
マクラーレン失速に非ず―ホーナー語る“真のイモラ勝因”、角田については「素晴らしい強壮剤」
レッドブルが前戦エミリア・ロマーニャGPで見せた競争力の背景には、2つの技術指令、そしてRB21に施された2戦連続のアップグレードといった複数の要因がある。中には「マクラーレンの失速」が理由だとする見方もあるが、チーム代表のクリスチャン・ホーナーはこの解釈を否定した。
イモラ勝利、要因はマクラーレン失速に非ず
マックス・フェルスタッペンはイモラ・サーキットでポールポジション争いを演じ、レースではタイヤのデグラデーションに課題を抱えることもなく、安定的にペースを発揮。マクラーレン勢を引き離して逆転優勝を飾った。
モナコGPの初日を前にホーナーはモンテカルロでイモラの週末を振り返り、技術指令がマクラーレンに影響を与えたかどうかについて、「他のチームのことを判断することはできない」と前置きしつつも、「マクラーレンがペースを失ったとは思わない。むしろ我々がペースを見つけ出したのだと思う」と強調した。
ただし、この結果がレッドブルの”完全復活”を意味するとは考えておらず、「これは本当に、本当に励みになった。モナコに向けてというよりは、今後のいくつかのレースに向けて、という点でね」と述べ、シーズンの展開は依然流動的であるという認識を示した。
角田裕毅の巻き返し「素晴らしい強壮剤」
ホーナーはまた、イモラでピットレーンスタートから10位フィニッシュを果たした角田裕毅の走りについても言及し、「素晴らしい強壮剤になったと思う」と評価。劣勢を覆してのポイント獲得という結果は、今後に向けて精神面にも前向きな影響を与えたとの見解を示した。
「予選での大クラッシュの後、彼が無事にクルマから降りれてホッとしたし、そういう状況のなかで一番の立ち直り方は、まさにああいう走り、ピットレーンスタートからのポイント獲得だったと思う」
「あのポジションから追い上げるのは本当に難しい。実際、先週末はオーバーテイクがほとんど見られなかった。そんな中で巻き返せたのは、自信という点で彼にとって大きな意味があると思う」
モナコは未知数「本当に熾烈な接戦になる」
今週末のモナコGPについてホーナーは、エミリア・ロマーニャGPの舞台であるイモラ・サーキットとは対照的なコース特性に言及し、フェラーリやメルセデスの台頭を予想した。
「ここには高速コーナーがないし、路面はバンピーで、縁石もある。今週末はイモラとは異なる挑戦になる」
「正直、どうなるかは分からないが、今年見てきたようにフロントロー争いは0.1秒未満という状況が続いている。だから、今回も本当に熾烈な接戦になると思う」
「いくつかの番狂わせもあるかもしれない。メルセデスが速い可能性もあるし、フェラーリは縁石の乗り越え方がとてもスムーズで、バンプでも非常に安定している。それにシャルル(ルクレール)もルイス(ハミルトン)もここで強さを発揮してきた。だから、彼らは今週末の鍵を握る存在になるかもしれない」