2020年F1バーレーンGPで発生した火柱クラッシュ

背筋凍る危険な爆発クラッシュ…ロマン・グロージャンが巨大な火柱に、F1バーレーンGPはスタート直後に赤旗中断

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F1第15戦バーレーンGP決勝レースのスタート直後のオープニングラップで、近代F1では目にする事のない非常におぞましい危険なクラッシュが発生した。

11月29日バーレーン現地17時10分(日本時間23時10分)にレースがブラックアウトを迎えると、十数秒後にグロージャンがターン3のイン側バリアに時速221kmという高速で激突。衝撃で車体は真っ二つに裂けて爆発し、フィールド後方に一瞬で巨大な火柱が上がった。

レースコントロールは即座にレッドフラッグを振った。数分間に渡って事故の詳細が伝えられなかった事で最悪の事態も脳裏によぎったが、幸いにもグロージャンは燃え盛る炎から命からがら何とか逃れ、メディカルカーに乗せられた。

モノコックは真横から鉄製ガードレールに埋め込まれる格好となり、車体は真っ二つとなってリアエンドが切り離されたような形となった。燃料タンクに引火した事で巨大な炎が上がったものと見られる。

ヘイローがグロージャンの命を守ったように見受けられるが、詳しいことは国際自動車連盟(FIA)によって今後詳細な調査が行われるものと考えられる。衝突の衝撃は53Gと伝えられている。

チームによるとグロージャンは両手の甲に火傷を負ったものの、それ以外に目立った外傷はなく、更なる検査のためにヘリコプターで地元のバーレーン・ロイヤル・メディカル・サービス(バーレーン軍事病院)に搬送された。レントゲン写真で骨折などの兆候が確認されなかった事から、グロージャンは大事を取って病院で一晩を過ごす事となった。

インシデントが発生した現場ではクルマの残骸とコース上に飛散したデブリの清掃に加え、ガードレールの修復作業が続けられた。レースは約1時間25分の赤旗中断を経て、現地18時25分(日本時間24時35分)に再開された。

ハースF1チームのギュンター・シュタイナー代表は事故について「ロマンは無事だ。医学的なコメントは差し控えるが、手と足首に軽い火傷を負っており、当然のことながら彼は動揺している。レスキュー隊の迅速な対応に感謝したい。恐怖を感じる事態であったが、マーシャルとFIAの人々は素晴らしい仕事をしてくれた」と述べ、果敢に救助活動に向かった関係者達への感謝を口にした。

ポールポジションからレースをスタートしたルイス・ハミルトンは「ロマンが無事で本当に良かった。僕らが負っているリスクは冗談じゃないし、この大好きなスポーツのために命懸けでレースをしている事を忘れている人もいるだろう。安全対策に力を入れ続けているFIAに感謝する。そのおかげでロマンは無事だった」と語った。

事故の衝撃動画は以下。

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