フェルスタッペン、鈴鹿で王座連覇!最終周にドラマ…角田裕毅は入賞ならず / F1日本GP《決勝》結果とダイジェスト
2022 FIA-F1世界選手権第18戦日本GPの決勝レースが10月9日(日)に行われ、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)が後続に26.763秒の大差をつけてポール・トゥ・ウインを飾ると共に、2年連続のドライバーズタイトル獲得を決めた。
3年ぶりの鈴鹿F1日本GPは雨に見舞われ、レースは開始早々に2時間以上に渡る赤旗中断を余儀なくされた。結果、53周の規定周回に達せず、レースは28周目にチェッカーフラッグが振られた。
2位でフィニッシュしたのはシャルル・ルクレール(フェラーリ)。3位にセルジオ・ペレス(レッドブル)が続いたが、レース後に5秒ペナルティがルクレールに科された事で順位が入れ替わり、レッドブルが1-2フィニッシュを飾る事となった。
ルクレールは最終ラップの最終シケインでコース外に飛び出し、戻ったところで後続のペレスの走行を妨害した。
規定周回数未満でレースが終了したため、付与される選手権ポイントが減点されるかと思われたが、ポイント減額となるのは「レース中断のまま再開されない場合」に限られるためフルポイントが付与され、結果、フェルスタッペンがタイトルを手にする事となった。
なお、仮にペレスの猛追がなくルクレールがミスを冒さず2位を手にしていた場合、タイトルは翌アメリカGP以降に持ち越されるはずだった。今回の鈴鹿は昨年のアブダビとは異なり最終戦ではないものの、2年連続で最終周のドラマを経ての戴冠となった。
ベスト・オブ・レストの4位はエステバン・オコン(アルピーヌ)。ルイス・ハミルトン(メルセデス)に終始攻められ防戦一方であったが、最後までポジションを守りきった。
鈴鹿を愛して止まないセバスチャン・ベッテル(アストンマーチン)は自身最後の鈴鹿ランで6位フィニッシュと見事な走りを見せ、この日のDriver of the Dayに選出された。
フェルナンド・アロンソ(アルピーヌ)はベッテルに1000分の11秒届かず7位となり、逆バンクでの見事なオーバーテイクで挽回したジョージ・ラッセル(メルセデス)が8位につけた。
ベッテル同様、フルウェットからインターへといち早く履き替えた事で大きなゲインを得たニコラス・ラティフィ(ウィリアムズ)が9位。10位にはランド・ノリス(マクラーレン)が滑り込んだ。
2014年の小林可夢偉以来となるホームドライバーとして日本グランプリに挑んだ角田裕毅(アルファタウリ)は一時、9番手を走行していたものの、最終13位と入賞は叶わなかった。
予選17番手に終わった僚友ピエール・ガスリーは、リアウイング及びフロントウイングのバラスト、そしてリアサスペンションのセットアップを変更。パルクフェルメ規定違反に伴いピットレーンからスタートし、17位でレースを終えた。
レース概要
決勝は9日(日)14時にブラックアウトを迎え、1周5807mのコースを28周する事で争われた。岸田文雄首相が参加したレース前セレモニーでは水樹奈々さんによる国家独唱が行われた。
現地鈴鹿は雨に見舞われ、チャンピオンシップポイントを争う決勝のフォーメーションラップは気温17.5℃、路面21.8℃、湿度78%、気圧1015.7hPaのウェットコンディションで開始された。
公式タイヤサプライヤーのピレリは最も硬いレンジのC1からC3までのスリックコンパウンドを投入したが、レースで使われる事はなく、全車インターミディエイトタイヤを履いてグリッドに着いた。
ハミルトンは1周のみ走った中古インターを装着。曰く、ウェットではスクラブしたタイヤの方がグリップしやすいという。
スタンディング・スタートによりブラックアウトを迎えたオープニングラップでは、クラッシュやスピンといったインシデントが多発。3周目を前にセーフティーカー(SC)導入を経て赤旗中断となった。
フェルスタッペンはスタート直後にルクレールとサイド・バイ・サイドでターン1に進入。リスクを負ってアウト側をキープし、スタートポジションを守り切る気迫の走りを披露した。
ベッテルはターン1に向けてアロンソと接触。グラベルに飛び出し最後尾に転落した。
ヘアピンでは周冠宇(アルファロメオ)が単独スピン。アレックス・アルボン(ウィリアムズ)はテクニカルトラブルによりクルマを降りた。エンジントラブルが疑われる。
予選3番手のカルロス・サインツ(フェラーリ)は200Rでクラッシュ。その遥か後方を走行していたガスリーは、コース上に脱落したトラックサイドボードをノーズに突き刺し、余計なピットストップを強いられた。
なおSCラップ中に車両回収用のトラクターがコース上に出ていたとして、ガスリーを含む多くのドライバーから批判的な声が上がった。
ライバルの転落を尻目に、角田裕毅は4つポジションを上げて9番手に浮上。ミック・シューマッハ(ハース)は5つ順位を上げて10番手にまで前進した。だがいずれもレースをポイント圏内で終える事はできなかった。
LAP 1/53
Sainz into the barriers!
The Spaniard has spun off and is out of the race ❌#JapaneseGP #F1 pic.twitter.com/uAOJNeWIu4
— Formula 1 (@F1) October 9, 2022
レースコントロールはSC導入を経てレッドフラッグを提示した。レースは2時間以上に渡って中断され、リタイヤしたサインツとアルボンを除く18台がフルウェットを履いて16時15分にコースイン。SCラップを経て、レースは6周目にローリングスタートで再開された。
3時間ルールが適用となったことで、再開後のレースは残り周回ではなくタイムカウントダウン形式で進められた。
ベッテルとラティフィは再開を前にピットに飛び込み、ウェットからインターミディエイトタイヤに履き替えた。これが功を奏して入賞を呼び込んだ。
ラップリーダーのフェルスタッペンが8周目にインターに交換すると、後続のマシンも一斉にピットへとなだれ込んでいった。シューマッハだけはウェットで粘り続けたものの、12周目に諦めインターに履き替えた。
フェルスタッペンはフロントタイヤの摩耗に苦しむルクレールを尻目に、1周あたり1秒以上速いペースで周回を重ねていき、早々に優勝をほぼ手中に収めた。
タイヤに苦しむルクレールに対してペレスは、終盤に向けて一気に差を縮めていくと、1秒以内の接近戦に持ち込んだ。
ただそれでも鈴鹿でのオーバーテイクは難しく、このまま3位に終わるかと思われたものの、チェッカーまで残り数百mの位置でルクレールがコースオフ。アドバンテージを得たとして5秒ペナルティが科される事となり、ペレスは2位に昇格し、フェルスタッペンのタイトルが決した。
2022年F1第18戦日本GP決勝リザルト
Pos | No | Driver | Team | Laps | Time | PTS |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | 1 | フェルスタッペン | レッドブル | 28 | 3:01:44.004 | 25 |
2 | 11 | ペレス | レッドブル | 28 | +27.066s | 18 |
3 | 16 | ルクレール | フェラーリ | 28 | +31.763s | 15 |
4 | 31 | オコン | アルピーヌ | 28 | +39.685s | 12 |
5 | 44 | ハミルトン | メルセデス | 28 | +40.326s | 10 |
6 | 5 | ベッテル | アストンマーチン | 28 | +46.358s | 8 |
7 | 14 | アロンソ | アルピーヌ | 28 | +46.369s | 6 |
8 | 63 | ラッセル | メルセデス | 28 | +47.661s | 4 |
9 | 6 | ラティフィ | ウィリアムズ | 28 | +70.143s | 2 |
10 | 4 | ノリス | マクラーレン | 28 | +70.782s | 1 |
11 | 3 | リカルド | マクラーレン | 28 | +72.877s | 0 |
12 | 18 | ストロール | アストンマーチン | 28 | +73.904s | 0 |
13 | 22 | 角田裕毅 | アルファタウリ | 28 | +75.599s | 0 |
14 | 20 | マグヌッセン | ハース | 28 | +86.016s | 0 |
15 | 77 | ボッタス | アルファロメオ | 28 | +86.496s | 0 |
16 | 24 | 周冠宇 | アルファロメオ | 28 | +87.043s | 0 |
17 | 10 | ガスリー | アルファタウリ | 28 | +88.091s | 0 |
18 | 47 | シューマッハ | ハース | 28 | +92.523s | 0 |
NC | 55 | サインツ | フェラーリ | 0 | DNF | 0 |
NC | 23 | アルボン | ウィリアムズ | 0 | DNF | 0 |
コンディション
天気 | 雨 |
---|---|
気温 | 17.5℃ |
路面温度 | 21.8℃ |
周回数 | 29 |
セッション概要
グランプリ名 | F1日本GP |
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レース種別 | 決勝 |
レース開始日時 |
サーキット
名称 | 鈴鹿サーキット |
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設立 | 1962年 |
全長 | 5807m |
コーナー数 | 18 |
周回方向 | 時計回り |