
角田裕毅「結局は経験が物を言う」スペインGPを前に自己分析
レッドブル・レーシング昇格から6戦を消化した角田裕毅。戦績は決して華々しいものではないが、リザルトには現れない部分で着実に前進している。本人は現在の課題を「経験の差」と分析する。
モナコGPでの苦戦とランキング後退
前戦モナコGPでは予選で下位に沈んだ。抜けないモンテカルロでの大幅なポジションアップは困難であり、1周目にピットストップを行う賭けに出たものの、レース展開がそれを後押しすることはなく、3戦ぶりのノーポイントに終わった。
この結果、ドライバーズ・ランキングでは姉妹チーム、レーシング・ブルズのアイザック・ハジャーに抜かれ、13位まで後退した。
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ピットストップを行う角田裕毅(レッドブル・レーシングRB21)、2025年5月25日(日) F1モナコGP決勝(モンテカルロ市街地コース)
まだ学習途上、VCARBでの4年間との違い
第9戦スペインGPを前に角田は、現在の適応状況について問われ、「自信を含め、まだあらゆる面において、積み重ねている段階です」と説明した。
「クルマに対する理解は深まってきていますが、コンマ数秒、数ミリ秒を争う場面においては、特に路面が進化する状況では、自然と理解できていることが求められると思います」
セットアップ変更に伴うクルマの挙動に対する理解も課題の一つだという。
「セットアップを変えた時に、どういうバランスになるのかをちゃんと把握しておきたいのですが、新しいクルマなので、それがまだ正確には分からないんです」
「こういう部分は結局のところ、経験が物を言うことになります」
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ドライバーズ記者会見で話す角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年5月29日(木) F1スペインGP(カタロニア・サーキット)
角田は以前のチームでの経験と現在の状況を比較し、経験値の重要性を強調した。
「過去4年、VCARBにいた時は、(変更によりクルマの挙動が)どうなるかを正確に理解できていたので、特に考えなくても自然に反応して速く走れていました。なので、経験を積めば、いずれ対応できるようになると思います」
イモラでの教訓とモナコでの手応え
エミリア・ロマーニャGPでは予選でクラッシュを喫し、RB21に対する理解不足が浮き彫りとなった。
「イモラでの出来事で、自分が今どれくらい理解できているかを再確認できましたし、正直、そういった部分の重要性を少し甘く見ていた部分もあったかもしれません」
「とは言え、別に自信を失ったわけではありませんし、時間をかけて積み上げていけば、そのうちちゃんと仕上がると思います」
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クラッシュした角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年5月17日(土) F1エミリア・ロマーニャGP予選Q1
一方で、モナコでは予選までのペースに手応えを感じていたという。
「正直、モナコに関しては、予選まではかなり良かったんです。赤旗があったり、いろいろ計画通りにいかないこともありましたが、そういうものだと思いますし、もう少し上手くやれたラップがあったのも確かで、そういう意味では予選は特に僕にとって、本当に厳しいものでした」
「ただ、FP2やFP3までは、かなり接近できていましたし、正直、ペース的に言えばここまでで一番良かったかもしれません。なので、少しずつ良くなってきています」
スペインGPへの意気込み
カタロニア・サーキットはレッドブルにとって相性の良いコースで、マックス・フェルスタッペンは過去3大会連続で優勝し、表彰台獲得も7シーズン連続となっている。
スペインGPでの見通しについて角田は「レッドブルが過去にここで強かった印象はありませんが、マックスが4回も勝ってるって今聞いて、良いニュースだなと。でも僕はマックスではなく、自分自身に集中していきます」と前向きに語った。
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ファンと交流する角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年5月29日(木) F1スペインGP(カタロニア・サーキット)