
ハジャーとの交代論、角田裕毅の将来にホーナー言及―レッドブルでの課題と展望
2025年F1第9戦スペインGPの初日、レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、角田裕毅の将来について明確な支持を表明。アイザック・ハジャーとの交代を検討するのは時期尚早だと強調した。
高まる交代圧力の背景
角田はそのポテンシャルこそ評価されているが、結果には結びついておらず、彼を取り巻く状況は決して楽観視できるものではない。
一方、姉妹チームのレーシング・ブルズでは新人ハジャーが目覚ましい活躍を見せており、前戦モナコ終了時点でドライバーズ・ランキングにおいて角田を抜き去った。
パドック内外での評価が高まり続けているだけでなく、レッドブルのモータースポーツ・アドバイザーを務めるヘルムート・マルコもその活躍を大絶賛しており、交代を巡る議論は徐々に勢いを増している。
こうした状況を受け、2025年シーズン後半、あるいは2026年シーズン開幕からの角田とハジャーの交代の可能性について問われたホーナーは、次のように答えた。
「ユーキはまだ昇格したばかりで、チームに適応している最中だ」
その上でホーナーは、角田の実績を具体的に挙げて擁護した。Q3進出やポイント獲得、さらにはピットレーンスタートという不利な状況からでも結果を残していることを評価し、「いくつかのインシデントもあった。だから道のりはまだ長い。ただ、決定までの時間はまだ十分にある」と交代論議を牽制した。
「自信」がカギを握る現状
より興味深いのは、ホーナーが角田の課題を、能力や資質ではなく「自信」の問題として捉えている点だ。角田が自信を失っている可能性について問われると、ホーナーは明確な方針を示した。
「我々にできるのは、時間とサポートを与えること、そして彼が自信を持てるセットアップを提供することだけだ」
さらにホーナーは、現代F1における「自信」の重要性について次のように語った。
「この手のマシンをドライブするうえで最も大切なのは自信だ。彼に必要なことはそれだ。でも、彼ならできると思う。速さはあるわけだから、あとは全部をひとつにまとめるだけだ」
ホーナーの発言で最も注目されるのは、角田の能力に対する信頼だ。これまでに「幾度となく見せたパフォーマンスの片鱗」を評価し、「あとはそれを一貫して発揮できればいい。彼にはそれに足る能力があると思ってる」と期待を寄せた。