
ピアストリが初PP、ブルズはダブルQ3と魅せるも角田は最終周完走できず…ローソン再び最下位 / F1中国GP 2025《予選》結果と詳報
2025年FIA-F1世界選手権第2戦中国グランプリの公式予選が3月22日、上海インターナショナル・サーキットで行われ、マクラーレンのオスカー・ピアストリがキャリア初となるポールポジションを獲得した。レーシング・ブルズは2台揃ってQ3進出を果たし、角田裕毅は9番手グリッドを手にした。
ピアストリが圧巻の初ポール、レコード更新
ピアストリはQ3の1回目のアタックで、チームメイトのランド・ノリスを0.09秒上回り暫定ポールに立つと、最終ラップでもタイムを更新。前日のスプリント予選でルイス・ハミルトン(フェラーリ)が記録したコースレコードを上回る1分30秒641をマークし、堂々のトップタイムを記録した。
ノリスは「自身のミス」により、最終2回目のアタックを途中で断念。代わってジョージ・ラッセル(メルセデス)がピアストリに0.082秒差の2番手に入り、フロントローを分け合った。
マックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、ポール争いには一歩届かなかったが、それでもフェラーリ勢を抑えて4番グリッドを持ち帰った。一方、チームメイトのリアム・ローソンは再び最下位20番手に終わり、スプリント予選を含めて3回連続で予選第1ラウンド敗退を喫した。
スプリントウィナーのルイス・ハミルトンは5番手をマークし、フェラーリのチームメイト、シャルル・ルクレールが0.094秒差の6番手に続いた。
レーシングブルズ、Q3での飛躍ならず
レーシング・ブルズ勢は、アイザック・ハジャーと角田がQ2をそれぞれ、4番手、5番手で突破し、3列目以上の好グリッドが期待されたが、ハジャーの7番手が最上位となり、角田は9番手にとどまった。
角田は最初の2つセクターで自己ベストを更新するも、バックストレートを前にコース外に飛び出し、最終ラップを完走せずピットへ戻り、タイム更新には至らなかった。
アンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス)はターン16でのトラックリミット違反により1回目のラップが抹消されたものの、最終ラップで8番手に滑り込み、レーシング・ブルズの間に割って入った。アレックス・アルボン(ウィリアムズ)は10番手を獲得した。
予選Q1:アルピーヌが唯一のW敗退、ローソンはまたもQ1落ち
エントリーした全20台で争われる18分間の予選第一ラウンドのQ1。角田は、1回目のアタックで中古ソフトタイヤを装着し、ハミルトンに迫る暫定5番手を記録。ハジャーは新品ソフトで挑み、角田から0.126秒差の6番手につけた。
その後、暫定ベンチマークを刻んだフェルスタッペンを除く全車が、2セットを投じて2回目の計測ラップに向かった。角田は新品タイヤで3番手を叩き出したが、ハジャーがこれを0.076秒上回って2番手に食い込んだ。トップタイムはノリスがマークした。
ローソンは2セットの新品を投入するも最下位20番手に終わった。5番手通過のフェルスタッペンとの差は0.750秒に達した。最終アタックでは、ヘアピン出口でピエール・ガスリー(アルピーヌ)に追い抜かれ、「なんであんなことする必要があるんだよ」と無線で苛立ちをあらわにした。
数時間前のスプリントで、接触によりキャリア初のペナルティを受けたジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)は残り14分、ターン8でスピンを喫し、コース外に飛び出た。早すぎるアクセルの踏み込みが原因とみられる。
リアウイング規制強化のターゲットの一つと見られるアルピーヌ勢は、ガスリーが0.069秒届かず16番手、ドゥーハンがチームメイトからジャスト0.1秒遅れの18番手に終わり、全チーム唯一、ダブルQ1敗退を喫した。
13番手エステバン・オコン(ハース)から17番手オリバー・ベアマン(ハース)までは0.142秒という僅差だった。
予選Q2:ブルズ勢が上位に、アントネッリは「マジック」機能せず
5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、フェラーリとメルセデスの4台が1回目のラップで中古を選択。新品を履いたノリスが後続にコンマ4秒以上の大差をつけトップに立った。
レーシング・ブルズ勢はQ2でも揃って俊足を披露。ハジャーはチームメイトを0.007秒上回る4番手を刻み、角田は5番手をマークし、マクラーレンとフェルスタッペンに次ぐ速さを見せ、フェラーリおよびメルセデスを置き去りにした。
アントネッリは、メルセデスが内部的に内部的に「ブレーキ・マジック」と呼ぶプリセットが機能しない問題に見舞われた。これは、ステアリングの左側に設置されたボタンにより起動する仕組みで、ブレーキバイアスをフロント側にシフトさせる事でタイヤとブレーキを温める事を主な目的とする。
これにより理想的なウォームアップラップを走ることができなかったようだが、それでも9番手で最終ラウンドに駒を進めた。
ウィリアムズ勢は明暗が分かれた。カルロス・サインツにとって新チームでの週末は今のところ順調とは言えず、15番手でクルマを降りた。一方のアルボンは、オコンに0.030秒差の10番手でQ3進出を果たした。
ニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)はQ3進出まであと0.05秒と迫るも12番手で敗退。アストンマーチン勢もQ2で姿を消した。
決勝レースは日本時間3月23日(日)16時にフォーメーションラップが開始され、1周5,451mの上海インターナショナル・サーキットを56周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。
2025年F1第2戦 中国GP 予選リザルト
Pos | No | Driver | Team | Q1 | Q2 | Q3 | Laps |
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1 | 81 | ピアストリ | マクラーレン | 1:31.591 | 1:31.200 | 1:30.641 | 20 |
2 | 63 | ラッセル | メルセデス | 1:31.295 | 1:31.307 | 1:30.723 | 22 |
3 | 4 | ノリス | マクラーレン | 1:30.983 | 1:30.787 | 1:30.793 | 17 |
4 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 1:31.424 | 1:31.142 | 1:30.817 | 15 |
5 | 44 | ハミルトン | フェラーリ | 1:31.690 | 1:31.501 | 1:30.927 | 21 |
6 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 1:31.579 | 1:31.450 | 1:31.021 | 21 |
7 | 6 | ハジャー | レーシングブルズ | 1:31.162 | 1:31.253 | 1:31.079 | 20 |
8 | 12 | キミ・アントネッリ | メルセデス | 1:31.676 | 1:31.590 | 1:31.103 | 22 |
9 | 22 | 角田裕毅 | レーシングブルズ | 1:31.238 | 1:31.260 | 1:31.638 | 19 |
10 | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 1:31.503 | 1:31.595 | 1:31.706 | 20 |
11 | 31 | オコン | ハース | 1:31.876 | 1:31.625 | 15 | |
12 | 27 | ヒュルケンベルグ | ザウバー | 1:31.921 | 1:31.632 | 15 | |
13 | 14 | アロンソ | アストンマーチン | 1:31.719 | 1:31.688 | 15 | |
14 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 1:31.923 | 1:31.773 | 15 | |
15 | 55 | サインツ | ウィリアムズ | 1:31.628 | 1:31.840 | 15 | |
16 | 10 | ガスリー | アルピーヌ | 1:31.992 | 9 | ||
17 | 87 | ベアマン | ハース | 1:32.018 | 8 | ||
18 | 7 | ドゥーハン | アルピーヌ | 1:32.092 | 8 | ||
19 | 5 | ボルトレート | ザウバー | 1:32.141 | 9 | ||
20 | 30 | ローソン | レッドブル | 1:32.174 | 8 |
コンディション
天気 | 晴れ |
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気温 | 26℃ |
路面温度 | 40℃ |
セッション概要
グランプリ名 | F1中国GP |
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セッション種別 | 予選 |
セッション開始日時 |
サーキット
名称 | 上海インターナショナル・サーキット |
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設立 | 2004年 |
全長 | 5451m |
コーナー数 | 16 |
周回方向 | 時計回り |