
F1中国GP:ドゥーハン、最終ラップ接触で初のペナルティ処分―ルーキーイヤー重い出足
3月22日の2025年F1中国GPのスプリントで発生したガブリエル・ボルトレート(ザウバー)との接触事故を巡り、ペドロ・ラミーを含む5名のスチュワードは、ジャック・ドゥーハン(アルピーヌ)に10秒ペナルティとペナルティポイント2点を科す決定を下した。
この接触は19周のスプリントレースの最終ラップに発生した。17位争いを繰り広げていた2台が絡んだ結果、ボルトレートはスピン、さらにニコ・ヒュルケンベルグ(ザウバー)も混乱に巻き込まれた。
FIA「ドゥーハンに主な責任」無理な進入とロックアップが原因
聴聞会を経てスチュワードは、ドゥーハンがターン14のイン側からボルトレートを抜こうとした際、コーナーのエイペックス(コーナー頂点)でタイヤをロックアップさせ、これにより接触が発生したと判断した。
ドゥーハン側は聴聞会の中で、「2台のハース(エステバン・オコンとオリバー・ベアマン)が取ったラインにより、オーバーテイクが妨げられた」と主張したが、スチュワードは「オーバーテイクを試みた側には、安全かつ規則に沿った形で実行する責任がある」として退けた。
さらに、「ドライビング基準ガイドラインに照らしても、 エイペックスにおいてドゥーハンに優先権はなく、減速すべきだった」とし、「過剰な速度でコーナーに進入し、ロックアップとアンダーステアを引き起こしたことで接触が発生した」と結論付け、「主たる責任」はドゥーハンにあるとした。
これによりドゥーハンは、F1キャリア初のペナルティを受けた。
順位に影響なしも、ルーキーシーズンに重い出足
このペナルティはスプリント終了後に科された。ドゥーハンはすでに最下位の20位でフィニッシュしていたため、処分が順位に直接的な影響を及ぼすことはなかった。
それでも、開幕戦オーストラリアGPでの早々のリタイアに続き、今回のペナルティが加わったことで、ドゥーハンにとってのルーキーイヤーは厳しい船出となっている。
一方、レース序盤に同じターン14でドゥーハンと軽く接触したリアム・ローソン(レッドブル)については、スチュワードによって不問とされ、処分は科されなかった。