ピットフェンス祝福、F1風物詩に消滅の危機「如何なる場合でも禁止」オーストラリアGPより取締強化
ピットウォールのキャッチフェンスに登ってドライバーの完走を祝うチームメンバーの姿はF1の風物詩であったが、今後は姿を消すかもしれない。F1レースディレクターのニールス・ヴィティヒは第3戦オーストラリアGPで「如何なる場合でも禁止」との通達を出した。
フェンスに登ってコース側に身を乗り出す行為は2006年以降、禁止されている。FIA国際スポーツ競技規則(ISC)付則H第2条3項2には「ピットウォールデブリフェンスに登ることは如何なる場合においても禁止される。この禁止事項に違反するチームの行為はスチュワードに報告される」と記されている。
ヴィティヒはオーストラリアGPのイベントノート第8条においてISC規定に触れ、ピットウォールに登ることはルール違反であると念を押した。違反した場合、罰金などのペナルティが科される恐れがある。
古くからあるルールを厳格に適用するという点では、昨年話題となったジュエリー着用禁止に続くものと言える。FIAは昨年、ドライバーの安全を守るべく、ヘルメットや耐火炎被服、HANS、安全ベルトなどと合わせて、競技中の装身具の装着に関するルールの取り締まりを強化した。
前戦サウジアラビアGPではセルジオ・ペレスがトップチェッカーを受けた際、レッドブルのチームメンバーがフェンスに登って祝福する姿があったが、スチュワードによる調査には至らなかった。
ISC規定で明確にされているのはフェンスに登る事だけであり、フェンスとフェンスの隙間から身を乗り出す行為については触れられていない。
ただ第2条3項2はそもそも「潜在的に危険なエリア」であるピットレーンへの立ち入りを制限するものであり、チェッカー後にガレージから飛び出し、ピットウォールに向かう行為自体が違反となり得る。