マクラーレン・ホンダ時代 2017年のジェンソン・バトンcopyright Honda

ホンダF1 復帰後初優勝を称えるマクラーレンと旧知のドライバー達、宿敵メルセデスも祝福

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ホンダF1の”暗黒期”とも言える2015年から2017年までの3年間に渡って、共にF1世界選手権を戦った英国ウォーキングに本拠を構えるマクラーレン・レーシングのザク・ブラウンCEOが、オーストリアGPでのホンダのF1復帰後初優勝を祝福した。

世界的なエコ化の流れに同調する形で訪れた1.6リッターV6ハイブリッド時代。新時代の幕開けから一年後の2015年、ホンダはエンジンサプライヤーとして再びF1へと復帰し、二人のF1ワールドチャンピオン経験者に更なる勝ち星を与えるべく奮闘した。

マクラーレンのザク・ブラウンCEOとチーム代表のアンドレアス・ザイドル
© Mclaren / マクラーレンのザク・ブラウンCEOとチーム代表のアンドレアス・ザイドル

だが、パワーと信頼性の双方でライバルに大きく遅れを取り、提携3年目には身内であるはずのマクラーレンが、メディアを使った厳しいバッシング・キャンペーンを展開。関係は修復不可能なほどに悪化し、両者は2017年末を以て袂を分かつ事となった。離縁から1年半。先にポディウムの頂点に立ったのはホンダだった。

「今日のオーストリアGPでのホンダの成功を祝福したい」とザク・ブラウンCEO。「一企業としての本田技研工業にとっても、F1というこのスポーツにとっても素晴らしい事だ」

マクラーレン・ホンダ時代に苦楽を共にした2009年のF1ワールドチャンピオン、ジェンソン・バトンも、ホンダに拍手を送った。長谷川祐介総責任者に代わって、2018年よりホンダのF1プロジェクトを率いている田辺豊治テクニカル・ディレクターとは、BARホンダ時代のエンジニアとドライバーという間柄だった。

「ホンダにとってのハイブリッド時代の初優勝だ」とジェンソン・バトン。「心からお祝いしたい!2006年に一緒に優勝して以来の勝利だね。オメデトウ!」

「田辺さんの事を誇らしく思うよ。彼は15年前に僕のエンジン・エンジニアを務めてくれた仲だからね!彼が責任者としてホンダを引っ張っている姿が見られるなんて本当に素晴らしい」

ハイタッチするジェンソン・バトン
© Honda / マクラーレン・ホンダ時代のジェンソン・バトン

BARでバトンのチームメイトを務め、2017年のインディ500で田辺豊治テクニカル・ディレクターと共に勝利を掴んだ佐藤琢磨も、自身のTwitterアカウントから慶びのメッセージを発した。

「田辺さん、やったね‼️ 本当に嬉しいです‼️ おめでとうございます‼️」

公にホンダへの敬意を口にしたのは、かつての仲間だけではない。ハイブリッド時代の絶対王者として君臨するメルセデスAMGのチーフレースエンジニアを務めるアンドリュー・ショブリンもまた、ライバルの健闘を讃えた。

「ホンダがこのスポーツにカムバックして以来、初めての勝利を目撃出来て嬉しく思う。彼らはこのために必死に取り組んできたわけだから、この瞬間を楽しんで欲しいと思ってる」

今回表彰台の頂点に上がったのはレッドブルだが、シニアチームのスクーデリア・トロロッソの献身的なサポートがなければ、この勝利は存在し得なかった。トロロッソはレッドブルに先んじてホンダと契約し、”モルモット”としてホンダのエンジン開発を支えてきた。

ホンダの田辺豊治とトロ・ロッソのフランツ・トスト
© Honda / ホンダの田辺豊治TDとトロ・ロッソのフランツ・トスト代表(2018年)

かつてトロロッソのフランツ・トスト代表は「我々と一緒のままではホンダが優勝することは難しいが、レッドブルとであれば必ず実現できる」と述べ、日本のエンジンサプライヤーを鼓舞。その時が訪れるのを待っていた。

残念ながら今回のレースでトロロッソ勢は、2台ともがトップ10圏外でフィニッシュする結果に終わったが、トスト代表は自チームの事は脇に置き、ホンダとレッドブルへの賛辞を惜しまなかった。

「まずは、ここレッドブル・リンクで素晴らしい勝利を挙げたホンダとレッドブル・レーシング、そしてマックス・フェルスタッペンを祝福したい。ホンダはこの勝利のために、HRD Sakuraで計り知れない努力を積み重ねてきたし、チームもアメージングな仕事をやり遂げた」

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