ダニエル・リカルド、F1シンガポールGP予選失格処分…ルノー製MGU-Kに規定違反が発覚
ルノーのダニエル・リカルドは、21日行われたF1第15戦シンガポールGP予選で8番手につけたものの、マシンにレギュレーション違反が発覚したため、セッション終了後に予選失格処分となった。
予選終了後、リカルドが駆る3号車 R.S.19に搭載されたMGU-Kが、Q1セッション中にテクニカルレギュレーション(第5条2項2)で許可された以上の出力を発揮していた事が発覚。リカルドはチーム代表者及びFIAのテクニカル・デリゲードと共にスチュワードに召喚され、審議の結果、予選失格処分が言い渡された。
MGU-Kは運動エネルギーを回生するハイブリッドシステムであり、ブレーキングの際に生成されたエネルギーを電力へと変換。それを駆動力とする仕組みだ。規約ではMGU-Kの最大出力を120kW(約160馬力)に制限しているが、ルノーのMGU-Kは、縁石にぶつかった際に瞬間的にオーバーレブとなり、これを上回るパワーが発生したようだ。
FIAの発表によれば、ルノー側は「超過エネルギー量は限定的で、これによる現実的な利益はなかった」と自己弁明したものの、あまりにも周知のルールであるため解釈の余地はなく、指摘された事実に関しては全て認めたという。ルノーは、上訴しない意向を示している。
予選資格抹消を受けて、チームはレーススチュワードに出走許可をリクエスト。フリー走行中のタイムを鑑み許可が降りたため、リカルドはパルクフェルメ規定を破らぬ限りは、最後尾20番グリッドからスタートする事になる。
マリーナ・ベイ・ストリート・サーキットはトラックポジションが極めて重要であるため、本ペナルティはリカルドに対して、事実上のポイント圏外フィニッシュを命じるに等しい意味を持つ。ルノーはパワーユニット供給先のマクラーレンを13ポイント差で追いかける立場にあり、今回の裁定は極めて大きな痛手と言える。