角田裕毅「かなりキツかった」決勝での挽回にも悲観的―”奇妙な問題”解決できず最下位

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2025年F1第9戦スペインGPで予選最下位に終わった角田裕毅(レッドブル)は、初日から抱えていた「奇妙な問題」を解決できなかったとし、決勝レースでの巻き返しにも悲観的な姿勢を見せた。

角田はQ1の1回目の計測ラップを終えて19番手。最終アタックでは自己ベストを更新したものの、結果は20番手最下位に終わった。2番手通過のチームメイト、マックス・フェルスタッペンとは0.587秒、トップ通過のオスカー・ピアストリ(マクラーレン)からは0.834秒の差をつけられた。

この結果がより深刻だったのは、角田自身が、他車の妨害も自身のミスもなく、少なからず手応えのある走りができたと感じていた点にある。Q1でノックアウトされた直後、角田は無線で落ち着いた口調のまま「今のは本当にクリーンなラップだった」とチームに伝えていた。

予選後、角田は次のように振り返った。

「かなりキツかったです。週末を通してずっと、何とかこの問題を解決しようとしてきたのですが……FP1の時点から何かおかしくて、とにかくグリップがありませんでした。できる限りのことを試してみたのですが、正直、解決できなかったと思います」

20番手でQ1敗退を喫した後、クルマを降りてピットレーンを歩く角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年5月31日(土) F1スペインGP予選(バルセロナ・カタルーニャ・サーキット)Courtesy Of Red Bull Content Pool

20番手でQ1敗退を喫した後、クルマを降りてピットレーンを歩く角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年5月31日(土) F1スペインGP予選(バルセロナ・カタルーニャ・サーキット)

この問題の原因について、角田は「セットアップの範囲にはない」と見ている。

「どんなにセットアップを変更しても、常にちぐはぐな感触があって、前進できている感じはなかったです」

「本当に残念です。ラップそのものは悪くなかったですし、どのラップでも特に大きなミスはなかったです。たとえタイヤを3セット使ったとしても、大差はなかったと思います」

決勝に向けては、ピットレーンスタートを覚悟の上でセットアップを変更することも選択肢となるが、角田は改善にはあまり期待していない様子だ。問題はロングランペースにも及んでおり、巻き返しは困難との見方を示している。

「問題は、ロングランペースにも及んでいるということです。FP2のロングランは本当に酷かったです。走っていて全然、手応えがありませんでした。今のところは、とにかくタイヤの消耗が激しいクルマだな、という印象です」

「毎周、何をやってもタイヤが劣化してしまう状況で……。セットアップ変更で少しでもいい方向に向かってくれればと思っていますが、正直、あまり期待はしていません」

レッドブルはFP2でミディアムタイヤとソフトタイヤの両方を用いてロングランを実施したが、いずれのコンパウンドにおいても角田は、フェルスタッペンに対して1周あたりおよそ1秒の差をつけられていた。


2025年F1スペインGP予選では、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手にランド・ノリスが続き、マクラーレンが最前列を独占した。3番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続いた。

決勝レースは日本時間6月1日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,657mのカタロニア・サーキットを66周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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