ポール・リカール・サーキットを周回するシャルル・ルクレール(フェラーリ)とマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年7月22日F1フランスGP
Courtesy Of Ferrari S.p.A. / Red Bull Content Pool

レッドブル、トラブルと課題抱えて後手に回るもフェラーリとは見た目以上の接戦か

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7月22日(金)に開幕を迎えたF1第12戦フランスGP、レッドブルはフェラーリの後手に回るスタートを切った。シャルル・ルクレールとカルロス・サインツは双方共に安定して高いペースを刻み、紅き跳馬が1-2で初日を締め括った。

選手権をリードするマックス・フェルスタッペンは両セッションのクイックラップでアンダーステアに苦しみ、無線でやや不満げな様子を見せた。FP1では2番手を刻むも、FP2では3番手と後退した。

ガレージ内の作業を見守るマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年7月22日F1フランスGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

ガレージ内の作業を見守るマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、2022年7月22日F1フランスGP

「FP1よりFP2の方が少し大変だった。望んでいたようなバランスが得られなくてね」とフェルスタッペン。

「今日はクルマで色んな事を試したから、今夜はデータを見直して明日に向けて更に速さを引き上げられるようにしてきたい」

セルジオ・ペレスはFP1でスピンを喫してソフトタイヤを1セットを失った。FP2ではロールバーに問題が発生したため、ソフトタイヤでの計測ラップは1回のみに留まり、チームメイトから約1秒遅れの10番手で初日を終える事となった。

トラブルについてペレスは「少し時間を失ってしまったけど深刻なものじゃなかった」と説明し「今のところクルマにはあまり満足できていない」としながらも、予選が行われる2日目に向けては「戦える状態」に持っていけると自信をみせた。

ポール・リカール・サーキットのホームストレートを駆け抜けるセルジオ・ペレス(レッドブル)、2022年7月22日F1フランスGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

ポール・リカール・サーキットのホームストレートを駆け抜けるセルジオ・ペレス(レッドブル)、2022年7月22日F1フランスGP

フェルスタッペンのこの日のベストタイムは、タイムシートのトップに立ったサインツに対して0.55秒と大きく遅れるものであったが、エンジンモードの違いやミニセクターでの最速タイムを考慮すれば、レッドブルとフェラーリとの差は見た目ほど大きくはなさそうだ。

フェラーリF1-75は低中速コーナーで圧倒的なアドバンテージを発揮した。その一方でレッドブルRB18はシーニュ(ターン10)等の高速コーナーでフェラーリと互角に渡り合い、ストレートでは逆に頭一つ抜けた競争力を見せつけた。

上手くアンダーステアを解決できれば、1ラップペースにおいてフェラーリと張り合えるだけの速さを引き出す事は可能だろう。チーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーに焦りの色は見えない。

「ミディアムでもソフトでも、ロングランにおいて我々には競争力があるように思う。僅か5周のロングランではあったが、それでもセッションから得られる情報は膨大だ」

「セクター3に関しては今夜、少しばかり修正が必要な部分があるが、セクター1はコンペティティブだし、セクター2ではかなりのアドバンテージがあった。検討すべき点はたくさんある」

セッションを見守るレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表、2022年7月22日F1フランスGPCourtesy Of Red Bull Content Pool

セッションを見守るレッドブルのクリスチャン・ホーナー代表、2022年7月22日F1フランスGP

一方、フェルスタッペンは上司よりもやや慎重で、より長いスティントを走った場合のサーマル・デグラデーションの影響を懸念する。

「ロングランの方はショートランよりマシだと思うけど、タイヤがかなり過熱している状態だったし、自分の立ち位置を判断するのは難しい」

「基本的にポール・リカール・サーキットはタイヤに厳しいから、ロングランをより正確に見るには、もう少し走り込まなきゃならない」

レッドブルはフェラーリに対し、ロングランで1周あたりコンマ1秒近いアドバンテージを誇っていた。サインツは「グレイニングの影響で少し厳しかった」と振り返った。

サインツはエンジン交換ペナルティで少なくとも11番グリッド以降となる事が確定している。仮にポールをルクレールに許したとしても、2台揃って上位を確保できれば戦略面で有利なレッドブルが過度に焦る必要はない。

ただ、前戦オーストリアGPのようにタイヤやセットアップ、パッケージで誤った選択をすれば、デグラデーションによって劣勢に追い込まれる可能性もあるだけに、週末の行方は全く見通せず、今回もエキサイティングなレースが期待できそうだ。

ポール・リカール・サーキットを走行するカルロス・サインツ(フェラーリ)、2022年7月22日F1フランスGP FP2Courtesy Of Red Bull Content Pool

ポール・リカール・サーキットを走行するカルロス・サインツ(フェラーリ)、2022年7月22日F1フランスGP FP2


2022年F1フランスGPのFP2をトップで締め括ったのはカルロス・サインツ。2番手に僚友シャルル・ルクレールが続き、フェラーリがトップ2を陣取った。3番手にはコンマ5秒遅れでマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続いた。

2022年F1フランスグランプリ3回目のフリー走行は日本時間7月23日(土)20時から、公式予選は同23時から1時間に渡ってポール・リカール・サーキットで開催される。

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