2020年F1ハンガリーGPで2位でチェッカーフラッグを受けるマックス・フェルスタッペンに声援を送るレッドブル・ホンダのチームメンバー達copyright Getty Images / Red Bull Content Pool

ハミルトン完勝、フェルスタッペンはクラッシュからの逆転2位表彰台 / F1ハンガリーGP《決勝》結果とダイジェスト

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2020シーズンFIA-F1世界選手権 第3戦ハンガリーGP決勝レースが7月19日に行われ、ポールポジションからスタートしたメルセデスのルイス・ハミルトンが後続を全く寄せ付けない完全試合を戦い、ミハエル・シューマッハが持つ最多記録91勝にあと5勝と迫る通算86勝、今季2連勝を飾った。ハンガロリンクでの勝利は8度目。6位までを周回遅れにする異次元の速さを見せつけた。

他車とのバトルもなくトップをクルージングしていたレース最終盤には、フリーストップを得てソフトタイヤに交換。ファステストラップ狙いに打って出て見事ボーナスの1点を獲得した。チームメイトのバルテリ・ボッタスが3位に終わった事で、今シーズンのチャンピオンシップリーダーに躍り出た。

週末を通してマシンに苦戦し続けていたレッドブル・ホンダ勢は、7番グリッドスタートのマックス・フェルスタッペンが、レース前の”不用意なクラッシュ”を経て大逆転の2位表彰台を勝ち取った。

フェルスタッペンはレース前のレコノサンスラップ中に浅溝のインターミディエイトタイヤを履いてグリッドへと向かっていたところ、ターン12で左フロントからタイヤバリアに衝突。RB16のフロントウイングとサスペンションが損傷した。

スタート開始を20分後に控え、メカニックがグリッド上で懸命の修復に取り組み、残り30秒というギリギリのタイミングで無事に仕事を完了させた。チームメンバーの頑張りに応えるべく、フェルスタッペンは好スタートを切って開始早々に3番手に浮上。その後、オーバーカットで2番手にポジションを上げると、チェッカーに向けて後ろから迫るボッタスを抑えきって見せた。

表彰台インタビューに応えたフェルスタッペンは「スタート前にあんな事になるなんて思ってもみなかったけど、メカニックの皆が最高の仕事をしてクルマを直してくれた。2位という結果で恩を返すことができて満足だ。メルセデスの間に割って入れた点も良かったね」と感謝の言葉を口にした。

もう一台のRB16をドライブした13番手スタートのアレックス・アルボンは、4位のランス・ストロール(レーシングポイント)に続く5位入賞を果たした。なおアルボンに関しては、レース前に濡れたグリッド路面を人為的に乾燥させていたとして、競技規約違反が疑われて審議が行われたが、スチュワードはお咎めなしの裁定を下している。

アルファタウリ・ホンダ勢は、ダニール・クビアトが12位で完走した一方、パワーユニットコンポーネント4基を交換して10番グリッドからレースに臨んだピエール・ガスリーは、15周目にマシン後方から白煙を履きリタイヤした。

ガスリーは無線で「シフトが遅くパワーがない!」とかなり感情的に訴えていたが、レース後にホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターは、ギアボックスのトラブルであった事を明かした

第3戦の舞台は、ストレートが1本しかなくツイスティーな低中速コーナーが連続する伝統のハンガロリンク。前日18日(土)に開催された予選では最前列にメルセデスの2台、2列目にはレーシングポイントの2台、そして3列目にはスクーデリア・フェラーリの2台が並ぶ結果となった。

公式タイヤサプライヤーのピレリは中間レンジのC2からC4までのコンパウンドを投入。レースでは最低2種類のコンパウンドを使用する義務があり、ハードタイヤが大きな役割を果たした。主流となったのは複数回ストップ。1ストップはハースの2台のみだった。今季は新型コロナウイルスの影響で各ドライバーの手持ちタイヤは固定制となり、ハード2組、ミディアム3組、ソフト8組が配分されている。

決勝は、日本時間19日(日)22時10分にブラックアウトを迎え、1周4,381mのコースを70周する事で争われた。現地ブダペストはレース開始2時間前に雨に見舞われたが幸いにもすぐに止んだ。チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップはウェット宣言が出される中、全車が雨用タイヤを履いて、気温21.6℃、路面27.9℃の半ウェットコンディションで開始された。

ハンガロリンクを走行するハースF1のケビン・マグヌッセン、2020年F1ハンガリーGP決勝レースにて
© Haas

ハースの2台はフォーメーションラップを終えてグリットにつかず、ピットへと向かいスリックタイヤに履き替えた。この攻めの判断が功を奏しハース勢はレース序盤に3・4番手を走行。ギュンター・シュタイナー代表は「ギャンブルだったが報われた」と語った。

とは言え、マシンの戦闘力の差もあり徐々にポジションを落としていったロマン・グロージャンは15位でクルマを降りたものの、ケビン・マグヌッセンはタイヤを見事にマネジメントして嬉しい9位フィニッシュを果たした。

だがレース後、スチュワードはフォーメーションラップ中にチームがドライバーにピットインを指示したとして、いわゆる”ドライバーエイド”の禁止を定めるスポーティング・レギュレーション第27条1項への違反を認定。両者に10秒ペナルティを科す裁定を下した。これにより9位のマグヌッセン10位に降格し、代わりにカルロス・サインツ(マクラーレン)が9位に浮上した。一方のグロージャンは15位から16位に転落。キミ・ライコネン(アルファロメオ)に先行を許す結果となった。

水しぶきを上げながらスタートするF1マシン、2020年F1ハンガリーGP決勝レーススタート直後のホームストレート
© Daimler AG

注目のスタートでは、レース前に粗相のあったフェルスタッペンが好スタートを決めて一気にポジションを上げ、フェラーリとのサイド・バイ・サイドを制してターン2でオーバーテイク。3番手に浮上。その一方で、2番グリッドスタートのボッタスと4番グリッドのセルジオ・ペレスはスタートに失敗。大きく順位を落とした。

路面の大部分は雨水が完全に捌けている状態で、隊列をリードしていたハミルトンと2番手ストロールを含む殆どのマシンが3周目までにスリックタイヤに履き替えた。対照的に、フェルスタッペンとルノー勢はステイアウトを選択。1周タイミングをずらした。

結果的に、3周目のピットレーンはタイヤ交換のために続々とピットインするマシンで大混雑となり、4番手を走行していたセバスチャン・ベッテルは遅々としてガレージから出られず、一気にポイント圏外にまでポジションを落とした。ただその後はタイヤをマネージして順位を上げ続け、6位でフィニッシュラインを駆け抜けた。シャルル・ルクレールは11位に終わった。

フェルスタッペンは4周目にミディアムタイヤに履き替え、ストロールのオーバーカットに成功。2番手でコースに戻った。

ニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)は1回目のピットアウトの際にカルロス・サインツ(マクラーレン)と交錯。左リアタイヤのパンクに見舞われた。 一件は審議の対象となり、スチュワードはアンセーフリリース裁定を下してラティフィに5秒ペナルティを科した。

早々にラップダウンに追い込まれたラティフィ。レース中盤にはターン5で単独スピンを喫するなど苦しみ、最終的には5ラップダウンの最下位19番手でレースを終えた。チームメイトのジョージ・ラッセルは18番手でヘルメットを脱いだ。

ウィリアムズとの直接のライバルであるアルファロメオ勢は、スタートグリッドを誤ったとしてキミ・ライコネンが5秒ペナルティを受け出足を挫かれたが、チームメイトのアントニオ・ジョビナッツィを抑えて16位でフィニッシュ。グロージャンがペナルティを受けたことで15位に繰り上がった。

いつ雨が降ってもおかしくないとのレーダー予報が出る中、如何に第2スティントを引き伸ばすかの我慢勝負になるかと思われたが、最終的に雨が本格的に降り出す事はなく、レース終盤にかけては雲の切れ目から陽が差し始めるほどに天候が回復した。

フェルスタッペンはレース半分を消化した所でハミルトンを追うことを諦め、後ろから迫るボッタスからのポジションキープをターゲットに据えた。レースを完璧に支配するハミルトンは、67周目にフリーストップを得てピットイン。ソフトタイヤに履き替え1分16秒527のファステストラップを刻んだ。

順位とタイム

Pos No Driver Team Laps Time PTS
1 44 ルイス・ハミルトン メルセデス 70 1:36:12.473 26
2 33 マックス・フェルスタッペン レッドブル・ホンダ 70 +8.702s 18
3 77 バルテリ・ボッタス メルセデス 70 +9.452s 15
4 18 ランス・ストロール レーシングポイント 70 +57.579s 12
5 23 アレックス・アルボン レッドブル・ホンダ 70 +78.316s 10
6 5 セバスチャン・ベッテル フェラーリ 69 +1 lap 8
7 11 セルジオ・ペレス レーシングポイント 69 +1 lap 6
8 3 ダニエル・リカルド ルノー 69 +1 lap 4
9 55 カルロス・サインツ マクラーレン・ルノー 69 +1 lap 2
10 20 ケビン・マグヌッセン ハース・フェラーリ 69 +1 lap 1
11 16 シャルル・ルクレール フェラーリ 69 +1 lap 0
12 26 ダニール・クビアト アルファタウリ・ホンダ 69 +1 lap 0
13 4 ランド・ノリス マクラーレン・ルノー 69 +1 lap 0
14 31 エステバン・オコン ルノー 69 +1 lap 0
15 7 キミ・ライコネン アルファロメオ 69 +1 lap 0
16 8 ロマン・グロージャン ハース・フェラーリ 69 +1 lap 0
17 99 アントニオ・ジョビナッツィ アルファロメオ 69 +1 lap 0
18 63 ジョージ・ラッセル ウィリアムズ・メルセデス 69 +1 lap 0
19 6 ニコラス・ラティフィ ウィリアムズ・メルセデス 65 +5 laps 0
NC 10 ピエール・ガスリー アルファタウリ・ホンダ 15 DNF 0

コンディション

天気
曇り
気温
21.4℃
路面温度
27.9℃
周回数
70

レース概要

グランプリ名
F1ハンガリーGP
レース種別
決勝
レース開始日時

サーキット

名称
ハンガロリンク
設立
1986年
全長
4381m
コーナー数
16
周回方向
時計回り

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