トップチェッカーを受け史上最多となる10連勝を果たしたマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2023年9月3日F1イタリアGP
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フェルスタッペン、前代未聞10連勝でレッドブル1-2! 角田裕毅は無念DNS / F1イタリアGP《決勝》結果とダイジェスト

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2023年FIA-F1世界選手権第15戦イタリアGP決勝レースが現地9月3日にモンツァ・サーキットで行われ、予選2番グリッドのマックス・フェルスタッペンが史上最多となる10連勝を達成した。

レッドブルは昨季末から続く連勝記録を15に伸ばすとともに、2位に予選5番手のセルジオ・ペレスが続いた事で1-2フィニッシュを飾った。

レース後のパルクフェルメで1-2フィニッシュを喜ぶレッドブルのマックス・フェルスタッペンと2位セルジオ・ペレス、2023年9月3日F1イタリアGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

レース後のパルクフェルメで1-2フィニッシュを喜ぶレッドブルのマックス・フェルスタッペンと2位セルジオ・ペレス、2023年9月3日F1イタリアGP

母国レースを迎えたスクーデリア・フェラーリは、低ダウンフォース仕様のセットアップとした事で予選では速さを見せるも、決勝ではタイヤのデグラデーションに苦戦。ポールシッターのカルロス・サインツは2台のレッドブルにオーバーテイクを許し、奮闘の末に3位表彰台に上がった。最終盤には僚友シャルル・ルクレールとの接触スレスレの激しい3位バトルを繰り広げた。

予選11番手からの入賞が期待された角田裕毅(アルファタウリ)はフォーメーションラップでパワーユニットのトラブルに見舞われコース脇に停車。スタートを迎える前に姿を消した。僚友リアム・ローソンはポイントまであと6.5秒の11位でフィニッシュした。

角田裕毅のアクシデントを受け、レースの開始手順は中止され、20分遅れで3回目のフォーメーションラップが行われた。結果、規定周回数53周のレースは51周で争われた。

メルセデスのジョージ・ラッセルはタイヤ交換を終えた直後の第1シケインに進入する際に曲がり切れず、エステバン・オコン(アルピーヌ)をコースアウトさせアドバンテージを得たとして5秒ペナルティを受けたが、それでも5位でフィニッシュした。

終始、後方争いに沈んだオコンは39周目、クルマをガレージに入れてリタイアした。1週間前のオランダGPで表彰台に上がった僚友ピエール・ガスリーは、A523の悲劇的なペースにより15位に終わった。

もう一台のメルセデスW14をドライブしたルイス・ハミルトンは、第2シケインでオスカー・ピアストリ(マクラーレン)を追い抜く際に衝突。責任を問われてこちらも5秒ペナルティを受けたが、後方に対して十分なギャップを築いたため順位変わらず6位でポイントを持ち帰った。

レッドブル、フェラーリ、メルセデスのトップ3チームに続いたのはアレックス・アルボン(ウィリアムズ)。この日もマクラーレン勢を相手に印象的な防衛戦を展開し、ランド・ノリスを0.3秒差で抑えて7位でフィニッシュした。

ピアストリはハミルトンとの衝突によりフロントウイングを破損。追加のピットストップを強いられ後方に転落したが、それでも12位まで巻き返した。マクラーレンの僚友ノリスともターン1での接触する場面があった。

フェルナンド・アロンソ(アストンマーチン)はスタート直後、ニコ・ヒュルケンベルグ(ハース)に先行を許して一時はトップ10圏外に落ちたものの9位でフィニッシュ。ピアストリの転落を経てバルテリ・ボッタス(アルファロメオ)が10位に滑り込んだ。

レース概要

当初は1周5793mのコースを53周する予定であったが、フォーメーションラップで発生した角田裕毅の停止を受け、開始20分遅れで3回目のフォーメーションラップが行われた結果、51周で争われる事となった。

気温29℃、路面43℃のドライコンディション。公式タイヤサプライヤーのピレリは最も柔らかいレンジのC3からC5までのコンパウンドを投入。ハミルトン、ボッタス、ケビン・マグヌッセンの3名はハードを、その他はミディアムをスタートタイヤに選んだ。

ローソンはレコノサンス・ラップでダミーグリッドに向かう途中、左ミラーが緩むトラブルに見舞われた。オープニングラップは大きな混乱もなく、ポールのサインツはトップを死守した。

スタート直後のターン1でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をリードするカルロス・サインツ(フェラーリ)が、2023年9月3日(日) F1イタリアGP(モンツァ・サーキット)SI202309030247Courtesy Of Red Bull Content Pool

スタート直後のターン1でマックス・フェルスタッペン(レッドブル)をリードするカルロス・サインツ(フェラーリ)が、2023年9月3日(日) F1イタリアGP(モンツァ・サーキット)SI202309030247

11周目には早くもガスリーがピットイン。ただ、ホイールの取り外しに手間取り6秒近くをロスした。翌周には周冠宇(アルファロメオ)が続いた。

表彰台を目指すペレスは14周目のターン1でラッセルに一瞬先行するも、オーバースピードで止まり切れずにシケインをカット。前に出たため、ペナルティを逃れるために順位を戻した。

フェルスタッペンの猛追を受けるサインツは15周目のターン1でロックアップに見舞われた。その場ではポジションを守ったものの、続くターン4に向けてサイドバイサイドとなり首位を奪われた。

その翌周にはペレスがホームストレートでラッセルを攻略。4番手に浮上した。レッドブル勢のデグラデーションの低さが光った。

2番手に後退したサインツはフェルスタッペンについて行けず、19周目にハードタイヤに交換。ラッセルも同じ周に続いた。

アンダーカットを防ぐレッドブルは、その翌周にフェルスタッペンをピットに呼びハードタイヤを履かせた。ルクレールも同じ周にタイヤ交換を消化。ペレスはその翌21周目に、トップ4の中で最後にタイヤを交換した。

ラッセルはピットアウトの際にオコンと交錯。ターン1をカットして5秒ペナルティを受けた。

マクラーレンは先行するピアストリではなく背後のノリスを先にピットインさせた。翌周にハードタイヤに交換したピアストリはコース復帰直後のターン1に向けてノリスと横並びとなり、左フロントがノリスの右リアと接触した。

ハードスタートのハミルトンは誰よりも長く第1スティントを引っ張り、27周目にミディアム・タイヤに交換して10番手でコースに復帰した。

ペレスは32周目のターン1でサインツのDRS圏内から外れたルクレールをオーバーテイク。表彰台圏内に浮上した。

41周目、ピアストリと8位争いを繰り広げるハミルトンはターン4のイン側に飛び込みオーバーテイクを仕掛けた際、アウト側にステアリングを振った事で右リアがピアストリの左フロントと接触した。

ピアストリのマクラーレンは左フロントウイングが破損し、予定外のピットストップを強いられポイント圏外から転落した。接触の責任はハミルトンにあるとしてスチュワードは5秒ペナルティーを科した。

45周目、2位争いを繰り広げるサインツとペレスが接触。ペレスのクルマからパーツが脱落したがパフォーマンスに大きな影響はなく、ペレスはその翌週にようやくサインツを交わし、レッドブルが1-2体制を築いた。

終盤はフェラーリ勢同士による激しい3位バトルが繰り広げられた。

ペレスに2位の座を奪われたサインツは、その翌周のターン1でルクレールにポジションを奪われ、一旦は4番手に後退するも続くターン4に向けて3番手を奪還。最後まで手に汗握る防衛戦を展開した。

2023年F1第15戦イタリアGP決勝リザルト

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 1 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダRBPT 50 1:12:13.618 25
2 11 セルジオ・ペレス レッドブル・ホンダRBPT 50 +7.686s 18
3 55 カルロス・サインツ フェラーリ 50 +11.674s 15
4 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 50 +12.119s 12
5 63 ジョージ・ラッセル メルセデス 50 +18.925s 10
6 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 50 +39.111s 8
7 23 アレックス・アルボン ウィリアムズ・メルセデス 50 +45.198s 6
8 4 ランド・ノリス マクラーレン・メルセデス 50 +45.549s 4
9 14 フェルナンド・アロンソ アストンマーチン・メルセデス 50 +46.424s 2
10 77 バルテリ・ボッタス アルファロメオ・フェラーリ 49 +65.950s 1
11 2 ローガン・サージェント ウィリアムズ・メルセデス 49 +71.398s 0
12 81 オスカー・ピアストリ マクラーレン・メルセデス 49 +72.240s 0
13 40 リアム・ローソン アルファタウリ・ホンダRBPT 49 +73.268s 0
14 18 ランス・ストロール アストンマーチン・メルセデス 49 +81.658s 0
15 24 周冠宇 アルファロメオ・フェラーリ 49 +81.913s 0
16 10 ピエール・ガスリー アルピーヌ・ルノー 49 +82.236s 0
17 27 ニコ・ヒュルケンベルグ ハース・フェラーリ 49 +1 lap 0
18 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 49 +1 lap 0
NC 31 エステバン・オコン アルピーヌ・ルノー 39 DNF 0
NC 22 角田裕毅 アルファタウリ・ホンダRBPT 0 DNF 0

コンディション

天気晴れ
気温29℃
路面温度43℃

セッション概要

グランプリ名 F1イタリアGP
レース種別 決勝
レース開始日時

サーキット

名称 モンツァ・サーキット
設立 1922年
全長 5793m
コーナー数 11
周回方向 時計回り

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