インタビューを受ける予選6番手のジョージ・ラッセル(メルセデス)、2025年9月6日(土) F1イタリアGP(モンツァ・サーキット)
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ラッセル、無線の”食い違い”に「不満が残る」―異例の戦略でQ1最速も一転、Q3で伸び悩み6番手

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ジョージ・ラッセル(メルセデス)は、タイヤコンパウンドを巡る無線での誤解により、本来のパフォーマンスを発揮できなかったと考えており、2025年F1第16戦イタリアGP予選の結果について「不満が残る」と認めた。

メルセデスは予選Q1でミディアタイヤを投入するという異例の戦略を採用した。ラッセルはソフト勢を上回ってタイムシートのトップに立ち、ミディアタイヤに手応えを得ていた。

ところがQ3では自身の予想に反してソフトタイヤを履かされ、6番手に終わった。ルイス・ハミルトン(フェラーリ)にペナルティが科されるため決勝は5番手スタートとなるが、ラッセルは「Q3では明らかに力を出し切れなかった」と悔しさを隠さなかった。

「このセットを温存」から生まれた誤解

Q1を終えたラッセルは、使用したミディアムを後のセッションでも活用したいと考え、レースエンジニアのマーカス・ダドリーに「このセット、温存する?」と確認。ダドリーが「そうだね」と応じたことで、ラッセルはQ3もミディアムを使えると受け止めていた。

だがQ2とQ3の1回目のラップではソフトが装着された。ラッセルは最終アタックを前に「計画通りで行こう」と改めて確認したが、「ミディアム」とは明示しなかったため、誤解が解けることはなかった。

Q3の最終アタック直前、ラッセルはガレージを出る際に「ソフトが付いてるけど?」「僕はミディアムって言ったんだけど?」と不満を漏らしたが、タイヤを交換する時間的余裕は残されていなかった。

結局ラッセルはソフトで計測を開始したが、自己ベストを更新できず6番手に甘んじた。チームメイトのアンドレア・キミ・アントネッリも7番手にとどまり、メルセデスは期待された上位を逃した。

「もっと上を狙えたはず」厳しい決勝を見据え

セッション後、ラッセルは「Q3でどのタイヤを使うかについて意思疎通に行き違いがあった」と悔やんだ。ただ、それが最終的な結果にどれくらい影響したかについては分からないとも認めた。

それでも「僕はQ1でミディアムを履いて最速、Q2ではキミ(アントネッリ)がソフトで2番手につけていたから、本来であればもっと上の結果を狙えたはずだ」と語り、何らかの要因で本来のパフォーマンスを発揮できなかったのは明らかだと主張した。

決勝については「ここは誰もがローダウンフォースのウイングを使っているからオーバーテイクが難しい。僕の前にはシャルル(ルクレール)がいるけど、フェラーリはストレートでかなり速そうだ。だから前に出るには訪れたチャンスを逃さず活かさなきゃならない」と語った。


2025年F1イタリアGP予選では、マックス・フェルスタッペンがマクラーレン勢を僅差で退けポールポジションを獲得する結果となった。

決勝レースは日本時間9月7日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周5793mのモンツァ・サーキットを53周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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