2位でレースを終えて、チームの仲間達の元に駆け寄るレッドブル・ホンダのマックス・フェルスタッペン、2020年F1ハンガリーGP決勝レースにてcopyright Getty Images / Red Bull Content Pool

修理完了までの”クレイジーな12分間”、フェルスタッペン「メカニックの努力が無駄じゃない事を意地でも証明したかった」

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マックス・フェルスタッペンとメカニック達にとってのF1ハンガリーGPの闘いは、赤い5つのスタートシグナルが消灯する前から既に始まっていた。ミルトンキーンズの凄腕メカニック達は、レコノサンスラップ中のクラッシュによって壊れたレッドブル・ホンダRB16のトラックロッドを僅か12分で交換してマシンを「完璧な状態」に修復した。

クリスチャン・ホーナー代表曰く「通常であれば90分を要する」というその作業を驚異的な速さでやり終えた時、時計の針はピットレーンスタートが命じられるタイムリミットまで残り30秒を切っていた。フェルスタッペンは、そんな神業で自分をコースへと送り出してくれたメカニックを「レジェンド」と呼び讃え、手に汗握る修復までのその時間を「クレイジーな12分間」と呼んだ。

ハンガロリンクでの70周を終えて行われたトップ3プレスカンファレンスでの質疑のやり取りを以下に紹介する。

シャンパンファイトを楽しむマックス・フェルスタッペン、ルイス・ハミルトン、バルテリ・ボッタスの3人、2020年F1ハンガリーGP決勝レースにて
© Getty Images / Red Bull Content Pool

修理が行われている間はどんな気分だった? 冷静に見えたけど実際は逆だったのでは?

いや、すごく冷静だったよ。どうなるか様子を見えてみようって感じでね。もしダメだったらそれで終わりって事だし、週末丸ごと残念だったって感じで終わっていたと思う。でも皆がアメージングな仕事をしてくれたおかげでマシンが元通りになって。その努力が無駄じゃないって事を意地でも証明したかった。ああ、クレイジーだった。本当にクレイジーな12分間だった。

ヘルムート・マルコとかクリスチャン・ホーナーとか、上層部の人間は何と言っていた?

何も。彼らとは話をしていないしね。マシンの準備出来てコックピットに座る前に、握手を交わしただけだよ。だって、一体なんて言えば良いんだい?

グリッドで修理していたのは何のパーツ?

トラックロッドが壊れていたんだと思う。すぐに交換するのは簡単なことじゃないんだけど、皆が本当に素晴らしい仕事をしてくれた。

修理に掛かった時間は12分?

ああ、12分で修理してくれたよ。ほんと、クレイジーだよね。僕はマシンの中に座っていたんだけど、メカニックたちが「10秒」とか「5秒」とかお互いに叫びながらホイールを取り付けているのが見えた。僕が親指を立てたら、彼らが「おお!直ったぞ」って言ってくれて。僕は「OK」って返した。

フォーメーションラップ中にホイールをチェックして、問題ないことを確認した。レース中は何も変なことは起こらなかったし、修理は完璧だった。いやほんとにクレイジーだ。

レース終盤のボッタスのペースに不安を覚えた?

僕は自分自身のペースに集中しようと努めていた。だっていきなり0.5秒も速く走れるわけないんだからさ。タイヤのマネジメントに集中したよ。でも最後の最後にトラフィックに捕まってしまった。(前走車の)3秒以内に入るや否や急にクルマの挙動が乱れるんだ。使い古したタイヤを履いている時は尚更で、あれは本当に嫌な感じだった。

最後の3ラップはかなりトリッキーだったけど、なんとか持ち堪える事ができたから満足さ。タイヤのフィーリングは最後まで大丈夫だったしね。

路面が濡れる難しいコンディション。リスクとリターンをどう見極めてドライブしていた?

本能みたいなものだと思う。実際に走ってみないことには計画を立てる事もできないからね。スタートだって毎回違うんだ。もちろん、過去のスタートシーンを振り返って、何が起こりうるのか、何が上手くいかない可能性があるのかを学ぶ事はできるけど、それでもスタートは毎回違うんだ。もちろん、その年によって周りを囲むマシンも違うわけだしね。

スタート自体はとても良かったんだけど、イン側にクルマが集まっていたからコーナーへの進入の際にトラフィックに巻き込まれる事が予想できた。そこでアウト側に回ることにしたんだ。みんながイン側に集中して、お互いをブロックしていたから、楽にアウト側に行けたよ。

これもレースの行方を決定づける要因になった。もし(1周目を終えても)7番手に留まっていたとしたら、前に連なるマシンをオーバーテイクするのに凄く苦しむ事になっただろうからね。

3番手に躍り出た後、レーシングポイント(2番手を走行していたランス・ストロール)よりも自分の方が速い事が分かったから、彼らがピットに入ったタイミングでもう1周ステイアウトする事に決めたんだ。あの判断は良かったと思う。おかげで難なく彼らを追い抜く事が出来た。

あまり前例がない状態で性急にスリックタイヤに履き替えたくはなかったし、トップ3にいる時のそういう行動はリスクだしね。だからもう1周余計にコースに留まることにしたんだ。

メルセデスは強く、レッドブルはクルマに課題を抱えています

そうだね、もちろん彼らを倒すのは非常に難しいと思うけど、今はどこが間違っているのかを理解して、それを修正し、そこから学んで再びコースに戻ってくる事が重要なんだと思う。正しい方向に向かって踏み出しさえできれば、彼らはすぐにでも大量のアップデートをもたらしてくれる。だからまずは、マシンのどこに重大な問題があるのかを理解しなきゃならない。

問題の理解にはどのくらい時間がかかる?

今まさに問題の核心に近づいてきているよ。

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