
ホーナー「普通じゃない」大差で遅れた最下位角田、一方で”再現”に期待も
2025年F1第9戦スペインGP予選で20番手最下位に沈んだ角田裕毅。この結果を受け、レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーは「あれだけ遅れるのは普通じゃない」と述べ、車体が損傷していた可能性を指摘。詳細な分析を行う方針を明らかにした。
調整も実らず、最下位に
今週末の角田は、セッションを重ねるごとにチームメイトとの差が拡大する苦しい状況が続いていた。チームはダウンフォースを増やす方向で角田のマシンに調整を施したが、結果は予選最下位。一方、チームメイトのマックス・フェルスタッペンは、ポールを獲得したオスカー・ピアストリ(マクラーレン)から0.302秒遅れの3番手に入った。
角田は予選後、「ラップ自体は悪くなかった」と語り、初日から抱えていた“感触と実際のラップタイムの間にギャップがある”という問題が依然として解消されていないことを明かした。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
20番手でQ1敗退を喫した後、ピットレーンを歩く角田裕毅(レッドブル・レーシング)、2025年5月31日(土) F1スペインGP予選(カタルーニャ・サーキット)
Q1でのフェルスタッペンとの差は0.587秒。マシンに何らかの大きな問題がなければ、説明しにくいタイム差だった。この状況を受けホーナーは、車体が何らかのダメージを負っていた可能性に言及した。
「今はまだ良くわかっていないから、ちゃんと確認する必要がある。実際、彼自身『ラップは悪くなかった』と言っていたしね」
「確かに週末を通してずっと苦戦していたけど、もしかしたら予選中に何かダメージを負ったのかもしれない。何しろ、あれだけ遅れるのは普通じゃないからね」
予選Q1で角田は、縁石に乗り上げた直後にフロアの確認を無線で依頼していたが、セッション直後の時点では、それが今回の不振に影響したかどうかについては判断を保留した。
「正直、分かりません。ダメージがあったのかどうかは、これから確認します。ただ、そこまで極端な感じはなかったですし、許容範囲内という印象でした」
「それに、(FP1の)1周目からそもそもペースがなかったので、途中で急にパフォーマンスが低下したというわけでもありません」
シート争いの重圧下で
今週末は、角田にとって精神的にも厳しい展開となった。アイザック・ハジャー(レーシング・ブルズ)との交代の可能性についてホーナーに質問が及ぶなど、シート維持に関する憶測が広がる中での予選最下位という結果だった。
予選での結果が振るわなかったことで、角田はプレッシャーを感じているのでは?との質問に対し、ホーナーは「F1では常にプレッシャーがかかるものだ」と前置きしつつ、角田への信頼を明言した。
「でも、巻き返してくれるはずだ。2週間前のイモラでもピットレーンスタートからポイントを獲ったし、今回も同じようにやってくれると期待してる」
角田は決勝で巻き返しを果たせるのか。イモラで見せた底力の再現に期待がかかる。
Courtesy Of Red Bull Content Pool
レッドブル・レーシングのチーム代表クリスチャン・ホーナーと角田裕毅、2025年5月24日(土) F1モナコGP予選(モンテカルロ市街地コース)
2025年F1スペインGP予選では、オスカー・ピアストリ(マクラーレン)がポールポジションを獲得。2番手にランド・ノリスが続き、マクラーレンが最前列を独占した。3番手にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が続いた。
決勝レースは日本時間6月1日(日)22時にフォーメーションラップが開始され、1周4,657mのカタロニア・サーキットを66周する事でチャンピオンシップを争う。レースの模様はDAZNとフジテレビNEXTで生配信・生中継される。