チームメンバーと話をするトロロッソ・ホンダのダニール・クビアト、2019年F1スペインGP
copyright Red Bull Content Pool

クビアト、ピット作業で7位入賞逃すも「チームとして今後の糧にしたい」F1スペインGP《決勝》

  • Published:

トロロッソ・ホンダのダニール・クビアトは、ピットでの作業ミスによって7位入賞を逃すことになったが「時にはこういった事も起こる」「チームとして今後の糧にしたい」と語り、ネガティブな言葉を口にしようとしなかった。

9番グリッドから第5戦スペインGP決勝レースに臨んだクビアトは、キレのある好走を披露し、予選で先行を許していたハースのケビン・マグヌッセンを36周目にオーバーテイク。8番手へと浮上した後、もう一台のVF19を駆るロマン・グロージャンを射程に捉えていた。

ところが、終盤のイエローフラッグに乗じてピット・インした際に、誤ってチームメイト用のタイヤが用意されていた事で大きくタイムロス。コースへと戻ると、追い抜いたばかりのマグヌッセンの後方に回る事となった。

この件に関してクビアトに非はなく、完全にチーム側の責任であったものの、クビアトはこれを非難しようとはせずに、大人な対応を見せた。クビアトはラスト6周でグロージャンを抜き去り、辛うじて9位フィニッシュを果たしている。

第3戦中国GPでは各方面から「アンフェア」の声が上がる不遇なドライブスルー・ペナルティーを科せられ、第4戦アゼルバイジャンGPでは旧友ダニエル・リカルドの粗相によってリタイヤを喫するなど、今季のクビアトは中々に運がない。

だがクビアトは、各々の件に不満を述べつつも、上海では「次のレースに向けて頭を切り替えるべき」と語り、バクーでは「リカルドとの間に確執はない。終わったことだ」と述べるなど落ち着き払っており、一年間の”F1浪人”を経て、一回りも二回りも成長を遂げたようにみえる。

ピット作業で7位逃すも「チームとして今後の糧にしたい」

ダニール・クビアト決勝: 9位, グリッド: 9番手

今日は何度かエキサイティングなシーンがあったけど、残念な事にピット・インした時にタイヤの準備が出来ておらず、ピット作業でレースを失う事になってしまった。切羽詰まった状況下でのピット指示だった。トリッキーなシチュエーションだと、時にこういった事も起こったりするけど、チームとして今回の件を糧に出来るはずだと信じてる。

あの残念な一件がなければ7番手でフィニッシュ出来ていたはずだけど、幾らかはポイントを獲得できて良かった。マシンのパフォーマンスは向上してきているし、クルマに乗り込む度にフィーリングが改善しているから、今後のレースに向けてはポジティブに感じている。


66周で争われた決勝レースでは、予選2番手のルイス・ハミルトンがスタート直後にトップに浮上。そのまま逃げ切り今季3勝目を手にした。2位にはバルテリ・ボッタスが続きメルセデスが1-2。3位表彰台にはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが滑り込んだ。

F1スペインGP特集