーレン | 52 | +35.774 | 0 |
12 | 18 | ストロール | ウィリアムズ | 52 | +38.106 | 0 |
13 | 10 | ガスリー | トロロッソ | 52 | +39.129 | 0 |
14 | 35 | シロトキン | ウィリアムズ | 52 | +48.113 | 0 |
15 | 33 | フェルスタッペン | レッドブル | 46 | DNF | 0 |
NC | 8 | グロージャン | ハース | 37 | DNF | 0 |
NC | 55 | サインツ | ルノー | 37 | DNF | 0 |
NC | 9 | エリクソン | ザウバー | 31 | DNF | 0 |
NC | 16 | ルクレール | ザウバー | 18 | DNF | 0 |
NC | 28 | ハートレー | トロロッソ | 1 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 26℃ |
路面温度 | 52℃ |
周回数 | 52 |
セッション概要
グランプリ名 | F1イギリスGP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | シルバーストン・サーキット |
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設立 | 1947年 |
全長 | 5891m |
コーナー数 | 18 |
周回方向 | 時計回り |