フェルナンド・アロンソのためのシートはない、とマクラーレン…F1復帰の可能性を否定
マクラーレンのザク・ブラウンCEOは、フェルナンド・アロンソがF1復帰を望んだとしても、そのためのシートを用意する事は出来ないと語り、冗談を装いながらも、マクラーレンでのF1復帰の可能性を否定した。
2度のF1ワールドチャンピオンは、史上二人目のトリプルクラウン獲得を目指して5月の第103回インディアナポリスに挑んだものの、予選落ちを喫してしまい決勝レースを走ることなく挑戦を終えた。
インディ500開幕直前の段階では、来季インディカー・シリーズへのフル参戦とF1復帰の可能性を仄めかしていたものの、予選バンプアウトを喫した後は一転していずれのオプションも否定している。
ウォーキングのチームは今年、カルロス・サインツとランド・ノリスを起用して新たなドライバーラインナップでシーズンに挑んだ。英国人ルーキーのノリスは、チームメイトのサインツが不運に見舞われる中、第2戦バーレーンGPで堂々の6位フィニッシュを果たし、第4戦アゼルバイジャンでも8位入賞を獲得。印象的なルーキーイヤーを過ごしている。
他方サインツは序盤3戦をノーポイントで終えた後、母国スペインを含むその後の3戦で連続入賞を果たしてドライバーズランキング7位。マクラーレンのコンストラクターズ・チャンピオンシップ4位に大きく貢献している。
ザク・ブラウンCEOは独Auto Motor und Sportとのインタビューの中で、アロンソがF1復帰のために電話してきたらどうするか?と問われると「まずはチェイス・キャリー(F1のCEO)に3台のマシンを投入して良いかを聞いてみる必要がある」と返し、アロンソのためのシートはないとの考えを明らかにした。
「我々は現在のドライバー達と長期契約を結んでいるし、その走りにも非常に満足している。幸運な事に、フェルナンドからの電話はまだない」
現時点ではアプローチがないとしても、仮にそういった電話がかかってきたらどうするのか?と重ねて問われると「我々のところには現在空いているシートはない」と答えた。
「ドライバー達は非常にうまくやってくれている。5割の確立でQ3に進出しているし、マシン開発という点でも素晴らしいフィードバックを返してくれる。それに、彼らは仲良くやっているから、互いにバトルをするような状況になったとしても何も恐れずに済む」
前戦カナダGPでは、直近のライバルであるルノー勢がダニエル・リカルド、ニコ・ヒュルケンベルグ共にポイントを獲得。対照的に、マクラーレンは手ぶらでファクトリーに戻ったため、13ポイントの得点差は一気に2ポイントへと縮まった。
アロンソはWECスーパーシーズン最終ル・マン24時間レースを最後にTOYOTA GAZOO Racingを離れるが、ハイパーカー規定への興味を口にし、これが導入される2021年以降に再び耐久レースの最高峰シリーズにカムバックしたいとの意向を示している。一方、800馬力を超える新型「セナ」を発売したばかりのマクラーレンもまた、新時代のWEC参戦に興味を示しており、両者はF1ではなくWECで手を組む可能性もありそうだ。