F1中国GPで優位に立つのはフェラーリ?それともメルセデス?
開幕前の下馬評とは裏腹に、2戦を終えたF1サーカスではメルセデスがフェラーリを大きく上回る大量ポイントを得てチャンピオンシップをリードしている。第3戦中国GPではどちらが優位に立つのだろうか?
オーストラリアでは見る影もなく力を失った跳馬は、第2戦バーレーンGPで問題を収束させ、公式予選でシルバーアローを圧倒しフロントローを占拠した。だが、日曜のレースではセバスチャン・ベッテルがミスによって戦線を離脱。トップを快走していたシャルル・ルクレールは、インジェクション・ユニットの電気ショートによって優勝を逃した。
対するメルセデスは一切ミスをすることなく、ライバルの失態によって転がり込んできたチャンスをものにして1-2フィニッシュ。2レースを終えて39ポイントもの大量リードを築き上げたが、メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ウォルフは、リザルトは事実を代弁していないと主張する。
「2019年シーズンの2レースが終わった。結果を見れば我々が強い立場にいるように見るかもしれないが、真実はそうではない」
「バーレーンでのフェラーリは予選でも決勝でも非常に強く、我々は彼らほどの速さを持っていなかった。ストレートでのパフォーマンスは驚異的で、1周あたりコンマ数秒も上乗せしていた」
V6ハイブリッド時代において、上海インターナショナル・サーキットはメルセデスにとって鉄壁の牙城であり続けた。それは、このコースが強力なパワーユニットを持つ者に栄冠を与えたがる習性を持つからだ。だが、今季フェラーリ製PU「064」は、バーレーンの予選リザルトが物語るように、メルセデスを凌駕しかねない破壊力を秘めている。
空力面に対するレギュレーション変更によって、今シーズンのF1マシンはセットアップとタイヤの両面でウインドウが狭く、スイートスポットに入れ込むのが困難になっている。その問題が最も顕著に表れているチームがレッドブル・ホンダだ。だが、フェラーリはメルボルンで抱えていたマシンバランスの問題への解決策を見出し、それが正しい事を中東で証明してみせた。
中国でフロントランナー足り得るかどうかの鍵の一つを握るのがフロントタイヤだ。ホームストレート直後に控える複合コーナーやターン12では、左前輪タイヤに大きな負荷がかかるため、グレイニングが発生しやすい。表面が”ささくれ”てしまったタイヤはグリップが大幅に低下。予選では特に致命傷となる。
「上海はメルボルンやバーレーンとは異なる特性を持つトラックだ」とフェラーリのマッティア・ビノット代表。「このコースには非常に長いストレートとコーナーがあり、フロントエンドに膨大な負荷がかかる事になる」
「我々は、バーレーンで発生した信頼性の問題を再発させる事なく、SF90がこのタイプのトラックにおいても競争力があることを確認したいと考えている」
フェラーリかメルセデスか? マシンのパフォーマンスが接近すればするほど、タイヤマネジメントを制するものが上海を制する事になるだろう。