トロロッソのフランツ・トスト代表とホンダの山本雅史MS部長
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トロロッソ代表トスト「ハートレーにレースをさせてやれず本当に残念」

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7月8日(日)の第10戦F1イギリスGP決勝レースを終えて、スクーデリア・トロロッソのフランツ・トスト代表がグランプリウィークを振り返った。

トロロッソ・ホンダ勢は、モノコック交換のためにピットレーンスタートを強いられたブレンドン・ハートレーがPUトラブルでリタイヤ。14番グリッドのピエール・ガスリーはラスト3周でセルジオ・ペレス(Force India)をオーバーテイクし10番手でフィニッシュしたものの、レース後に5秒ペナルティの裁定が下り最終13位という結果となった。

イギリスグランプリの決勝日は3日連続の好天に恵まれ、気温25℃、路面温度は50℃を超えるコンディションに。レースは現地午後2時10分から行われた。7列目からスタートしたガスリーは、スタート直後に起きた混乱を避け12番手にポジションアップ。ハートレーはレコノサンス・ラップでマシンに異常が見つかり、1周を走行したのみでリタイアとなった。

上位勢のピットインやアクシデントが発生する中、ガスリーは20周目にピットイン。ソフトからミディアムにタイヤを履き替え、14番手でコースに復帰した。その後12番手にまでポジションを上げたレース後半、セーフティーカーが出動しレースが一気に動き出した。

SC導入と同時にピットインしたガスリーは、中古のソフトタイヤに替え追い上げ態勢に。SCが解除された時点のポジションは13番手。4周後にリスタートするや否や、またもクラッシュが発生し再びSCが導入。この時点でガスリーは11番手にポジションアップを果たした。

3周後にレースは再開。ポイントをかけた激しい接近戦が幕を開けた。残り3周となった50周目、ガスリーは激しいバトルの末にペレスをオーバーテイク。その後2周に渡ってポジションを守り切り10番手でチェッカーフラッグを受けた。だが、オーバーテイク時のアクションに関してレース後に審議が行われた結果5秒のペナルティー。最終結果は13位という形となった。

処分が発表されたのはチームがサーキットを離れた後であったため、ペナルティー決定以前のフランツ・トスト代表のコメントを以下に紹介する。

Toro Rosso:F1イギリスGP決勝を終えて

フランツ・トストチーム代表

かなりポジティブな見通しを持ってイギリスに乗り込んだものの、残念な事にシルバーストンでの週末は我々が期待していたようなものとはならなかった。FP3ではブレンドンの左のフロントサスペンションに不具合が出てしまい、大きな事故になってしまった。結果的に低い方のウィッシュボーンが壊れていたことがその原因だったと考えているが、その時点では理由が分からなかったため、ピエールをガレージに留めてセッションを切り上げる事にした。

結果としてフリーでの走行が十分ではなくピエールは予選でも苦戦を強いられたが、うまくまとめ切り14番手でフィニッシュする見事な仕事をみせてくれた。ブレンドンのマシンに関しては車体のモノコックを交換したため、決勝当日はピットからスタートしなくてはならなかった。ところがウォームアップ走行中にマシンにトラブルが出てしまった。問題を解明しようとしたが間に合わなかったため、ピットに呼び戻してさらなる検証を行った。

残念ながらブレンドンは1周目でリタイアせざるを得なかったが、マシンをレースに間に合わせてくれたチームには感謝している。昨日の夜20時30分にはエンジンに火を入れられる状態になっていたからね。チームが懸命に作業に取り組んでくれていただけに、ブレンドンにレースをさせてやれなかったのは本当に残念だ。

その一方で、ピエールは好スタートを決めた後、安定したペースで周回を重ね、見事ポイント獲得を果たしてくれた。今週末、必死に作業に取り組んでくれたチームの努力に報いる結果であり、彼らに相応しいリザルトだと思っている。次戦のドイツGPでは、より良い成績を目指していきたい。


トップチェッカーはスクーデリア・フェラーリのセバスチャン・ベッテル。2番グリッドから逆転勝利を掴み、キャリア通算51勝目イギリスGP2勝目を手にした。2位はポールシッターのルイス・ハミルトン、オープニングラップの接触事故から見事巻き返した。3位はキミ・ライコネン。ポディウムの最後に滑り込み、跳馬が大量ポイントを得てメルセデスとのギャップを広げた。

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