雨のレッドブル・リンクを走るレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2020年F1シュタイアーマルクGP予選にてcopyright Getty Images / Red Bull Content Pool

雨の決戦…フェルスタッペン、ハミルトンに届かず2番グリッド / F1シュタイアーマルクGP《予選》結果とダイジェスト

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2020 FIA-F1世界選手権2戦シュタイアーマルクGPの公式予選が7月11日にレッドブル・リンクで行われ、メルセデスのルイス・ハミルトンが後続を1.2秒引き離す圧巻の1分19秒273を記録。キャリア通算89回目のポールポジションを獲得した。

レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンはハミルトンと遜色ないペースを刻んでいたものの、Q3最終ラップのターン9の出口でスピンを喫し2番手に甘んじた。3番手にはマクラーレンのカルロス・サインツが続く結果となった。

土曜の現地シュピールベルクは一日を通して強い雨に見舞われ、午前のFP3は中止された。2時間後に予定されていた予選は定刻にQ1を開始する事が出来ずディレイが宣言されたが、46分遅れでグリーンフラッグを迎え、気温14.9℃、路面20.2℃、湿度92.1%、気圧942.6hPaのフルウエットコンディションでスタートした。

マシンが巻き上げる水しぶきは上空高くにまで舞い上がった。フェルスタッペンは視界の悪さを「恐ろしいレベル」と評し、前のクルマから6秒離れていたとしても、ブレーキングゾーンが全く見えない状態だったと説明した。

チームメイトが圧巻のポールを獲得した一方で、前戦ウィナーのバルテリ・ボッタスは1.428秒遅れの4番手に甘んじ、背後にはルノーのエステバン・オコンの接近を許した。1年ぶりにF1復帰を果たしたフランス人ドライバーは、9番手に終わった僚友ダニエル・リカルドを上回る5番グリッドを手にした。

フェルスタッペン以外のホンダエンジン勢は、もう一台のRB16を駆ったアレックス・アルボンが7番手。アルファタウリのピエール・ガスリーは時折パドックの驚きを誘うドライビングを披露。最終的には大健闘の8番手タイムを刻んだ。ダニール・クビアトは14番手に終わった。

計画を前倒ししてアップグレードを持ち込んだフェラーリ勢は、前戦オーストリアGP予選を彷彿とさせるかのようにチームメイト同士で明暗が分かれた。セバスチャン・ベッテルはQ3進出を果たしたが、シャルル・ルクレールはノックアウトを喫した。ただ、最終的なポジションとしてはベッテルが10番手、ルクレールが11番手と並んだ。

なお予選終了後、エマニュエル・ピロを含む4名のスチュワードは、予選Q2でクビアトの走行を妨害したとしてルクレールに3グリッド降格ペナルティと1点のペナルティポイントを科す裁定を下した

また、アルファロメオのキミ・ライコネンはQ1で発生した赤旗の際に速やかにピットに戻らなかったとして、レーシングポイントのセルジオ・ペレスはQ1で振られた黄旗の際に減速しなかったとして、各々審議の対象となったが、いずれもお咎めなしの裁定が下った。

セッション中は常に雨が振り続ける状況でドライやインターミディエイトの出番はなく、青色に縁取られたフルウェットタイヤがマシンの足元を支えた。

予選Q1:ラッセル、ウィリアムズに2018年以来のQ2もたらす

エントリーした全20台で争われる予選第一ラウンドのQ1。不透明な路面状況に対して、我先にと先陣を切ったのはベッテルであった。2008年の雨のモンツァで史上最年少ポールシッターとなった4度のF1ワールドチャンピオンは、深溝タイヤを履いて1分24秒235をマークした。

上空高くに舞い上がる水しぶきはドライバーたちの視界を遮った。ドライバーたちはアタックラップを終えてもピットには戻らず、コースを周回し続けて連続でタイム計測に取り組んだ。

アルファロメオのアントニオ・ジョビナッツィは、最終1つ手前のターン9でクルマのコントロールを失いクラッシュ。タイヤバリアに接触した事でリアの一部を破損した。自走できる状態であったためピットまで戻ろうとしたが、ターン4の脇にマシンを停めたため、セッション残り13秒というところで赤旗終了となった。

ターン4でグラベルに飛び出し、2セット目のタイヤに履き替えアタック中であったハースのロマン・グロージャンは、赤旗の影響で計測を断念。ノータイム最下位に終わった。

ミッドフィルダー最速の称号を手にしつつあるレーシングポイント勢は、ランス・ストロールがノックアウトを逃れた一方、ペレスはまさかの敗退を喫した。

ウィリアムズ勢はジョージ・ラッセルがQ2進出を果たし、英国グローブのチームに2018年のブラジルGP以来の快挙をもたらした。新人ニコラス・ラティフィはマシンを壊すことなく18番手タイムをマークした。

ホンダエンジン勢はフェルスタッペンが2番手、クビアトが9番手、ガスリーが10番手、そしてターン3でスピンを喫したアルボンが14番手でQ2進出を果たした。

ノックアウト

  • キミ・ライコネン
  • セルジオ・ペレス
  • ニコラス・ラティフィ
  • アントニオ・ジョビナッツィ
  • ロマン・グロージャン

予選Q2:跳馬ルクレールがノックアウト

5台が脱落し残る15台のマシンが挑んだQ2では、前戦に引き続きフェラーリファンが悲鳴を上げた。ベッテルが10番手ギリギリで最終ラウンドに駒を進めた一方、ルクレールは1000分の83秒差でノックアウトを喫した。

雨脚が強まった事で路面コンディションは徐々に悪化。2セット目でタイムを更新できたのは極わずかのドライバーに限られた。ガスリーはその内の1人で、チェッカーが振られた後の最終アタックで見事5番手タイムを叩き出してみせた。

ラッセルも大健闘を果たした。Q3までは1000分の91秒届かなかったものの、マシン的には格上のレーシングポイントのストロール、アルファタウリ・ホンダのクビアトを上回る12番手でクルマを降りた。

なお詳細は不明だが、レースコントロールはターン9におけるクビアトとルクレールのインシデントについてセッション終了後に審議を行うと発表した。

ノックアウト

  • シャルル・ルクレール
  • ジョージ・ラッセル
  • ランス・ストロール
  • ダニール・クビアト
  • ケビン・マグヌッセン

予選Q3:圧巻のハミルトン

トップ10グリッドを決する予選最終ラウンドのQ3に際しては、コンディションの悪化を予想したか、フェルスタッペンが開始3分前からピットレーンに並びグリーンライトを待った。

開始と同時にコースに出たフェルスタッペンは「路面に大量の水が流れている」と報告。1発目に記録した1分21秒800は、Q2の自己ベストよりも3秒近く遅れた。

1セット目を終えて暫定ポールの位置につけたのはボッタス。これにハミルトンが続き1-2体勢を築いた。

フェルスタッペンは2セット目に自己ベストを更新。2番手に並んだ。最終アタックでは各セクターで自己ベストを繋いでいたものの、ターン9の出口でスピンを喫したためタイム更新ならず。他方ハミルトンは全セクターで最速をマーク、1.2秒という驚愕のギャップを築いてしポールポジションを手にした。

2020年 F1シュタイアーマルクグランプリ決勝レースは、日本時間7月12日(日)22時10分にスタート。1周4,326mのレッドブル・リンクを71周する事でチャンピオンシップを争う。

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