レッドブル・ホンダとフェルスタッペンはハミルトンの7冠を阻止し得る存在に成長した、とロス・ブラウン
F1の競技部門を率いるロス・ブラウンは、マックス・フェルスタッペンとレッドブル・ホンダのコンビが、王者ルイス・ハミルトンの7冠目を阻止しうる存在に成長したと考えている。キャリア13年目を迎えたハミルトンは今年、自身6度目のタイトルを獲得し、ミハエル・シューマッハが持つ歴代最多チャンピオン記録に王手をかけている。
フェルスタッペンは今年、3勝、2ポールポジション、3ファステストラップ、278ポイントを獲得してドライバーズチャンピオン3位に輝いた。勝利数、ポール、ファステスト、そして選手権順位共に、全てキャリアベストを塗り替え、名実ともに過去最高のシーズンを過ごした。
© Getty Images / Red Bull Content Pool、互いの健闘を称え合うハミルトンとフェルスタッペン、アブダビGPにて
「今年のマックス・フェルスタッペンに、これ以上の結果を求める事ができたであろうか?」最終アブダビGPを総括したロス・ブラウンは、こう切り出した。
「いや、それは難しいだろう。彼はフォーミュラ1での5シーズン目に初めてチャンピオンシップをトップ3で締め括り、エクセレントなシーズンを堪能したのだ。マックスはハンガリーGPでキャリア初のポールポジションを獲得し、その後はブラジルでポールを獲り、シーズン中に三勝を挙げてキャリア勝利数を8に伸ばした」
若さゆえか、卓越したドライビング感性を持ちながらも、フェルスタッペンはこれまで幾度となく稚拙なミスを犯し、批判の的となってきた。それはF1デビューから4年目を迎えた昨年でも変わらず、開幕戦オーストラリアGPではスピンを喫し、バーレーンGP予選ではクラッシュし、決勝ではハミルトンとの接触事故でリタイヤ。アゼルバイジャンGPではチームメイトと同士討ちを演じ、ダブルリタイヤという”大損害”をチームに与えた。
だが、兄貴分のダニエル・リカルドから”独り立ち”し、リードドライバーとしての役割を与えられた今年、これまで見られたような不必要に攻撃的な走りは影を潜めた。ロス・ブラウンは、今年のフェルスタッペンは昨年までとは異なると主張。更に、レッドブル・ホンダは戦闘力を着実に上げつつあるとして、来季タイトル争いを予想した。
「おそらく最も重要な点は、以前よく見られたようなミスが少なかった事だろう」とロス・ブラウン。「彼はせっかちな性格故に、これまで度々失態を犯してきた。これら非常に頭の痛い問題は、これまでのシーズンでかなりの損失となっていたわけだが、今年はそのような軽率なドライビングはほとんどなかった」
「ほんの数ヵ月前に22歳になったばかりのレッドブルのヤングスターは現在、キャリアの中で間違いなく最も実戦的な状態に仕上がっており、今やルイス・ハミルトンに挑戦する準備ができていると言える」
「もちろん、それに足るだけのパフォーマンスを備えたマシンが必要だ。確かに彼は今シーズンの序盤、そのようなクルマを持ち合わせていなかったが、レッドブルとホンダのパートナーシップはシーズン中にかなりの前進を示しており、今や2020年シーズンのチャンピオンシップを懸けて争えるであろう事を予感させるようなリザルトを残し始めている」