フェラーリを逆転、3位表彰台は今のレッドブル・ホンダの実力、とフェルスタッペン
フェラーリ対メルセデスの単独バトルが予想された2019シーズンであったが、レッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペンは意に介さず、5戦連続でフェラーリの1台を上回るリザルトを叩き出した。
フェルスタッペンは、5月12日(日)の第5戦F1スペインGP決勝レースで今季2度目の3位表彰台を獲得。ホンダのスペック2エンジンと、「巧妙」な空力アップグレードの合わせ技で武装したRB15は、フェルスタッペンにフェラーリとの真っ向勝負を提供した。
舞台となったカタロニア・サーキットは、シーズン開幕前テストでフェラーリが圧倒的な速さを見せつけたコースであり、下馬評では、レッドブル・ホンダのポディウムを予想する声は見当たらなかった。だがフェルスタッペンは、跳馬に太刀打ち出来る事は予想済みだったと主張した。
「フェラーリとやり合える事は僕には分かっていた」とフェルスタッペン。「予選ではかなりの接戦だったから、レースは最初の1コーナーで殆ど全て決まってしまうと考えていた。ターン3でセブ(ベッテル)をオーバーテイク出来た事で、その後は自分のペースでレースを進める事が出来た」
© Getty Images / Red Bull Content Pool、決勝レースを終えてリラックスムードのマックス・フェルスタッペン
注目のオープニングラップでは、メルセデスの2台と予選3番手のセバスチャン・ベッテルの3台がスリーワイドでターン1に進入。危険を察知した後続のフェルスタッペンは、ターン1の入口で一旦引いた後、続くターン2からターン3にかけてベッテルを冷静にオーバーテイクし3番手に浮上した。
その後は果敢な2ストップ作戦を敢行し、最初のピットインの後には2番手バルテリ・ボッタスとの差を詰める走りを披露。だが、2番手奪取に向けての猛追を開始をしようとした46周目、14番手を争っていたレーシングポイントのランス・ストロールとマクラーレンのランド・ノリスがクラッシュ。セーフティカーの導入によって勢いが削がれた。
カタロニア・サーキットはカレンダー有数の追い抜き難コース。過去の統計どおり、バルセロナでの66周に渡る表彰台争いは、1周目のターン1で決する格好となり、フェルスタッペンは2台のフェラーリを抑えての3位表彰台を獲得した。
© Getty Images / Red Bull Content Pool、フベッテルを抑えて先行するフェルスタッペン
前日の予選では、ルクレールを抑えた一方でベッテルに先行を許したが、その差は僅か1000分の85秒。今シーズンの予選としては最も接近し、一発及びロングランの両方でフェラーリとのギャップを縮めた形となった。フェルスタッペンは、”フェラーリを上回る3位”というリザルトは、今のレッドブル・ホンダの実力を反映したものだと考えている。
「今日のリザルトには満足だよ」とフェルスタッペン。「僕は持てる全てのものを最大限に引き出そうとしているし、その結果として再び3位表彰台を獲得する事ができた。このリザルトは今の僕らの実力を表していると思う。ポイントを積み重ねることができて、チームとしても喜ばしい結果になった」
開発競争でパフォーマンスを向上させ、フェラーリに対して一歩前進を示した事は朗報だが、トップを快走したルイス・ハミルトンとのギャップは第一スティントだけで17秒。相も変わらず越え難い壁がそびえ立っている。
「僕らは良い状態にあると思うけど、メルセデスほどじゃない」とフェルスタッペン。「フェラーリとの差を縮められた事は喜ばしいけど、更に努力を続けてクルマを改善しなきゃならないのは明らかだ」
© Mercedes、優勝したメルセデスのルイス・ハミルトンは、付け入るスキを一切見せなかった
フェルスタッペンは今回の3位表彰台によって15ポイントを獲得。総得点を66に伸ばして、ドライバーズランキングでベッテルを逆転し3位に浮上した。次戦には、レッドブルが伝統的に得意とするモナコGPが控えている。