レッドブルとトロロッソから誕生日の祝福を受けたホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクター、2019年F1スペインGPにて
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ホンダF1「今季2度目の表彰台に満足」跳馬を負かしたレッドブルの競争力に大きな手応え

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ホンダが開幕オーストラリアGP以来、今季2度目となる表彰台に上がった。5月12日(日)の第5戦F1スペインGP決勝レースで、レッドブル・レーシングのマックス・フェルスタッペンが3位表彰台を獲得。ヨーロッパラウンドの開幕戦を最高の形でスタートさせた。

ホンダがエンジンを供給するレッドブルとトロロッソは共に、新しく開発したエアロパーツを投入。ホンダの最新型パワーユニットと空力アップデートを搭載したレッドブルは、予選でフェラーリを分断して4番グリッドを獲得し、レースではコース上でフェラーリを抜き去るパフォーマンスを披露した。

フェルスタッペンと同じRB15を駆るピエール・ガスリーは6位、トロロッソのダニール・クビアトは9位入賞を果たし、ホンダエンジン勢としては計3台がトップ10に名を連ねた。とは言え、ピットストップの際にタイヤを取り違えるミスがなければ、アレックス・アルボンを含めた全4台が入賞していた可能性は極めて高い。

  • 3位:フェルスタッペン
  • 6位:ガスリー
  • 9位:クビアト
  • 11位:アルボン

レースを振り返ったホンダF1の田辺豊治テクニカル・ディレクターは、今シーズン2回目のポディウムを喜ぶと共に、アップデートが投入されたレースでレッドブルがフェラーリと好勝負を演じた点を高く評価した。

ミルトン・キーンズのチームは過去数シーズンに渡って、メルセデスとフェラーリに次ぐ3番目の地位に甘んじてきたが、今回のリザルトはその序列に変動が起き始めている事を予感させる。別格のメルセデスとの差は依然として大きいものの、フェラーリとのギャップが縮まっている事に疑いはない。

クルマを降りたフェルスタッペンは「3位表彰台は今のレッドブル・ホンダの実力だ」と語り、アップデートされたRB15には、自力でフェラーリを打ち負かせるだけの性能が備わっていると主張した。

スペインGPはマシンのあらゆる性能が試される場であり、今後続く欧州各国でのレースを占う試金石と位置づけられているだけに、今週末のパフォーマンスとリザルトは大きな意味を持っている。

ホンダ:F1スペインGP決勝を終えて

田辺 豊治ホンダF1現場責任者

チームがアップデートを投入したレースで、開幕戦以来の表彰台を獲得でき嬉しく思います。フェルスタッペン選手は今日も安定した速さを見せ、万全にレースを進めてくれました。また、ガスリー選手が2台のフェラーリに続く形で6位入賞を果たしてくれました。レッドブル・レーシングがフェラーリと勝負出来た点についても前向きに捉えています。

その一方で、4台同時入賞をあと一歩のところで逃した点については、非常に悔しく思っています。また、予選・決勝レースの両方で、依然としてメルセデスとのギャップが大きい事を実感させられました。今回の勢いを維持しながら、今後さらに良い結果を得るべく、懸命に開発を続けていきたいと思います。


66周で争われた決勝レースでは、予選2番手のルイス・ハミルトンがスタート直後にトップに浮上。そのまま逃げ切り今季3勝目を手にした。2位にはバルテリ・ボッタスが続きメルセデスが1-2。3位表彰台にはレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンが滑り込んだ。

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