途方に暮れる角田裕毅―現状のままだと「本当に厳しい」現実と感覚にズレ、一方でフェルスタッペンは一定の手応え

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2025年F1第9戦スペインGPの初日フリー走行で角田裕毅(レッドブル)は、自身の感触とは裏腹に13番手に沈んだ。FP1では9番手につけ、ポジティブな兆しを見せたが、FP2ではグリップ不足を訴え、結果として後退を余儀なくされた。

角田はセッション後、「正直、他のグランプリの初日と比べたら、FP1からFP2にかけて前進できたと思いますし、自分の感覚としてはかなりスムーズだったと思います」とした上で、「それだけに、ここまで差が出るとは思っていませんでしたし、正直、どうして遅いのか全然、分からないんです」と困惑を隠さなかった。

「もちろん、100%というわけではありませんが、FP2のラップもかなり良かったという手応えがありました」

「何が制約になったのか、正確に特定するのも難しい状況で、バランス的には問題ないのですが、…改善点を探る必要があります。今のところ、…苦しい状況です」

マシンバランスに大きな問題はなく、ラップの感触も良かったというが、タイムシート上では13番手。さらにトップタイムとの差は約0.9秒と、セッション間での改善も見られなかった。

チームメイトであるマックス・フェルスタッペンとの差も拡大しており、FP1では0.558秒差だったものが、FP2では0.613秒に広がった。

角田は、仮に自身のミスが原因でパフォーマンスが振るわなかったのであれば納得できるとしつつ、そうでない状況だからこそ、現在のままでは「本当に厳しい」と本音を漏らした。

「…何か問題点が見つかればいいのですが、そうでないと本当に厳しいですね。…特に大きなミスをしたわけでもないのに、、ライバルチームと比べてかなり遅れを取っている状況なので」

「もし自分のミスで遅れたなら、それはそれで納得できますし、むしろ気が楽なのですが、そういう状況ではありません」

また、「…たぶん、いつもより長い夜になると思います。全力で解決策を探すつもりですが、今のところは、まだはっきりしていません」と語り、チームとともに問題の解明に取り組む姿勢を示した。

カタロニア・サーキットのパドックを歩く角田裕毅(レッドブル・レーシング)の父・角田信彰さん、2025年5月30日(金) F1スペインGPフリー走行Courtesy Of Red Bull Content Pool

カタロニア・サーキットのパドックを歩く角田裕毅(レッドブル・レーシング)の父・角田信彰さん、2025年5月30日(金) F1スペインGPフリー走行

一方で、FP1で2番手、FP2で3番手につけたフェルスタッペンは、比較的ポジティブな手応えを得ていた。

「今日はかなり暑くて、特にタイヤには厳しいコンディションだったけど、まあ悪くない金曜日だった。もっとひどい金曜日もあったからね」と語り、「クルマに関しては、まぁ少しは満足できたかな。まだ理想には届いてないけど、若干ポジティブな感触だったのは確か」と総括した。

なお、今大会から導入されたフロントウイングの剛性検査については、「タイムシートを見れば分かるけど、あまり変わってないよね? 僕としても、そこまで大きな変化があるとは思ってなかったけど」と述べ、勢力図への影響はほとんどないとの見方を示した。


2025年F1スペインGPの初日FP2をトップで締め括ったのはオスカー・ピアストリ(マクラーレン)。2番手ジョージ・ラッセル(メルセデス)を0.367秒差で退けた。3番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続く結果となった。

FP3は日本時間5月31日(土)19時30分から、公式予選は同23時から1時間に渡ってカタロニア・サーキットで開催される。セッションの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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