スチュワード
スチュワードとはレース審査員の事で、インシデントの調査を行い、ペナルティーの有無や内容を判断するのが役割。
F1においては各イベント毎に国際自動車連盟(FIA)指名の3名(レース主催国以外の国籍保持者)とレース開催国のモータースポーツ管轄団体(ASN)が指名する1名から成る。いずれもFIAスーパーライセンスの所有者でなければならない。
なおスチュワードの判断に一貫性がないとの批判を受け、FIAは2010年より3名の内の1名をレース経験を持つドライバーとする事を決定した。
これまでに以下のような面々がドライバースチュワードを務めている。
- デレック・デイリー
- トム・クリステンセン
- エマニュエル・ピロ
- デレク・ワーウィック
- ミック・ドゥーハン
- エマーソン・フィッティパルディ
- アラン・ジョーンズ
- ナイジェル・マンセル
- ヴィタントニオ・リウッツィ
インシデントの判断指針
長年の通例として、インシデントによる「結果」はペナルティ裁定の判断材料であってはならないとされる。
これは2021年のF1イギリスGP決勝で発生したマックス・フェルスタッペン(レッドブル・ホンダ)とルイス・ハミルトン(メルセデス)のクラッシュを経て、FIAレースディレクターを務めるマイケル・マシが明らかにしたものだ。
マシは「インシデントにおける判断を下す際に結果を考慮してはならない」「判断する際にはインシデントの事実的側面を判断すべきで、結果としてその後に起こることは考慮しない」と説明した。
「これはスチュワードが長年に渡って取り組んできた事であり、トップダウンでアドバイスがなされてきた事でもある。(考慮してはならないのは)チームの関与などもそうだ」
「結果を判断材料としないのは、そうしてしまうとあまりにも多くの変数が絡んでくるため、事件そのものを判断する事ができなくなってしまうからだ」