ホンダF1、パワー感度低いモンテカルロに出陣「車体だけでなくエンジン性能も重要」F1モナコGP《preview》
ホンダF1の現場統括責任者を務める田辺豊治テクニカル・ディレクターが、2019年FIA F1世界選手権第6戦モナコGPに先立って抱負を語った。
モナコGPの戦いの舞台となるのは伝統のモンテカルロ市街地コース。全長は3,340mで平均速度は僅か時速130kmと、カレンダー最短にして最遅のドライバーズサーキットとして知られる。
そのため、パワーエフェクト=エンジン馬力がラップタイムに与える影響は小さいものの、道幅が狭いことに加えてランオフエリアが存在しない事から、ミリ単位の精度あるドライビングが必要とされるため、パワーユニットに高いドライバビリティが求められる。
ホンダF1はトロロッソに単独供給していた昨年、ピエール・ガスリーが予選10番手からスタートして7位に入賞を獲得。混戦のミッドフィールドを制して見事6ポイントを持ち帰った。
5戦を消化してレッドブル・ホンダはコンストラクターズ3位。一方で、スクーデリア・トロロッソは高い競争力を示しつつも噛み合わず、ランキング9位に留まっている。
車体だけでなくエンジン性能も重要
田辺 豊治ホンダF1現場責任者
開幕から続いたフライアウェイレースからヨーロッパへと戻り、初戦のスペインGPでは表彰台を獲得しました。次はいよいよ伝統のモナコGPに挑みます。モンテカルロ・サーキットはモナコの街中を駆け抜ける言わずと知れたストリートサーキットです。F1カレンダー中では最も一周が短く、平均スピードが低いトラックになります。
公道のため路面は滑りやすく、狭いコースの両側にはバリアが迫ることもあり、ドライバーの腕が最も試されるグランプリと言えます。低速コーナーが多くシャシー性能が求められるコースではありますが、パワーユニットの性能がラップタイムに与える影響も見逃せません。コーナー進入時の減速や、低速コーナーからの立ち上がりなど、PUのドライバビリディーは依然として重要です。
そのコース特性ゆえにオーバーテイクが非常に困難ですので、まずは良いスタートポジションを獲得する事が目標です。スペインで得た勢いを維持しながら、今回もいい結果を得られればと思っています。
昨年のグランプリでは、当時レッドブルにいたダニエル・リカルドがポール・トゥ・ウイン。タイヤ消耗戦を制して悲願のモナコウィナーに輝いた。2位表彰台にはセバスチャン・ベッテル(Ferrari)、3位に滑り込んだのはルイス・ハミルトン(Mercedes)。表彰台の3台は、スターティング・グリッドと全く同じ顔ぶれ・並び順となった。
第66回F1モナコGPは、日本時間2019年5月23日木曜18時からのフリー走行1で幕を開ける。