12番手でのQ2敗退を経てピットレーンを歩く角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年5月24日(土) F1モナコGP予選(モンテカルロ市街地コース)
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角田裕毅「最終周だけの話じゃない」謎めくQ2敗退無線、マルコは”部分”擁護

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2025年F1第8戦モナコGPの公式予選で12番手にとどまり、Q2敗退を喫した角田裕毅(レッドブル・レーシング)は、無線を通して「本当に不公平だよ。こうなることは分かってた」と強い不満を吐露したが、予選後のインタビューでは詳細を説明することを拒み、事態の真相は明かされなかった。

Q1では1分11秒076を刻んで10番手に滑り込み、難なくQ2に駒を進めた角田だが、Q2では思わぬ混乱に巻き込まれた。セッション序盤、ジョージ・ラッセル(メルセデス)がトンネル内でマシンを停止。これにより赤旗が提示され、ランプランが大きく崩れた。

セッション再開後、新品ソフトを投入した最終ランの1回目に暫定10番手を記録したが、その後の最終ラップでは自己ベストを更新できず。結果、姉妹チームのレーシング・ブルズ勢に蹴落とされ、最終12番手で予選を終えた。僚友マックス・フェルスタッペンとの差は0.540秒だった。

予選後、無線での発言について問われた角田は、「最後のアタックラップだけの話じゃなくて、Q2の最初から始まっていたことなんです。でも大丈夫です。何が起きたのか、自分では分かっていますし、ここで話す必要はないと思っています」と語り、詳細を明かそうとはしなかった。

ただし、不満の矛先はチームに向けられている可能性がある。一件について「チームと内々で話し合うべき内容なのか?」と問われた角田は、再び詳細には踏み込まず、否定もしなかった。

チームメイトのマックス・フェルスタッペンはQ3に進出したが、それでもポール争いに足る競争力はなく、5番手にとどまった。

独専門メディア『Motorsport-Total』によると、明暗分かれたチーム内の成績について、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、角田を部分的に擁護する姿勢を見せた。

マルコは、前戦エミリア・ロマーニャGPでの予選クラッシュの影響により、角田が旧仕様のノーズとフロアを使用していることに触れ、「公平に言えば、彼はマックスと同じ仕様のマシンではなかった」と述べ、「ただし、それはイモラでの大きなクラッシュが原因だ」と続けた。また、「我々は彼がQ3に進出すると期待していた」とも語った。

姉妹チームの2台が角田に代わってQ3に進出したことについては、「レーシング・ブルズのマシンが速く、レッドブル・レーシングのマシンと比べて相対的にドライブしやすい」ということを示すものだと指摘した。

モナコはオーバーテイクが非常に困難なことで知られており、予選順位が決勝結果を大きく左右する。12番手スタートとなる角田にとっては厳しい展開が予想されるが、「ポイントを獲得するためにベストを尽くします」と語り、巻き返しへの意欲を見せた。

予選順位が決定的に重要であることは確かだが、絶望する必要はないかもしれない。今年のモナコGPでは2ストップ義務化ルールが採用されるため、戦略による逆転のチャンスは例年より遥かに広がることになる。


2025年F1モナコGP予選では、ランド・ノリス(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手はシャルル・ルクレール(フェラーリ)、3番手はオスカー・ピアストリ(マクラーレン)という結果となった。

決勝レースは日本時間5月25日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周3340mのモンテカルロ市街地コースを78周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNフジテレビNEXTで生配信・生中継される。

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